いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

奇跡は余白に舞い込む。

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パリを経由してロンドンに到着し、数日間、エセックスに暮らす日本人女性とイギリス人男性のご夫婦の家に滞在をさせていただいた。パリからの往復航空券を負担していただいただけでもありがたいことなのに、高級ホテルのような素晴らしい客室と、1日3食の絶品手作りのイギリス料理、プリペイドの携帯を二台とオイスターカード(日本で言うSuicaのようなもの)を二枚、そして、もしもの時のために55ポンドまで持たせてくれた。

ミカさんは、ひと言で言えば「粋なお姉様」という素晴らしい人柄の女性で、あらゆる場面で最高の心配りを与えてくださり、かつ、そこに「一切の恩着せがましさがない」ことがほんとうに凄い。終始「何かをしてあげるというよりも、自分がやりたいからやっているだけなのよ」という雰囲気があり、そのため、受け取る方もある種の負担や緊張感を覚えずに受け取ることができる。やりたいがやらなきゃ!になった瞬間から、多分、前向きな感情は徐々に濁りはじめるのだと思う。南国の風のようにカラッと晴れ渡るミカさんとの時間を通じて、私は「こんな風に誰かに何かを与えられるような人間になれたなら」と思った。


わたりBBQ in LONDON 修羅場に大小はない。

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ミカさんのご好意で、わたりBBQ in LONDONが開催された。直前の告知であったにも関わらず、ロンドン在住の日本人の方々が集まってくださり、静かな空間の中でゆっくりと話をする機会に恵まれた。私の小学校時代の同級生のAKIも遊びに来てくれて、現在、彼女はワーホリのような制度を使ってロンドンでヘアメイクアーティストとして活動をしている。

彼女曰く「数年前にガンみたいな症状が出て、その時にものすごい死を身近に感じた。そこで『前からずっとロンドンに住みたいと思っていたのだから、やろう』と一念発起し、いま、こうしてロンドンにいられることをとても嬉しく思う。嬉しく思うはずなのに、あれだけ死を身近に感じたはずなのに、そのことを簡単に忘れている自分に気がつく。つい最近、こうした初心のようなものを強く思い出せる出来事があって『ああ、仕事でいろいろとつらい思いをすることもあるけれど、そういうものも全部込みで、いま、自分はものすごい幸せな状態にいるんだ』ということを感じた」のだと話してくれた。

彼女の話を聞きながら、私は「人間、生きていれば誰もがこっそり修羅場を乗り越えているものなのだなあ」などと、しみじみとしてしまった。余談になるけれど、私の好きなAKIのエピソードは、ロンドン在住を決意してから「よし!これから日本で仕事を頑張って2年間で二百万円貯めるぞ!」と決意をしたものの、結果的に、2年後の出発の時には貯金を決意した2年前よりも貯金残高は減っていた(そして、そのまま実際に移住をしたけれどもどうにかなっている)というものです。人間、実際にやってしまえば意外とどうにかなるのだということを体現してくれる、素晴らしい友達のひとりです。

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ご自宅の庭にある、花とベンチ。

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特大サイズのシャンパンまで!

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日曜日にはサンデーローストを、

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チキンを切るのは、男性の役割。

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猫と。

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庭の奥にある家屋は、イギリス人の旦那さんが趣味も兼ねて自力で建設をしている。完成した暁には、ヒーリングルームとしても使用ができたらと思っているのだと話してくれた。日本に限らず、ロンドンでも忙しい日々の中で精神的なゆとりをなくしているひとはたくさんいる。ストレスが心身に与える影響はすさまじく、これらを緩和する一助になれたらと旦那さんは話してくれた。その時の旦那さんの表情が素晴らしく、ああ、ひとは自分のやりたいことをやるのに限るのだと思った。

WALKING IN THE WOODS

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ミカさんご夫婦のご好意により、ケント州にある森の中に連れていってもらった。

