歩き出す前が一番疲れている。
多動ツーリズム二日目にして搭乗予定の飛行機を逃すアクシデント。このままでは予算を越え帰国不可能になる。困った。ので、航空会社に乗り遅れた旨を伝える。と、アラジンみたいなイケメン担当者が「2時間後の便に振り替えてあげる✨」と爽やかなウインク。九死に一生を得る。が、次はレンタカーの問題がある。カウアイ島で借りる予定のレンタカーショップが、到着する頃には閉店しているかもしれない。その際は、我々、空港付近で野宿をするはめになる。
青空ビリー【1日1N】
モロカイ空港にて2時間後出発の飛行機を待つ。祈った。が、ただ黙祷するだけなのは芸がないと思って「我々なりの祈りを…」ということでビリーズブートキャンプをやることにした。ビリー隊長には恩義がある。ハワイの気候は温暖なので日陰は最高だ。日陰を探す。良い風が吹いている。動ける格好に着替える。ビリーズブートキャンプの動画を流す。ビリーに倣って我々も動く。山々に囲まれた空港の屋外で行うビリーズブートキャンプは最高だった。海岸でヨガをやる人々の気持ちがとてもよくわかった。モロカイ空港は忘れられない場所になった。帰国したら代々木公園でビリーズブートキャンプ(からの銭湯、からの食事的な自由参加型の企画)をみんなでやりたいと思った。
良い汗をかいて水を飲んで着替えたりしていたらまた飛行機に乗り遅れかけた。搭乗員が「ちょっとあんたたちばかなんじゃないの!」と呼びに来てくれなかったら終わっていた。飛行機に飛び乗ってモロカイ島を離れる。カウアイ空港に着き神に祈る気持ちでレンタカーショップに向かう。ここが閉まっていたら終わりだ、と思ったものの無事に開店していて事なきを得る。48時間のレンタルで約1万円程度。車は動く家だ。最悪の場合は車中泊できる。屋根付きの個室を与えられた。ということで「ハワイに囲まれて眠りたい!」というY様の要望に応え、カウアイ島初日は海で寝ることになった。
その前に腹ごしらえということでマクドナルドに向かう。マクドナルドなんて10年振りに行った。ハワイの物価は高い。レストランにはチップを払う必要がある。その点、安価なマクドナルドは我々の味方だ。Wi-Fiと食べ物を与えられるとご機嫌になる。バーガーは美味しかった。コーラにはまった。Googleマップで最寄りの海岸を調べる。私は多動ツーリズムの同行者として常に野営道具と水をろ過する小さな機械と非常食諸々を常備している。これだけあれば最悪三日間程度なら無人島でも生きていける。御依頼主様の金銭的な負担を減らすため、最悪の場合は「自分は外で眠れるので大丈夫です。水も買わなくて大丈夫です」と言える自分でありたいからこその備品になる。
愛には恐れがない。
海岸に着く。想像を超えた荒波にひるむ。波音がすごい。こんなところで野営なんてできるのだろうか。自然をなめたら危険だ。が、なんだってやってみなくちゃわからないということで海岸を歩く。あらかじめ断っておくと、ハワイは(キャンプ場以外は)野営禁止だ。すべては自己責任の遊びになる。が、既に複数のテントを見かけていた。多分大丈夫だろう。が、我々にテントはない。取り急ぎ持てるものだけ持って適当な場所にまずは腰をかけてギターを弾いた。ギターの音が波にかき消されてしまうようでは、ここにいてはいけないのだと思うことに決めた。ら、ギターの音はギリギリ聴こえたために引くに引けなくなった。遠方の空が明滅している。雷だろうか。月が出る。恐ろしいほどに明るい月だ。我々はここで眠れるのだろうかと震えた。ら、雨が降ってきた。
自然には二種類ある。ウェルカムな自然とデンジャラスな自然だ。今宵の海は後者だった。人間は出て行けという感じだった。ので、我々は「なんだかいろいろごめんなさい」的な気持ちになってささっとビーチを離れた。車に乗り込み適当な駐車場を探す。が、駐車場が見つからない。この時点で深夜2時前。夜道は暗い。自然は怖い。明るいお月様が我々を見ている。たまらなくなった我々は「お月様、ごめんなさい」と口にしたあとに「ごめなさいだけじゃ足りない!」と思ってありがとうございます、許してください、愛していますと唱えた。これは完全に無意識だったのだけれど、我々は(はからずも)ホ・オポノポノを遂行していた。ああ、こうやってホ・オポノポノは生まれたのだなと思った。
駐車場が見つかって横になる。が、ここには書ききれないことが108個くらいあったためにまったく眠れず会話が生まれる。Y様から「ホ・オポノポノ(ありがとうございます、ごめんなさい、許してください、愛しています)の言葉の中で、連続して口に出していると、泣きそうになる言葉はどれですか??」と問われる。私は、許してくださいを連呼していると胸にグッとくるものがあると答えた。ら、Y様は「自分は、ごめんなさいという言葉です。昔から謝ってばかりいたからなのかな。(中略)愛とは何かとか、そういうことがまったく自分にはわからないのですが、坂爪さんは愛ってなんだと思いますか」とのこと。愛とはなんだろうか。私に愛しているひとはいるだろうか、と思った時に母親の存在が浮かんだ。ら、聖書かなにかには『愛には恐れがない』という言葉があったことを思い出した。すべての恐れがなくなったら、ひとは愛することしかしなくなる。そんな言葉も聞いたことがあったなあ、などと思っていたら眠りに落ちた。愛には恐れがない。愛に垣根はない。そう思いながら目を閉じた夜の寝つきはよかった。
自伝風物語を紹介していただきました。
note(ノート)の中の人、ありがとうございます!!
