いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【凧と凧糸の関係】自分自身の中の凧糸を養う。ー 自由になるために、そして自由に殺されてしまわないために。

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福岡県福津市の津屋崎に来ている。宮地獄神社では毎月1日の零時から「ついたち参り」という行事を開催しており、多くの地域住民が日付が変わると同時に「新しい月の福と徳を祈願する」為に神社を訪れる。素晴らしい風習(?)に惹かれた私は、地域住民の方の案内により宮地獄神社を訪れた。

私は、毎年年初の時期に「今年はどのような一年になるだろうか」と直感センサーを働かせている。2014年の直感を言語化すると「今年はみんな一回死ぬ、一回死んで、新しい自分になって生まれ変わる」というものになった。誤解されると困るが、私には予知能力がある訳ではない。「思考は現実化する」ということがどれだけ真実なのかはわからないが、結論から言うと2014年の私は見事に死んだ。


2015年の私の予感は「荒れる」であり、もう少し具体的に言うと「荒れた中に飛び込むことで、自分の人生観を揺さぶるレベルの宝物を獲得する(荒れた世界に飛び込め!)」であり、さらに説明を加えると「2015年には幾つものパラダイムシフトが発生する。今までの常識がまるごとひっくり返るような出来事が頻発し、歴史的な転換期の胎動を感じる一年になるからこそ、常に変化に柔軟でいよう」というものになる。個人も国家も「何が起こるかわからない(荒れる)」一年になると思っている。


2015年を生きるに当たって「凧と凧糸の関係」を意識することが有効になると睨んでいる。凧は自由に空を飛ぶことが出来る。しかし、凧糸がなければコントロールを失ってしまい、最悪の場合は宇宙の塵となって消え失くなってしまう。空を自由に飛ぶことができる凧は、凧糸という「しっかりと現世に繋ぎとめてくれるものの存在」があるからこそ、宇宙の塵となることなく優雅に舞うことが可能になる。この「凧と凧糸の関係」は、人間の生き方にもあてはまるのではないだろうか。

私にとって「家のない生活」や「金のない生活」や「いばや(とにかくやばいことだけをやる)」の活動が、凧にあたる。他にも「仕事をやめる」とか「離婚をする」という『安定を手放す』ことも、自分を凧の状態に置くことになる。凧は自由に空を飛ぶことが出来るが、最悪の場合は自由に殺される。自由に殺されないためには「凧糸」が必要になり、私にとっての凧糸は「文章能力」になる。

私は2014年に「家のない生活」をはじめた。人間は家がなくても生きて行くことが出来るのかということを、自分自身を使って実験してみる生活をはじめた。同時に、その生活の中から感じたことを各種SNSやブログを通じて発信していた。私の文章を目にした人達が「君は面白いから我が家に来なよ」とか「講演をしてくれ」「執筆をしてくれ」「人生相談に乗ってくれ」と言ってくれることで、私は(依頼主の家に泊まったり、時には餞別を頂戴することで)奇跡的に野垂れ死ぬことなく生きている。

仮に、私に「文章能力」という凧糸がなかったとしたら、私の「家のない生活」という凧はとっくの昔に宇宙の塵となって消え失せてしまっていたのではないだろうか。私が死なずに済んでいるのは、凧糸のおかげだ。最近では「仕事をやめた」とか「離婚をした」という報告が大量に届く。「坂爪さんのブログを読んでいたら刺激を受けて、私も仕事をやめました!(離婚しました!)」という報告をもらうと、「(別に大丈夫だけど)大丈夫なのだろうか?」と感じてしまうことがある。

最近では「やりたいことをやろう!」とか「好きなことだけをやろう!」という言葉を頻繁に耳にする。私は、こうした発言に一抹の危うさを感じることが多い。今まで何かに抑圧される日々を過ごしてきた人達が、ある日突然タガが外れて「私は自由だ!」と感じる瞬間に、何かこう良くない現象が起こってしまうのではないのかと恐れている。ある種の躁状態に置かれてしまって、まるで自制心を失った凧のようになり、周囲の迷惑も顧みず、自分のエゴをひたすら通し、自由でない人達に「自由であること」を強要したり、自分と似たような人種の人間は仲間とみなすが、自分と違う人達のことを「不幸な人間」と糾弾したり罵倒するようになってしまうのではないだろうかと感じることがある。

私の直感は「荒れる」と言っており、個人も国家も「何が起こるかわからない」一年になる。凧糸を失った凧のように自制心を失う人達も激増すると思っていて、もちろん私自身もどうなるかは分からない。そして、「荒れる」というのは必ずしも悪い意味に限ったことではなく、自分自身を荒れた世界に投げ出すことで、自分の人生観を揺さぶるレベルの宝物を獲得する一年になると思っている。

これから福岡県を出発し、大分県由布院に向かう。宮崎県を経由して東京に入り、新潟で数日間を過ごした後に名古屋に行く。これから訪れようとしている幾つもの変化に対する耐性をつけるには、勇猛果敢に変化の渦中に飛び込み、自分の心が何を感じているのかをしっかりと捉え、凧糸を養いながら、また新しい荒波に飛び込む(あるいは自分自身が「変化」を創造する)営みを繰り返していく。そうすることで、自分の中の凧糸はより強靭なものになっていくのだろう。

人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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