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ソロー「森の生活」を彷彿とさせる森で、

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空気が綺麗だ。

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ミカさんご夫婦お気に入りのスポットでもあり、

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すれ違うひとは誰もいない、貸切の空間になる。

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あたり一面に芳香を放つ花や、

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野生のラズベリーも群生している。

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森の近くに建つ家。

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自然と調和をしている。

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イギリス人は庭や森を愛していて、

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閑静な自然の中では、富裕層の人々が暮らしている

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街の雰囲気も落ち着いていて、品があり、

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こころなしか、人々の表情にも余裕を感じる。

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花の周りにはミツバチが集い、

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公園には、様々な動物が顔を出す。

ロンドンからアムステルダムまでの一連の流れ。

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1・ロンドン在住の女性T様から「もしよろしければお会いできませんか?」という連絡が届く。私は快諾をする。そのことをミカさんに報告する。すると、ミカさんから「ロンドンの街中で会うのは騒がしくなると思うから、我が家でランチとアフタヌーンティーでもやりませんか?」という素晴らしいご提案をいただく。私は、イギリスに来てから何度目のことになるのだろうか、ミカさんの提案力にまたしても脱帽をする。

2・私はT様に連絡をする。「家主のミカさんが『アフタヌーンティーをやりましょう!』と言ってくださっているので、是非、T様さえよろしければ私たちとご一緒しませんか?」という連絡をする。それを受け取ったT様は「見ず知らずの私を、ご自宅のアフタヌーンティーに招待してくださるなんて!ありがとうございます。必要なものがあればお持ちいたしますので、その際は遠慮なくおっしゃってください!」という返信をくれる。

3・私は「必要なものはありませんので、手ぶらで来てください」と言いかける。言いかけたものの、あ、なんだかいまの自分はものすごいタバコを吸いたがっているぞということに気がつく。ロンドンの秋風を感じながらエスプレッソを片手に吸うタバコは確実にうまいだろうなあという妄想をする。しかし、タバコは高級品なので自力で買うことはできない。そこで、私は決死の覚悟でT様に連絡をする。

4・「こんなことを言うのはほんとうにあれですが、もし、もし、もしもよろしければタバコを一箱購買していただけたらものすごい嬉しいです!!」

5・私は、この程度のお願いをするだけでも「嫌われてもいい」という強目の覚悟を決めなければ、ひとに何かをお願いすることができない。この時も、たとえT様に嫌われることがあっても構わないという決死の覚悟と共に、メールの返信をした。すると、T様からは「よろこんで!与える喜びをありがとうございます!」という女神的な返信をいただいた。私はホッと胸を撫で下ろし、T様に深い感謝をすると共に「与える喜びを与える喜びをありがとうございます!」ということを思った。


6・踊る。

7・ミカさんの家でT様と出会い、皆でアフタヌーンティーを楽しむ。T様は言う。「旦那の転勤でロンドンに来てからまだ半年程度ですが、日本ではスクールカウンセラーの仕事をしていました。カウンセリングの世界では馴染み深い話ではあるのですが、小さな水槽で飼われていた魚は、大きな水槽に移しても結局小さな水槽にいた時と同じ範囲しか動かないようになるらしいのです。でも、この魚たちが広い範囲を泳ぐようになることもあって、その方法は『実際に広い範囲を泳ぐ魚を見せること』だというのです」

8・T様は続ける。「さかつめさんの生き方を見ていると、まさに、固定概念を超えて広い範囲を泳ぐ姿を見せてくれているみたいで、勝手に勇気をもらっています。こどもたちにも、普通じゃない生き方をしているおとなたちの姿を見せることは、きっと、大きな力になるのだと思います。今日はそのことを伝えることができたらと思っていたので、いま、こうして実際に伝えることができてとてもうれしいです」と話してくれた。私は「こちらこそうれしいです!」という気持ちになり、こころがあたたかくなった。

9・T様に「今後の予定は決まっているのですか?」と聞かれる。私達は「21日にパリに戻る飛行機のチケットがすでにあるのですが、24日にフランスで予定がある以外は、まだ何も決めていません。パリはすでに満喫をしているので、隣国のベルギーに遊びに行くのもありなのかなと思っています」と答える。すると、ミカさんから「何なら帰りの便はキャンセルしてもいいからね!ロンドンから高速バスも出ているし、フランスを経由しないで直接行った方が早い場合は、遠慮なくキャンセルをしてください」という女神様的な助言をいただく。

10・T様のスマホで高速バスの便を調べる。ロンドンからアムステルダムまで、片道20ポンド程度からあることを知る。所用時間は12時間。結果的に、私達はその日の夜発のアムステルダム行きのバスを予約する。予約する段階で、支払いのページが出る。私達が「クレジットカードの番号を伝えますね!」というと、T様は「あ、いいんですよ」と軽やかに答える。そして、そのままT様によって決済が行われる。私達は、それを眺めながら「これは、、、いったいなにがおこっているんだ!!!!!!」ということを思う。T様からは「何かこういうことをしてみたくって。すでにたくさんのものをもらっているので、これは、わたしの気持ちです」というようなことを言葉をいただく。

結果的に、いま、私はアムステルダムにいる。

奇跡は余白に舞い込む。

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いろいろなことがありすぎて、うまくまとめることができない自身の文章力の足りなさが歯痒い。皆様のご好意により、いま、アムステルダムからこの記事を更新することができている(高速バスの車内が激烈に冷えていたために風邪をひいてしまい、頭が朦朧としていてうまく文章が書けない)。連続する様々な出来事を通じて、まるで、いまの自分は「大玉送りの玉みたいだ!」と思った。うまく言えないのだけれど、様々な方々のお力によって、坂爪圭吾という得体の知れない奇妙な玉は様々な場所に運ばれていく。

家のない生活をはじめてから「奇跡は余白に舞い込む」ということを、自身の体験を通じて痛感するようになった。そしていま、ポヨーン、ポヨーンと運ばれて、当初は何も予期していなかったオランダに流れ着いていることの奇跡を思う。ほとんど無一文の状態でフランスに着いたのが13日、ロンドンに着いたのが16日、そして22日の今日はオランダで風邪をひきながら(マリファナではなく、ジンジャーパウダーをウェルターズオリジナルと一緒にお湯に溶かしたものをひたすら飲み続けながら)自身の幸福を噛み締めている。自身の幸福を噛み締めながら、日本の自宅で開催されている「逢初庵〜無料の宿屋〜」を利用してくださった方のブログ記事を読ませていただき、何か、不思議なつながりを覚えた。

【参考リンク】逢初庵|Aquaのブログ

スピリチュアル界隈では「2016年秋に何かが起こる」と言われているらしい。今日は秋分の日であり、私達の生きる時代はいよいよダイナミックな変遷の時期を迎えている(のかもしれない)。いままでの価値観が大きく変わるとしたら、果たして、何がどのように変わり、何がどのように残るのだろうか。これは完全に余談になるけれど、世の中が大きく変わる出来事として「戦争・天災・財政破綻」の三つがあるらしい。家のない生活をしていた頃、あるひとから「さかつめさんの生き方は、戦争や天災や財政破綻が起きた時にいちばん強い生き方ですね」と言われて、なるほどなあと思ったことがある。私には、これから何が起きるかなんていうことはわからない。ただ、自分がやりたいと思ってやっていたことが、結果として自分の身を助けてくれることがあるということは、何となくわかるような気がする。多分、我慢をするほど悪影響になるのだと思う。頭が朦朧としている。我慢は良くないことなのだと思う。自分の感情を押し殺しながらやることよりも、自分の感情を最高潮に生かしていけるほうにドライブをしていきたいと思う。


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人生は続く。

静岡県熱海市伊豆山302
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
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MAIL keigosakatsume@gmail.com