感動には、これまでの日々を清算する圧倒的な肯定力があるーー坂爪圭吾 @KeigoSakatsume さんの元に届いた、三森さんという男性からのメール。その文面に「何か強烈に惹きつけられる力」を感じた坂爪さんは、彼と実際に会うことになり… https://t.co/VIfRWJFjRA
— note(ノート) (@note_PR) 2018年7月7日
歩き出す前が一番疲れている。
なんということでしょう🏝✨✨✨ #hawaii #kauai #poipubeach #honu #lifeisgood
翌朝。駐車場で目覚めてポイプビーチに向かう。景勝ランキング全米一位にも輝いたことのあるらしいビーチだ。朝早く着いたからなのか人気もまばらで、驚いたことに眠る海亀様に立ち会えた。ハワイ語で「ホヌ」と呼ばれる海亀は神様として奉られている。アザラシのような生き物にも出会えた。名前をハワイアンモンクシールというらしい。どちらも神々しかった。インドでは牛が神様になる。共通点は「ゆっくりと動く」ことにあるのかもしれない。多動症の自分とは真逆で焦った。多動ツーリズムなどと言っている場合ではない。
海亀が見れただけで大満足。我々のテーマは「1日1N」ということで、1日になにかひとつでも「今日はこれが最高だった!」と思える初体験があればそれでよしとする。この日のNは海亀様。大満足。安宿を予約して早目に休む。そのつもりだったが、屋外ビリーにはまっていたのでホテル前の山が望める広場でビリーをやる。不思議だ。運動前は疲れていても、運動をすると元気になる。歩き出す前が一番疲れている。なにかをやるときは「(やる気が出るのを待つのではなく)やればやる気が出る」のだと思った。なんでもいいから、とにかく手をつけることだ。そうすれば自然と流れは生まれる。
なんということでしょう🌞✨✨✨ #hawaii #kauai #waimeacanyon #3400ft #lifeisgood
翌日。ワイメア渓谷をドライブした後にレンタカーを返却してカウアイ島を離れる。次の目的地はハワイ島。キラウェア火山が噴火をしているために大変な場所だ。ここ数日の教訓は「歩き出す前が一番疲れている」ということで、なんでもいいから手をつけてしまうことの威力。岩は、転がるまでが大変なのだ。死ぬまでに行きたい場所があるならば、いま、航空券を予約してしまうこと(金策は後!)。好きなひとがいるなら、いま、次に会う約束をするメールなりラインなりを実際に送ってしまうこと(告白のセリフを考えるのは後!)。セックスをしたい相手がいるなら「セックスしたいです」と伝えてしまうこと(火の始末は後!)。多分、そこから始まるのだと思う。考え過ぎることの鈍臭さと、実際にやってしまうことの底知れない威力。長くなったので、ハワイ島の話はまた次回!!
ひとから嫌われないように生きるほど、自分自身に嫌われる。周囲に合わせて生きるほど、自分自身から遠く離れていく。認められるためではない、馬鹿にされても構わないと思えるその中に、純然なその人自身の美は宿る。罵倒されても大丈夫。ひとを罵倒するひとよりも、面白い目に遭えている自信はある。
— 坂爪圭吾 / BillyGyallow🏳️🌈 (@KeigoSakatsume) 2018年2月18日
人生は続く。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu