いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【いばや会議】神は「好きなように生きなさい」と言っている。

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いばや会議を舞踏家Hさん(女性)と行いました。最近の私は海岸にテントを張って暮らしているのですが、それを察した仲良しの皆様が県外からも駆けつけてくれる。海と空が素晴らしい。人が集まれば「何をしたら面白くなるだろうか会議」が自然発生的にはじまる。


1・「本当は何をしてもいいのに、周りのひともそうしているから自分もそうしているみたいなことってあるよね」問題。

坂爪「数か月前に東京の渋谷で『はなまるうどんで30人に奢る』っていう企画を(一度に奢った人数の自己ベストを更新する為に)自主開催した時に強烈に思ったんだけど、この時に幾つか面白い現象を目撃して、参加してくれたみんなには『今日は坂爪がすべてご馳走するので、何でも好きなものを頼んでください』ってあらかじめ言っておいたのね」

舞踏家H「はい」

坂爪「でね、最初に俺が別に腹も減ってなかったからかけうどん(小)を注文したの。それで、次の人もあまり腹が減ってなかったみたいで同じものを頼んで、その次の人も、また同じものを頼んだのね」

舞踏家H「はい」

坂爪「そしたら、驚いたことに『かけうどん(小)しか頼んではいけない』みたいな謎の空気感がそこに生まれて、これは同調圧力とも呼ばれるのかもしれないけれど、次のひとも、また次のひともかけうどん(小)を連続で頼んだの」

舞踏家H「はい」

坂爪「それで、俺が『別に何を頼んでもいいんですよー!』って大声で叫んだりもしたんだけど、これは後で聞いてわかったんだけど、参加者の人たちの間で『かけうどん(小)しか頼んじゃいけないらしですよ』っていう謎の伝言ゲームが(俺の知らない所で)発生していたみたいなのね」

舞踏家H「はいはい」

坂爪「うん。主催者は『何を食べてもいい』って言っているんだけど、参加者の間で『これをしてはいけない(これをしなければいけない)』みたいなものが勝手に発生していたのが、凄い興味深かった。それで、思考は飛躍して『これは《神と人間》の関係にも似ている』と思ったのです」

2・自分がやりたいようにやった結果、勝手にヒロインになった。

坂爪「結局ほとんどの人がかけうどん(小)を頼んだから、会計も全体で4000円程度とかで済んでしまったの。それで、面白かったのが遅れて参加してくれた女性の存在で、彼女は遅れてやってきたものだから、かけうどん(小)しか頼んではいけないという謎の空気感からは自由なのね」

舞踏家H「はい」

坂爪「で、俺が『何でも好きなものを頼んでください』って言ったら、彼女は『わかりました!』って言って、800円くらいの超絶どか盛りうどんを注文したの。そしたら、会場にいた他の参加者が『なんじゃこいつは!すげー!』みたいな感じに震撼して、全体がブワぁって一気に盛り上がったの」

舞踏家H「ほー!」

坂爪「でね、面白かったのが『凄いですね!』とか『あなたが一等賞です!』とか『握手してください!』とかいう人まで現れて、遅れてきた女性が突如としてヒロインになったの」

舞踏家H「ほー!」

坂爪「なんだこのシンデレラストーリーは!って思ったんだけど、凄いたのしかった。最初から『何を頼んでもいい』ってことになっていて、これはみんな同じで、彼女はそのルールに従っただけなんだけど、そのルールに従っただけで一躍ヒロインになってしまったっていうのが面白くて」

舞踏家H「うん」

坂爪「自分がやりたいようにやった結果、勝手にヒロインになってしまったんだよ。これ、凄くない?彼女は、当たり前だけどヒロインになるために800円のうどんを頼んだんじゃなくて、単純にそれが食べたいからそれを食べたら、結果として勝手にヒロインになってしまった」

3・神は「何をしてもいい」と言っている。

坂爪「俺はその女性を『渋谷のジャンヌダルクと名付けたんだけど、なんというか、この場においては(参加者全員分の飲食代金を支払うという意味で)坂爪が神で、神は最初から『何を頼んでもいい』って言っている訳なんだけど」

舞踏家H「はい」

坂爪「神は『何をしてもいい』と言っているのに、本来であれば何をしてもいいはずなのに、周囲の人たちの反応や態度を気にするあまり、周りのひともそうしているから自分もそうする(周囲から浮かないための行動をとってしまう)ことって、結構ありそうじゃない?

舞踏家H「あるある!」

坂爪「ちょっとだけ神の気持ちがわかった!」

舞踏家H「なるほど」

坂爪「神は最初から『何をしてもいい』って言っている。かけうどんを頼んでもいいし、かけうどんを頼まなくてもいいし、本当は何をしてもいいんだ。本当は何をしてもいいのに、周囲のひとがそうしているから自分もそうしている(そうさせられている)みたいなことって、結構ありそうじゃない?」

舞踏家H「あるある!」

4・自己犠牲と「我慢をしている自分は偉い」という感覚。

坂爪「なんだか俺ばっかり話しちゃって申し訳ないんだけど、あの時に別の参加者からも面白い話を聞いて、その人はかけうどん(小)を頼んだひとなんだけど、この人が『自分はかけうどん(小)を頼んだんですけれど、ほんとうは300円のうどんを注文したくて、だけど自分が安いうどんを注文すれば坂爪さんに対する負担を減らすことができるというか、そして、そのような遠慮をしている自分に「我慢をしている自分は偉い!」って思って、そうしたんです』って」

舞踏家H「すごー!」

坂爪「ねー!」

舞踏家H「すごいねー!」

坂爪「すごいよね!」

舞踏家H「我慢をしている自分は偉い!」

坂爪「なんかね、超わかる!って思った!」

舞踏家H「自己犠牲という奴ですね!」

坂爪「ザッツァライッ!」

舞踏家H「自己犠牲あるあるですね!」

坂爪「ザッツァライッ!」

舞踏家H「自己犠牲まつり!」

坂爪「自己犠牲ってすごいホットなワードだと思うんだけど」

舞踏家H「わたしにもあるよ」

坂爪「俺の中にも凄いあるよ」

舞踏家H「度合いの問題だね」

坂爪「なんかさ、いまのJAPANは自己犠牲が行き過ぎている感があるよね。あの場においては俺は神(!)で、神は『何をしてもいい』って言っている訳なので、神の望みは『わたしのために安いうどんを注文しなさい』とかじゃなくて、そんなんだったら最初からこんなイベントをやらなきゃいい(最初から人間なんて生まなければいい)訳でしょ?」

舞踏家H「確かに!」

坂爪「こういうイベントを開催して、人を呼んでいる時点で、神(坂爪)の望みは『(自己犠牲せよ!なんかではなくて)この空間を楽しんでもらいたい』に尽きるのです。神は、人間に「楽しんで欲しい」と思っている。徹底的に『いまを生きろ』と思っている訳で、自分を犠牲にして欲しいなんて思っていないんだよね」

5・「自分がそれで良いと思ったのなら、それで良い(それこそが良い)」

坂爪「もう完全に俺ばっかり話しちゃうけど、この前、大学生時代に妊娠をして結婚もしてこどもも育てたと言う女性と話したんだけど、当時は周囲のひとからも『大学生なのにこどもを産むとかあり得ないでしょ!』って言われまくったらしいの」

舞踏家H「うん」

坂爪「でね、自分でも『やっぱりそうだよなあ…』って感じる部分もあったんだけど、でも、冷静に考えてみると『なんで大学生がこどもを産んじゃダメなの?』ってなって、考えれば考えるほどに『別に全然ダメじゃないじゃん!』ってなって、それはもうほんとうにその人の言う通りなんだけど、ある日その人が通っていた大学で『妊娠をしている生徒さんのための特別講座』が開かれたらしいの」

舞踏家H「うん」

坂爪「それは『病院はここがいいですよ』とか『何かあったらここに行きなさい』とか、そういうことを教えてくれる講座みたいなものだったらしいんだけど、なんと、その講座には妊娠中の女子大生が自分が通う大学だけでも100人くらい来たらしいの」

舞踏家H「おー!そんなに!」

坂爪「(俺の聞き間違いだったらごめん!)それで、その人も『自分と同じみたいなひとはこんなにいたんだー!』ってなって、それがすごい励みになったというか嬉しかったというか。自分はひとりじゃないんだな、みたいな。『ここに来なければそんな感覚を味わうこともできなくて、自分はひとりで生きていくしかないんだみたいな気持ちになってしまっていた』みたいなことを話してくれて」

舞踏家H「それはいい話だね」

坂爪「うまく言えないんだけど、本質的には『自分がそれで良いと思ったら、それで良い』のであり、自分と同じ人間は必ずいるということなのかなって思った」


6・クリエイティブ集団「SAMO」について。

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(この辺で焚き火を囲みながら舞踏家が踊る)

坂爪「非常に素晴らしい踊りですね」

舞踏家H「波の音をBGMに踊るのは最高の贅沢ですね」

坂爪「わたしも踊りたくなってきました」

舞踏家H「踊ればいいじゃないですか」

坂爪「自意識が邪魔をしています」

舞踏家H「自意識の問題は根深いですね」

坂爪「自意識と言えば、この前に(自意識にまみれている)友達と『SAMO(サモ)』というクリエイティブ集団を口先だけでつくったんだ。語源は『まったくの初心者で完全なる素人であるにもかかわらず、さも、玄人であるかのように振る舞う』から来ているんだけど」

舞踏家H「だから『さも』なんだ」

坂爪「うん。俺も踊りとか全然わからないんだけど、舞踏家Hさんから一時間ばかり教えてもらったことを、さも、自分は昔から知っていましたよみたいな顔をして『踊りの本質とは』とか『いまこそ人類は踊るべきです』とか言いたい」

7・私は「歩く春画」になりたい。

坂爪「あとね、俺はいま春画にすごい興味があって」

舞踏家H「春画はいいよね」

坂爪「春画を極めて『歩く春画になりたいと思っているんだけど、たとえば一日本屋で春画の書籍を読み漁って、で、翌日に『春画とはこういうものです』みたいなことを(さも、昔から知っていたかのような顔で)得意気に話したりするの。別にジャンルはなんでもよくって、とにかく最近知ったばかりのことを、さも、昔から知っていましたよみたいなテイで皆様にお届けする、みたいな」

舞踏家H「楽しそうだね」

坂爪「合言葉は『プロは引っ込んでろ!』みたいな!」

舞踏家H「君はすぐにそういうことを言いたがるね」

坂爪「『君もクリエイティブ集団に入らないか?』とか言いたい!」

舞踏家H「君はすぐにそういうことを言いたがるね」

8・誤解を恐れずに言うと「何も売りたくない」

坂爪「坂爪圭吾の『春画教室』とか、受けてみたいって思う?」

舞踏家H「思うよ」

坂爪「おおー!まじか!うれしい!」

舞踏家H「他のひとも思うんじゃないかな」

坂爪「どうだろう…」

舞踏家H「坂爪さんはお金を全然持っていないじゃないですか。それでも、いばやの存在を知っているブログ読者の人達とかフォロワーの人達はいる(それなりの知名度はある)じゃないですか。たとえば、そういうことでイベントを開催したり、何かしらの形で食べていこうとかは思わないんですか?」

坂爪「あのね、この感覚を表現するのはとても難しいんだけど、前から『モノやサービスを売ってお金を得る』ということにどうしても馴染むことができなくて」

舞踏家H「はい」

坂爪「うまく伝えられるか自信がないんだけど、普通だったらモノやサービスをつくって、それを売ったお金を使って事業を回転させていくじゃないですか」

舞踏家H「はい」

坂爪「だけどね、誤解を恐れずに言うと、俺は何も売りたくないって思っているのねできることなら、あらゆるモノやサービスを『それを欲しいと思ってくれる人に無料で配りたい(それに参加したいと思ってくれるひとには無料で参加してもらいたい)』と思っていて」

