東京でのイベント出演を終えて、MAYUと一緒に川崎から
秋葉原まで生涯初の
ヒッチハイクを体験して、諸々あって
福島県の
いわき市に来た。最大の目的は「ゴキブリ号との面会」であり、非常に素晴らしい時間になった。ゴキブリ号のオーナーなどと話したあれこれについてをまとめます。
1・最近の車は睨んでいるようなものが多いけれど、ゴキブリ号は格別。
坂爪「うおー!すげー!」
MAYU「すごいねー!」
坂爪「ゴキブリ号だー!」
MAYU「きゃわいいー!」
坂爪「フォルムが美しい!」
MAYU「かわいいねー!」
オーナー「そう言ってもらえると嬉しいです」
坂爪「大切に扱われているのがすごい伝わってきます」
MAYU「ねー!」
オーナー「ありがとうございます。ぼくはこの車が大好きなので、そう言ってもらえるとほんとうに嬉しいです。正面から見て見てください。まるっこい顔が可愛らしくないですか?」
坂爪「かわいい…」
MAYU「かわいい…」
オーナー「最近の車は、まるで睨んでいるような顔をしている車が多いなあって思うんですけど、みてください、この可愛らしい表情!これで街の中を走っていると、小さなこども達が寄ってくることもあったりして、すれ違う大人のひとたちも『おおー!』みたいな顔をしてくれるのが嬉しいんです」
坂爪「オーナーさんの、車への愛が伝わってきます…」
MAYU「わたしも車とかには全然興味がなかったんだけど、確かにこれは可愛いと思う!」
2・高級車って言うけれど、「高級車」とは何か?
オーナー「こども達は、決してこの車が『高級車だから』近寄ってくる訳ではないと思うんです。高級だとかそういうことはこども達にはわからないことだけれど、それでも、何かこう近寄ってみたくなる何かがこの車にはあるように感じていて」
MAYU「うん」
オーナー「こういう車に乗っていると、どうしても『高級車なんて乗っていていいですね』ということを言われてしまうんです。でも、最近の車は、一般のものでも高いものは何百万円もするし、この車とそれほど変わらない普通の車も多いんです」
MAYU「うん」
オーナー「高級車って言うけれど、『高級ってなんだろう?』みたいなことを考えるんです。この車も、高級車をつくろうと思って作られた訳ではなくて、乗っていて最高に気持ちのよい車をつくろうっていう、作り手の強い思いからはじまったものだと思うんです」
MAYU「他のブランドもそうだよね。高級なものをつくるためにつくっているんじゃなくて、最高のものをつくりたい!っていう思いから、基本的にははじまっていそうだよね」
オーナー「どうしてもいまは『安くて、便利で、手間のかからないもの』が重宝されてしまうけれど、この車は『安からず、便利でもなく、手間もかかりまくる』ものなのですが、同時に、手間をかけることで日に日に増して行く愛着が確実にあると思うんです。手間をかけないでも済むということは、大袈裟な表現かもしれませんが『愛情を放棄する』ことに繋がってしまうんじゃないのかなって、そういうことを感じることがあるんです」
3・「所有はダサい(共有する奴が格好いい)」という流れ。
(いばやのほっしーも参入)
ほっしー「最高ですね!これ!」
坂爪「すごいよねー!」
ほっしー「ガッツポーズをしたくなりました」
坂爪「ガッツポーズをしていたね」
ほっしー「これからは『ポルシェアリング』ですね」
坂爪「いい名前だね。なんかさ、やっぱりこれからは『所有はダサい!共有する奴は格好いい!』みたいな雰囲気になっていくと思うんだ。正直、どれだけいい家に住んでも、どれだけいい車に乗っていても、周囲の人から見ればどうでもいいことに映るでしょ??」
ほっしー「はい」
坂爪「でもさ、持ち主のひとが『自由に使っていいですよー!』って言った瞬間に、周囲の人たちのテンションも一気に『まじですかー!』って高揚して、途端にテンションも高まり、あげあげが訪れ、みんなが幸せになる方向で使われて行くようになったら、非常に素敵だと思うんだよなあ」
ほっしー「このブログ記事を見た世界中の富裕層が『俺の
フェラーリも使ってくれ!』とか『俺のクルーザーも使ってくれ!』とか『俺の別荘も使ってくれ!』みたいなことを言ってくれるようになったら、素晴らしいですね」
坂爪「そうしたらさ、単純に楽しいよね。自分一人では生かしきていれないものを、自分が差し出せる範囲から差し出していくひとたちが増えていったら、世界はもっと面白くなりそうだよね」
4・「直感よりも反射神経」の恩恵。
坂爪「最近は『直感よりも反射神経』っていうことを思うんです」
MAYU「ほう」
坂爪「うん。非常にありがたいことに、いまでは一日に20件くらいのメールを貰うのね、だからメールの全部に返信をすることはとても無理で、返信できないものも多いんだけど、でも、オーナーさんから『ゴキブリ号』の連絡をもらったときは、考えるよりも先に身体が先に動いていた、と言いますか」
MAYU「ほう」
坂爪「とりあえず『うおー!』ってなって、いましている目の前の作業とかどうでもよくなって、すべてを放り投げて『こっちだ!俺の人生の最優先事項はこっちだろ!』みたいな感じになって、速攻で返信をして、速攻でやりとりが行われて、こうして速攻でゴキブリ号との面会が実現して」
MAYU「ほう」
坂爪「身体が先に動いて、速攻で行動すると、速攻でいろいろなことが実現するんだけど、これって『直感よりも反射神経』の恩恵だと思うの。直感レベルだと『こっちには何かがありそうだぞ…ごくり…』程度のもので終わっちゃうけど、反射神経は頭よりも身体が動いている」
MAYU「ほほう」
坂爪「
なんていうんだろう、直感で『あ!これ!』って思っても、身体の動きが伴っていないと、貴重な機会を逃してしまうことって頻繁にあると思うんだ。だから、自分の直感が『こっちだ!』って叫んだら、脊髄反射で具体的なアクションを取る『反射神経』みたいなものって、超絶大切だと思った」
5・ホームレスのおじさんが神様になった話。
MAYU「前に、横浜で托鉢をやっているひとがいてね、托鉢やっているなあとか思いながら歩いていたら、50円玉を拾ったの!で、その50円を托鉢のひとに寄付(?)したのね」
坂爪「はい」
MAYU「そしたらね、今度は100円玉を拾ったの!で、托鉢さんの所に戻って、100円を寄付(?)したのね。で、またしばらく歩いていたら、今度は250円を拾いまして」
坂爪「すごいね…」
MAYU「でね、でも、もう托鉢さんとは遠く離れてしまったから、どうしようかなあと思っていたら、路上でホームレスの人が
ビッグイシューっていう雑誌を売っていて、表紙が(MAYUの大好きな)
スポンジボブだったから、350円とか払って買ったのね」
坂爪「はい」
MAYU「そしたらね、今度は700円とか拾ったの!なにこれー!ってなって、それで、一気に話を省略するけれど、托鉢のお坊さんと、ホームレスのおじさんの違いって、実は何も無いんじゃないだろうかって思うようになって」
坂爪「はい」
MAYU「どちらも『お金を出す機会を与えてくれている』って考えると、頭を下げるのはこっちなんだよね。それから、ホームレスの人が神様に見えるようになったの」
6・神様はいつもそこにいるとは限らない。
MAYU「でね、そんなもんだから、MAYUの中では『ホームレスのおじさんは神様である』っていうことになったんだけど、この前に自転車で街中を走っていたら、ホームレスのおじさんがいたのね」
坂爪「はい」
MAYU「でね、わたしも『神様いたー!』ってなって、その人は缶詰の空き缶を置いて下を向いて座っていたのね。それで、わたしもちょっとだけ済ませたい用事があったから、それを済ませたらもう一度戻ってきて、神様に募金をしよう!って思ったの」
坂爪「はい」
MAYU「でね、用事を済ませて戻って見たら、神様はもうそこにはいなくて!」
坂爪「おー!」
MAYU「逃したー!って!」
坂爪「おー!」
MAYU「神様逃したー!って!」
坂爪「おー!」
MAYU「でね、その時に超思った。神様はいつもそこにいるとは限らないから、自分がやりたいと思ったことは、自分がやりたいと思った時にやっておかないと、いなくなってしまうことがあるんだって」
7・「重さ」と「軽さ」の違いとは何か。
坂爪「直感よりも反射神経の話だね」
MAYU「うん。反射神経はまじで大事って思った」
坂爪「なんかね、最近もたまにトークイベントなどに招待されて出演することがあるんだけど、
質疑応答とかの時に『坂爪さんは不安になるときはないんですか?』とか『いつまで家のない生活をするんですか?』とか『坂爪さんにとって幸せとは何ですか?』とか聞かれることが多くて」
MAYU「うん」
坂爪「でね、正直に言うと『質問がきもいな』とか思っちゃうことも多いんだけど、ひとつ気がついたのが、多分、多くの人は『家のない生活』を非常に重く捉えているのね」
MAYU「うん」
坂爪「でもね、俺は『家のない生活』をあんまり重いことだと捉えていないというか、これは俺の日常で、非日常的なものでは全然なくて、いまはなんとなく『面白そうだから(面白いから)』やっているだけで、いつまでやるとか、何の目的があってやっているとか、そういうのがなんにもなくて」
MAYU「うん」
坂爪「でも、家のない生活を重く捉えている人からは『なんのために!』とか『いつまで!』とか『不安にならないのか!』とか『失敗したらどうするんだ!』とか、とにかく降りかかってくる質問が重いの。なんだろう、同じ物事でも、それを重く捉えるか軽く捉えるかで、全然別物になると思った」
8・タンポポの綿毛の様なフットワーク。
坂爪「前に、横浜の
山下公園でやったイベントに広島から16時間かけてきてくれた男の子がいたでしょ」
MAYU「あれは非常に良かったね」
坂爪「うん。超絶良かった。多分、この男の子が素敵なのは、16時間かけて広島から横浜にいくことを、まったく重く捉えていない所なんだと思う。ただピクニックをするためだけに16時間も移動するとか、見る人から見たら『バカなんじゃない!』ってなると思うんだけど、そこが最大の魅力なんだ」
MAYU「『軽いことをしに遠くに行く』っていいよね」
9・軽い気持ちで遠くに行こう。
坂爪「移動っていいよね」
MAYU「移動っていいね」
坂爪「移動っていいよね」
10・人生に必要なものは「軽やかさ」である。
坂爪「俺ね、これからの時代に必要なのは『軽やかさ』なんじゃないのかってすごい思うの」
MAYU「うん」
坂爪「深刻に考え過ぎてもロクなことはないから、常に『軽やかさ』を意識しつつ、あっちにいったりこっちにいったりしていたら、勝手に素敵な扉は開いていくみたいなイメージがあるの」
MAYU「多分、いままでは『真面目』とか『必死に』とか『頑張る』とか、そういう価値観が大切だったんだろうとは思うんだけど、その時々の時代にあった考え方があるというか、昔は堅苦しいのが良かったんだけど、これからはもっとポップな感じの考え方があっているような気はするよね」
坂爪「まさに!キーワードは『直感よりも(軽やかな)反射神経』だと思う。ゴキブリ号の連絡をくれたオーナーさんの気前の良さとか、高級車なのに高級車と捉えていない感じとか、広島から横浜まで来てくれた男の子の軽さとか、そういうものの中に明るい未来のヒントがあるような気がしているよ」
人生は続く。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
LINE:ibaya keigosakatsume@
gmail.com