いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

光の記憶 - Love is always with you -

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宮古島を経由して石垣島にはいり、これから西表島に向かいます。昨日、Facebookから「これから石垣島に向かいます。所持金も枯れてきたので、ひたすら歩くかひたすら自転車に乗りながら野営をするつもりです」という投稿をしたところ、様々な方々から「ここに行くといいよ!」というご連絡をいただき、数年前、関東圏でお会いした方が現在は石垣島に住んでいることが発覚をして「よかったら泊まりに来ませんか」というご連絡もいただいた。昨夜は、関西在住の神様が「石垣島はわたしも頻繁に行くのですが、ご紹介できるホテルがあるのでそちらに泊まりませんか?宿泊代金は負担をいたします」という慈愛にあふれたご連絡をいただき、お言葉に甘え、自分にとっては豪華すぎるホテルの高速Wi-Fiを拾いながらこの記事を更新しています。

 

 

愛する三森正道さん(みっつ)がいいことを言っていました。自分を変えるということは「自分の好きなように世界を覗いてもいい」と気付くことだと、三森さんは指摘をする。素晴らしい指摘だなと思う。昨夜行ったツイキャス音声配信の中でも話したのですが、これまで、私は「自分ひとりの力で生きていけるようになるのが一人前。誰かに頼るのは半人前のやることだ」という前提で世界を生きて来たように思います。が、家のない生活をはじめてから、誰かに頼らざるを得ない状態に我が身は置かれ、結果的に様々な人々の力を借りながら「自分ひとりの力ではとてもじゃないけれど到達することのできなかった地点に立つ」ことができています。

 

【音声配信】迷惑かけて、ありがとう。 - TwitCasting

 

毒を抜く。

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宮古島では空港から市街地まで歩き、来間島から空港まで歩き、徹底的に歩いてみました。炎天下徒歩はしんどいかなと思っていたのですが、結論から言うと「猛烈に優しかった」ことが大発見で、カラダを動かすのはいいなあと思いました。ある程度の距離を歩いていると、自分の中にある毒が徐々に抜けて行く感覚を覚えます。毒の名前は「恐れ」とか「迷い」とか、きっと、そんな感じの感情になるのだと思います。

 

歩き出す前は「大変だなあ」とか「面倒臭いなあ」という気持ちになります。が、実際に歩き始めることを経て湧き出すエネルギーのようなものがあって、歩き出したことを後悔したことはほとんどありません。来間島から宮古空港に向かう道中で、来間大橋という長い橋を渡ります。そこから見える雲の白と海の青が素晴らしく、ああ、という声をあげながらしばらくの間見惚れてしまいました。美しさに感動を覚える時、わたしは、同時にある種のさみしさや悲しさを覚えているように思います。すべての美しいものは悲しみを内包しているということを思うのですが、それは「永遠にはそれを見ていることはできない」という悲しみなのかな、と思います。今日の自分はもう、明日には取り戻すことができない【二度と同じ場所に戻ることはできない】ということを無意識に理解しているからこそ、悲しみという感情が湧き上がるのだと思います。そして、昔のひとは『美しみ』と書いてかなしみと読み、『愛しみ』と書いてさえかなしみと読んだことを思い出していました。

 

歩き続けることで、自分の中にある毒が抜け、勘違いかもしれないけれど「自分が透明になる」ような感覚を覚えます。なにも歩き続けることに限らず、ものをつくることで毒を抜くひともいれば、ものを育てることで毒を抜くひとも、カラダを動かすこと、歌を歌うこと、踊りを踊ることで毒を抜くひともいれば、ひとと話すことで毒を抜くひともいる。毒の抜き方はたくさんあるけれど、その共通点は「自然に触れる」このとなのかもしれないと思いました。自然とは、なにも緑豊かな場所に足を運ぶと言うことではなくて『自分の中にある自然』を思い出すような、そんな感覚に近いのかなと思いました。

 

光の記憶。

すべてが移ろいゆくこの世の中に、確かなものなどあるのだろうか。あるのはこの瞬間だけ、否、この瞬間さえもないのかもしれない。ただ、生き続けるものは「光の記憶」なのかもしれないと、そういうことを考えていました。多かれ少なかれ、誰にでも「あの瞬間は最高だった。あの瞬間はほんとうに素晴らしかった」と思えた瞬間があると思います。そのとき、その瞬間、そのひとは確かに「光を見た」のだと思います。365日24時間、常に『光』を身近に感じることはとても難しいことかもしれないけれど、でも、それでもなお「生きていればまた、同じ光を見ることができるかもしれない」と思うことが、生きたいと思う希望を生むだということを考えていました。

 

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光にあふれている。

 

現代社会にはあらゆるものが整っているからこそ、生きること【生き延びること】は、多分、それほど難しいことではないのだと思います。贅沢を言わなければ、仕事は無限にあるし、住居も無限、衣類も無限、暇潰しになる娯楽も無限、食糧品店に足を運べば試食品も大量にあり、飲み水に困ることはほとんどない。ただ、問題なのは生きることではなくて「生きたいと思うこと」なのだと感じていました。どれだけ多くのものが出揃っていたとしても、生きたいと思う純粋な熱情が内側から湧き出すことがなければ、とてもじゃないけれど『生きている』とは思えない。なかなか周囲にうまく馴染むことのできなかったわたしは、昔、そんなんじゃ生きていけないよ的なことを言われることが頻繁にありました。その度に、わたしは「自分を殺さなければ生きていけないなら、そんな世の中を生きていきたいとは思えないよ」と感じていました。何者かになりたいとは思わない、ただ、自分でありたいとは思う。この思いを護り抜くことは、簡単なように見えて、とても難しいことでもあり、この瞬間も揺れ動く日々のど真ん中にわたしはいます。

 

【過去記事】わからないことを「わからないまま」にしておける強さ。 - いばや通信

 

Let's keep it simple.

今回の遠征にはギタレレと呼ばれている小さなギターを携えています。自分の好きな道を歩くこと、自分の好きな自然に触れることと同じように、自分の好きな歌を歌うことは自由を与え、凝り固まっていた心身を優しくほぐす力を感じます。数日前、カーペンターズのI Need to Be in Love【青春の輝き】という曲を弾いていました。その歌詞の中に〝Let's keep it simple〟という箇所があり、ああ、なんだかいいフレーズだなあと思いました。Let's keep it simple ー 生きている間に、最初から本当はシンプルだったはずのものを、複雑に考え過ぎてしまう瞬間があります。ごちゃごちゃにこんがらがりかけていた自分の思考を、Let's keep it simple【シンプルなままにしておこう】という言葉に、静かな落ち着きと共に思考をまとめあげてくれる響きを感じました。

 

It's not difficult.

人生を難しく考え過ぎてはいけない。目の前の物事を複雑にし過ぎてはいけない。きっと、もっと、生きるということはシンプルなことなのだと思う。自分は自分であり続けるということ。どこでも言われているようなこのシンプルな営みが、時に、とても難しく感じることがあります。それでも自分であり続けたいと願うのは、自分が自分であることでしか出会えなかったよろこびがあったからこそ、自分が自分であったからこそ触れることのできた光があったからこそなのだと、そういうことを思います。難しく考え過ぎてはいけない。人生を複雑にし過ぎてはいけない。三森さんが言う通り「自分を変えるということは、自分の好きなような世界を覗いてもいいのだと気付くこと」なのだと、自分で自分を許すことなのだと、忘れるたびに何度でも自分に言い聞かせるように、思い出しては言葉に残し、言葉に残す作業を通じて、自分の細胞にきざみつけているのだと思います。

 

Love is always with you.

紙とペンを用意して、思い浮かぶままに言葉を綴る。Let's keep it simpleと書き、It's not difficultと書き、その後に〝Love is always with you〟と書いた。書こうと思って書いたものではなく、いつの間にか(まるで何かに書かされていたかのように)書いた言葉に、自分自身が励まされることがあります。Love is always with youという言葉に触れて、愛と呼ばれる感情は自分から遠く離れた場所にあるものではなく、常に自分と共にあるものだということを感じました。さみしさと呼ばれているもの、悲しみと呼ばれているものの中にさえ、愛と呼ばれているものは確実に内包をされている。Love is always with youという言葉は、ひとつのおまじないみたいなものだと思います。この言葉を唱えることで、自分の外側にあるものを求めてしまう気持ちから、自分の内側にあるものを最大限に生かしてやりたいのだと思う気持ちに、それは【自分で自分を慈しむ】ような気持ちになります。そして、自分で自分を慈しむということが、時を超えて、自分以外の誰か【同じ人間】を慈しむことにも繋がればいいのだという『祈り』になることを感じています。

 

 

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ー Love is always with you.

 

人生は続く。

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu

 

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