舞踏家H「はい」

坂爪「でも、そうしたら『会場代などの必要経費は誰が払うんだ!』ってことになるでしょ?」

舞踏家H「はい」

坂爪「でね、ちょっと順番を逆にして、まず、先に『こいつらに何かをやっていて欲しい!』って思ってくれるひとたちが、みんなでお金を出し合うの。それで、当事者は、その集まったお金を使って目に見えるモノや目に見えないサービスを開発して、それを完全に無料で世の中にばら撒いていくの」

舞踏家H「はいはい」

坂爪「俺の場合だったら、坂爪に何かをやっていて欲しいと思ってくれるひとたちから、何かしらの資源を出してもらって、それを活動の糧にしながら坂爪圭吾は『人生のレポート』なり『はなまるうどんで奢る会』なり『SAMOの春画教室』なりを開催して、これらのものは誰もが無料で読めたり無料で参加できるのことが理想なの」

舞踏家H「なるほど」

坂爪「だから、イベントを開催して参加費を稼いで暮らすというのはあまり気乗りがしなくて、それよりも、坂爪圭吾に何かを作り出し続けて欲しいと思ってくれるひとたちから、何かしらの形でお金でもなんでも出してもらって、それをもとに活動を展開していけたらいいなあって思っています」

舞踏家H「必要なのは受け皿だね」

坂爪「そう!受け皿!その受け皿の作り方に頭を悩ませています」

9・固体の思考と液体の思考で言えば「溶け出している!」

坂爪「昔、奴隷経済っていうのを自分を使ってやっていたんだけど」

舞踏家H「はい」

坂爪「『坂爪圭吾が奴隷になるので、女王様を募集します。女王様は奴隷になんでも命令することができます』みたいな感じで自分自身をシェアします、みたいなことをやったんだ」

舞踏家H「はい」

坂爪「そうしたら、色々な人から依頼がきて、その時はお金はもらわずに無料でやったんだけど、安易な言葉だけど『人とのつながり』みたいなものが大量に生まれて、農家さんは食べ物をくれるし、自営業の人は『本当にやばくなったらうちで働け』とか言ってくれるし、ああ、これをやっていたら自分は(永遠に金持ちになることはないだろうけれど)永遠に死なないだろうなって思った

舞踏家H「なるほど」

坂爪「でね、俺の友達で来月からロンドンに移住するヘアメイクのアーティストの女性がいるんだけど、住む家も次の職場も何も決めていないんだけど、とりあえず『路上でもなんでもヘアメイクを無料でやりますとか言っていたら、誰かが拾ってくれて面白い目に遭えるだろう』みたいに構えていて」

舞踏家H「素晴らしいですね」

坂爪「多分、実際、面白い目に遭ってしまうのだと思うし、自分がやることを自分で限定づけないことは、(最近マイブームの『固体の思考』と『液体の思考』で言えば)まさに液体だな、と」

舞踏家H「溶け出しているね!」

坂爪「そう、溶け出している!」


10・【総論】神は「何をしてもいい」と言っている。

坂爪「だからね、最近では何かをガチガチな形で決めるということにすごい抵抗があって、自分自身をどれだけ溶け出させていくことができるだろうかとか、どれだけ自由度の高い形で『受け皿』を作れるだろうかということに興味を持っていて」

舞踏家H「はい」

坂爪「言い換えるならば『他力本願力』とでも言いましょうか」

舞踏家H「はい」

坂爪「自分でもどうすればいいのかがわかっていないから、とりあえずいまの坂爪はそういうことを考えているということを知ってもらいたかったのと、いろいろな人に自分の面白い使い方を教えてもらったらうれしいと思って、こうして舞踏家Hさんをひっ捕まえて話を聞いていただきました」

舞踏家H「はい」

坂爪「最後までお付き合いいただきありがとうございました。この記事をご覧の皆様も、坂爪圭吾の面白い使い方が閃きましたら(あるいは私たちと一緒に何かをやりたいと思った方がいらっしゃいましたら)、気軽にこちら(keigosakatsume@gmail.com)までご連絡をいただけるとうれしいです」

舞踏家H「面白い目に遭えるといいね!」

人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
LINE:ibaya  keigosakatsume@gmail.com