いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【大感謝祭】「センスのある損」をする奴が新しい。ー LOSS IS MORE!(服を選ぶように損を選ぼう!)

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6月29日(月)新潟県で開催された大感謝祭『Enjoy Your Life!!!!! 地球をぼくらの遊び場に』は、全国各地から様々な方々にお集まりいただき、おかげさまで大盛会となりました。皆様の前でお話させていただいたことに若干の加筆修正を加えて、最近のいばやが考える『センスのある損』についてまとめます。


1・いばやの仮説「やばいことをやっていれば、それを面白がってくれるやばいひとが現れて、化学反応が起きて、結果とんでもないわっしょい状態になる」

観客の男性「『いばや』とは何ですか?」

坂爪「いばやの由来は『やばい』を逆から読んだだけなのですが、『とにかく(自分たちが)やばい(と思う)ことだけをやろう!』という点で意気投合した坂爪圭吾とMAYUの二人が、2013年の8月に私たちの故郷でもある新潟県で設立した合同会社です」

MAYU「はい」

坂爪「でも、最初は会社にしようとかは全然思っていませんでした。ただ、当時からMAYUは『やばいことをやっていれば、それを面白がってくれるやばい人があらわれて、化学反応が起きて、結果とんでもないわっしょい状態になるという予言をしていました」

MAYU「はい」

坂爪「それで、私たちはとりあえず任意団体みたいな感じで、自らを『いばや』だと名乗ろう、ということになりました。この時点では、まだ会社にするつもりはありませんでした。ただ、私とMAYUがこのような話をしていた時に、隣でこの話を聞いてくれていた阿部さんという男性がいたのですが」

MAYU「はい」

坂爪「阿部さんは『いいね、俺もいまの時代にはバカが必要だと思うんだよ』という感じで、私たちに応援のメッセージを与えてくれました。阿部さんは私たちの共通の友達なのですが、事件はその翌日に起こりました」

MAYU「はい」

坂爪圭「阿部さんから『もしよかったら早朝のファミレスで会えないか?』という連絡をもらいました。私は、時間もあったので快諾し、早朝のファミレスで阿部さんと二人きりで合流しました。すると、阿部さんはアンビリーバボーな言葉を口走ったのです」

MAYU「はい」

坂爪「阿部さんは『昨日は応援しているとか言ったけれど、応援しているとか口先だけで言うのはダサいと思って』と言いながら、おもむろにカバンの中から結構な厚みのある封筒を取り出して、それを私に『これを自由に使ってくれ』と差し出しました」

2・伝説の阿部と、いばやの誕生。

坂爪「私は(小刻みに震えながら)封筒を開けました。すると、その封筒の中には、驚いたことに一万円札が50枚入っていました。それを見た私は、早朝のファミレスで空前の大爆笑をかましてしまって、ひとしきり爆笑し終えたあとに『阿部さん、これは何ですか?』と尋ねました」

MAYU「はい」

坂爪「阿部さんは『俺も、面白い金の使い方がしてみたかったんだよ。いわゆる消費と呼ばれるものには飽きてしまっていて、新しい金の使い方を探していた。そしたら、お前たちが「とにかくやばいことだけをやる!」とか言い始めるから、俺も、そういうものにこそ金を使っていきたいと思って、だから、この金を何に使ってくれとか、そういうものは何もないんだ。何かをはじめる時には金があった方がいい場合もあると思うから、自由に、好き勝手に使ってもらえたらそれでいい』と言いました」

MAYU「はい」

坂爪「それで、私は早朝であるにも関わらず、即座にMAYUに電話をしました。『MAYU!聞いてくれ!早速わっしょい状態になってしまった!』と」

MAYU「はい」

坂爪「『やばいことをやっていれば、それを面白がってくれるやばい人があらわれて、化学反応が起きて、結果とんでもないわっしょい状態になるというのは真実だった!と!」

MAYU「はい」

坂爪「そこで、それならば『自分たちも阿部さんの気持ちにこたえよう』ということで、この50万円を使って『とにかくやばいことだけをやる』合同会社をつくりました。普通は、事業内容を決めて、それをやるために会社を設立するのが王道ですが、やることは何も決めていませんでした。ただ、世の中にはこんな会社がひとつくらいはあってもいいじゃないかという思いだけで生まれたのがいばやです」

3・いばやの仮説「宇宙の摂理として、新しいことをやろうとしているひとは死なない」

坂爪「それで、これもMAYUが昔から言っていたことなのですが宇宙の摂理として、新しいことをやろうとしているひとは死なない』といういばやの仮説があります」

MAYU「はい」

坂爪「言い換えると『未来にとって必要なことをやっていれば、それを見ているひとたちが「こいつらを餓死させてはいけない!」ということになって、必ず助けてくれるだろう。しかし、未来にとってまるで必要でもないことをやっていれば、私たちは餓死するだろう』と」

MAYU「はい」

坂爪「それで、あとはもう自分たちのセンスに賭けるしかないよねということになって生まれたのがいばやなのです」

MAYU「はい」

坂爪「それで、いばやの中ではMAYUが『神』で、私がMAYUのお告げを現代版に翻訳する『バイブル』として機能していけばいいなと思っています」


4・ヒッチハイクの思い出と「センスのある損」

坂爪「そのため、基本的な活動はMAYUのインスピレーションが引き金になっているのですが」

MAYU「はい」

坂爪「最近、MAYUがヒッチハイクを数日間で30回とかいきなり経験したりしていて」

MAYU「はい」

坂爪「そこで感じたことがヒントになるというかなんというか」

MAYU「うん、あのね、この前に女の子の友達と二人で一緒に九州に行ったんだけど、そこでの移動は全部ヒッチハイクでやろうということになったのね。それで、それがものすごい楽しかったから飛行機で成田に戻ってきたあとも、横浜までの移動をヒッチハイクでしようっていうことになったの」

坂爪「うん」

MAYU「でね、成田でダンボールに『横浜!』って書いてそれを掲げて、全然車が通らない道路を歩いていたら一台の車が止まって『ここは全然車が通らないし、横浜方面にいく車はここを通らないよ』って車のおじさんが教えてくれたの。それで、おじさんが『近くのパーキングまでなら送れるよ』って言ってくれて、とりあえず車が多く通る場所まで移動させてもらえることになったのね」

坂爪「うん」

MAYU「そのおじさんも『ヒッチハイクなんて大丈夫なの?』って、最初はすごい怪訝な感じでわたしたちを見ていたんだけど、九州でヒッチハイクが成功しまくっていたから私達も軽いヒッチハイクハイになっていたから『余裕です!絶対に大丈夫です!』って楽しそうに騒いでいたのね」

坂爪「うん」

MAYU「それでね、あまりにも私達が楽しそうにしているものだから、おじさんも途中で『別に横浜まで行ってもいいんだけどねえ』ってぼそっと呟いたの。で、私達も即座に『(ここは遠慮している場合ではない!これはチャンスだ!ということで)あざす!』って言って、結局、横浜の家の前まで連れていってもらえることになったの」

坂爪「おー!」

MAYU「でね、最初はネガティブな感じだったおじさん(ちなみにおじさんの自宅は成田)も、話している内にどんどん打ち解けていってね、最終的には『俺には息子がいるんだけどね』みたいな感じで人生相談がはじまったりして、私達も『いやいやそれはきっと息子さんもこう考えていると思いますよ』とか言ったりしていたの」

坂爪「おー!」

MAYU「でね、私達も九州でお金を使い果たしていたから、二人合わせて300円しか持っていなかったの。それで『高速代を払うお金がないんです!』って言ったら、おじさんも『いいよ、いいよ、俺がやりたくてやっているんだし』みたいな感じで、お金とかも全部だしてくれて」

坂爪「うん」

MAYU「それで、私達もお礼に、お土産で買ってきたビールを一本ずつ『これを奥さんと一緒に飲んでください』って言って渡したの。でね、不思議なのがね、この場においてこのおじさんは圧倒的に損をしている訳なのね。運転の時間とか、ガソリン代とか、高速に乗るお金とか」

坂爪「うん」

MAYU「でね、最近は『センスのある損』についてすごい考えるようになって」

5・センスのある損をする奴が新しい。

MAYU「昔から、いばやは『答えよりも問いになりたい』って話していたでしょ。でね、最近の私の中にある問いは『センスのある損とは何か?』みたいなものになっていて、センスのある損をする奴が新しいんって、そういうことを思っているの」

坂爪「ほー!」

MAYU「『自分から損をしよう!』みたいな」

坂爪「ほー!」

MAYU「普通だったら『損はしたくない(得をしたい)』って考えるけど、『マイナスでもいい!』ってなったら最強だし、どれだけ『センスのある損』が出来るのかなって

坂爪「楽しさは『金の問題』を解決する」

MAYU「はい」

坂爪「問題が解決したり、問題そのものがどうでもよくなる瞬間ってあるよね」

6・センスのある損は「素晴らしさの総量を増やす」

坂爪「その話を聞いていて思い出したのが、昔、俺が住む家を失ったときに、俺は本が好きだったから自分が素晴らしいと思う本は自宅の本棚に丁寧に陳列していたのね」

MAYU「はい」

坂爪「だけど、あるとき『自分が素晴らしいと思う本を、自分の家においておいたら、この素晴らしさを味わえるのは自分だけじゃないか!』って思って、所有の退屈さのようななものを感じたのね」

MAYU「うん」

坂爪「でね、ちょうど家もなくなるし、そもそもで保管できる場所もなくなるから『坂爪の本を欲しいひとがいたらどれでも好きなものを譲ります』って各種SNSから発信してみたの。すると、それを欲しがってくれるひとが大量にあらわれて、送料無料で自腹でプレゼントしていたりしていたのね」

MAYU「はい」

坂爪「そしたら、すべての人がお礼に何かをしてくれたとかではないんだけど、本を送ったうちのひとりが『私も坂爪さんに贈りたい本があります』って本をプレゼントしてくれたり、『こういう(本を無料で配る活動は)いいですね』って、なんていうか俺の行動に共感を覚えてくれた人が謎に食事とかご馳走してくれたり、無料で何かをしてくれる『行動の連鎖』みたいなものが生まれたのね」

MAYU「はい」

坂爪「でね、単純に『自分が素晴らしいと思うものを、自腹を切ってでも他人と共有する態度を見せれば、世界全体の素晴らしさの総量が増える』みたいなことを思ったの」

7・「最初に損をする奴」が必要。

観客の男性「MAYUさんにとって『最大の損』はありましたか?」

MAYU「なんだろう」

坂爪「なんだろうね」

MAYU「昔の彼氏と別れたときはそうだったかも。あの時は結婚とかも決まっていて、このままいけばいわゆる普通の生活にいけたはずなんだけど、でも、結局『何か違う!』と思って全部やめにして、自分の家も引き払って住む場所も変えて、結局全部がなかったことになった」

坂爪「おおー!」

MAYU「でも、そのおかげでいまがあるということは強烈に思う」

坂爪「確かに、そういうのも『損』になるんだね」

MAYU「多分、損の中にも『センスの良い損』と『センスの悪い損』があって、これは別にしなくてもいい損だわ、みたいなものも絶対にあると思うのね」

坂爪「うん」

MAYU「でも、私たちはまだ『センスのある損をする世界』においてはど素人だから、とにかくいろいろな損を試してみて、どの損が自分に合うのかということをひとつずつ知っていく段階にあって」

坂爪「うん」

MAYU「そのためには『最初に損をする奴』が必要だと思うの」

坂爪「ほー!」

MAYU「『マイナスでもいい!』と思う人達がたくさん出てきて」

坂爪「うん」

MAYU「『この損はいい感じだった!』とか『この損はまったくやる必要のない損だった!』みたいな感じで、やる必要のなかった損とかも最初は何回も繰り返したりしながら、徐々に損のセンスを高めていく、みたいな

8・服を選ぶように損を選ぼう!

坂爪「なんだか、服選びと似ているね。ここにいるみんなも、多分、中学校時代とか半端なくダサい格好をしていたと思うの。いま振り返ったら『半端なくダセー!』みたいな格好を、当時は『これがかっこいい!』って思って着ていた訳でしょ」

MAYU「はい」

坂爪「でもさ、そういう失敗があったからこそ自分に似合う服がわかる訳だし、ダサさを経由しないとわからないセンスみたいなものも絶対にあるし、服を選ぶみたいに(自分に似合った)損を選ぶ感覚に近いのかな」

MAYU「『服を選ぶように損を選ぼう!』っていうのはいいね!損の世界においては、みんなまじでクソダサいのがいま。いばやは最先端で、『センスのある損とは何か?』を追求することで、だんだん自分に合った損の形が見えてくる」

9・損というのは「現在の常識から見たら損」なだけ。

坂爪「ヒッチハイクで横浜まで連れていってくれたおじさんも、本を無料で配った俺も、損をしているという意味においては圧倒的に損をしているよね」

MAYU「はい」

坂爪「でも、あの時に感じたのは『確かに金銭的な面では俺は絶大な損をしているけれど《金以外の何か》を得ることができている』っていう感覚なの。これは、俺が『家を持たない生活』をはじめてからより強烈に感じるようになった感覚でもあるんだけど」

MAYU「はい」

坂爪「たとえばね、俺を自宅に泊めてくれるひととか、俺にご飯をご馳走してくれるひととか、全国から交通費を出してまで俺を呼び出してくれるひとまでいて、普通だったら全国各地を巡るのにはある程度のまとまったお金が必要だと思うんだけど、俺は金がないくせに各地を転々としたり、それこそ日本だけじゃなくて海外にまで足を運べるようになったんだよ」

MAYU「面白いね」

坂爪「何だか《金以外の何か》が蓄積されているのをすごい感じていて、これがあれば、普通はお金が必要なことでも、お金がないままに死なないで生きることができているんだよ。だって、俺なんていまは『4000円しかない』んだから、路上で野垂れ死んでいてもおかしくないはずなのに」

MAYU「うん」

坂爪「それなのに、謎に全国を転々とする日々を送れていたり、こうして皆様の前でお話をさせていただく機会にも恵まれている。もしかしたら、損というのは『現在の常識からみたら損』なだけであって、未来の常識からみたら『これこそが得』ということになるのかもしれないね

10・LOSS IS MORE!(自分から損をしよう!)

坂爪「これは『答』ではなくて『問』で」

MAYU「はい」

坂爪「『センスのある損』とは何か?

MAYU「はい」

坂爪「俺も、家がなくなってから人生が面白くなったのは確かだし、ホームレスっていうかホームロス(ジョブレスよりもジョブロス)だし、マイナスな局面に置かれている時ほどプラスの出来事が生じたりしているんだよね。日々、比較的致命的なロスを通じて人生って謎に好転しているよね」

MAYU「あるね」

坂爪「うん」

MAYU「最初に損をする奴が必要なんだろうなって思う」

坂爪「そうだね」

MAYU「いばやも、阿部さんの壮大な損によって生まれたんだもんね」

坂爪「阿部に感謝だね」

MAYU「阿部に感謝!」

坂爪「最初の仮説もセンスがあれば死なない』だもんね

MAYU「そうだね」

坂爪「『センスのある損』とは何か?

MAYU「あ!終了の時間だって!

坂爪「かしこまりました!」

MAYU「楽しかったねー!」

坂爪「楽しかったねー!」

MAYU「結論は『センスのある損をしよう』」

坂爪「最後までお聞きいただきありがとうございました!」

MAYULOSS IS MORE!(服を選ぶように損を選ぼう!)

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人生は続く。


Photgraphed by 池トヒロクニ

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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