いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

あなたは素晴らしい存在だ。

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新潟市西区の愛するカフェ「イロハニ堂」が10月31日で閉店することになり、これは絶対に駆けつけなければならない(from熱海)ということでWEB上に公開しているスケジュールに『新潟』と記載したものの、エコノミックな理由で「最悪の場合はヒッチハイクだな!」と思っていた。ら、奇跡的に新潟在住の方から「ちょうどその日に出張で東京にいるのですが、もしよろしければ、交通費は負担するので新幹線で一緒に帰りませんか?」というご連絡をいただいた。

 

非常にありがたいことに11月23日(水・祝日)には広島県尾道市でイベントを開催していただけることになり、こんなことを偉そうに書くことは気が引けてしまうけれど、家や金がなくなってから、圧倒的にひとの優しさに触れる機会が増えた。「なんでそこまでしてくれるんですか!」と思わされることが、ほぼ、毎日のようにある。これは決して自慢をしたい訳ではなく、ただ、世界や人間は「信頼に値する」のだということを強く実感する。渡る世間に鬼はなし、自分を閉ざせば世界も閉じるが、自分を開けば世界も開く、多分、人の心の中には「お互いに助け合いたいと思う素晴らしい部分がある」のだということを、身をもって実感する。

 

【イベント詳細】坂爪圭吾さんトークライブ@尾道

 

私も、出世したなあ。

お言葉に溺れて新幹線に同乗させていただき、この日、東京駅で待ち合わせをすることになった。この日が初対面の男性(以降、K様)だったのだけれど、その方は新潟市内でフリースクールをやっていらっしゃる方で、新幹線の中で「今度、是非、お話会をやってくださいよ」という風に言ってくたさった。私は、新幹線に乗せていただいた御恩があるばかりではなく、何よりもその方の瞳があまりにも綺麗なものだったから「もちろんです!」と答えた。

 

すると、K様は「ありがとうございます!では、明後日なんていかがでしょう?」と満面の笑顔でおっしゃり、私は「明後日!早っ!やりましょう!この速度好きです!」ということになった。K様は「では、いまからイベント告知のメールマガジンを書きますね」と言いながら、新幹線の車内でマックを開き、カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ!!と音速でキーボードを打ち始めた。新幹線の車内で仕事をするK様を横目に「ああ、なんだか、いま、それっぽいことをしている!」という気持ちになった。

 

新潟駅に着いて新幹線を降りると、あろうことかK様がお寿司をご馳走してくれた。私は「新幹線にお寿司とか、VIP過ぎる!(新宿駅から東京駅までは歩いて移動をしたのに、落差が激し過ぎる!)」と恐縮に震え、さすがにそこまでしていただくのは非常に申し訳ないという旨を伝えると、K様は「いやいや、いつも坂爪さんのブログには力をもらっているので、これはせめてものお礼です」みたいなことを言ってくださり、私は、何か大きなものに感謝をしたくなった。帰り際、私も出世をしたなあなどと思いながらK様に全身全霊の御礼を伝えた後に、実家のある小針駅まで歩いて帰った。

  

調子に乗ると即死する。

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こちらは、イロハニ堂の店主サカノヒロミさん(通称・ヒロミ1000000ボルト)との写真です。この日、私は大学院生の男の子【かずし】に珈琲&ケーキをご馳走していただきました。数年前だったら「いい大人が、大学生に奢られるなんて!逆だろ!」みたいに思う自分もいましたが、いまでは、そういうことをあまり思わなくなりました(人間関係に上も下もない、あるのは「ひとりの人間」と「ひとりの人間」だけである、的な思考になりました)。

 

帰り際、今日は来てくれて本当にありがとうございましたと告げるサカノさんの瞳からじわっと涙が溢れて来そうになるのを目撃してしまって「やばい!これはもらい泣きをするパターンだ!」と思った私は、挨拶もそこそこに店を退出してしまった。素晴らしい瞬間だと思ったし、うまく言葉にできないけれど、美しい瞬間だと思った。やはり、実際に足を運んでリアルに顔を合わせることに勝るコミュニケーションはないなあと思いながら、実家のある小針駅まで歩いて帰った。

 

三人兄弟の末っ子として生まれ、自営業を営む両親からは基本的にほったらかされて育った私は、何かあるとすぐに調子に乗ってしまう悪い癖がある。いまの自分があるのは、自分が凄いからではなく「自分を生かしてくれるひとたちが凄いからだ」ということを忘れてしまった瞬間から、自分の中に濁りが発生して、純度は下がり、傲慢になり、結果的に痛い目を見るようにできているのだと思う。いまあるものに最大限の感謝を示しながら、同時に、絶対に調子に乗らないこと。いまあるものを当たり前だ【何かをしてもらって当然だ】と思った瞬間から、多分、自分の中にある純度は簡単に濁るのだと思う。

 

やばさぎっしり、新潟。

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新潟在住の女性で、写真が好きだという方と出会った。今回、このブログ記事で使用している風景写真のすべては、その女性(以降、H様)が撮影したものになります。私は、普段、カメラ機材などは持っていないので自分のiPhone5sで撮影した写真をブログ内で使っている。H様が撮影しているこれらの写真も、すべて携帯で撮影したものになります。

 

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H様の写真を見ていたら「ああ、新潟にはこんなに素晴らしいものたちがあったのか!」と、嬉しさがこみ上げた。それは、既に紅葉がはじまっている越後の山々に対して抱いただけのものではなく、こうした美しい風景を美しいと思うH様のこころに対しても、また、同じようにK様のこころに対しても、かずしのこころに対しても、サカノさんのこころに対しても、私は、同じような感覚を抱いたのだと思う。

 

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何かを「素晴らしい」と思えるということは、既に、自分の中にその素晴らしさが備わっているからなのだと思う。自分が愛するものに出会えた瞬間のよろこびは、自分が素晴らしいと思える場面に立ち会えた瞬間のよろこびは、その対象だけではなく、その対象を通じて「自分自身を含めた世界全体を賛美している」のだと思う。自分と世界は切り離されたものではなく、実は、境目のない同質のものであるという感覚。だからなのだろうか、私は、私が好きだと思えるものに出会えるほどに、大袈裟な言葉で言えば「生きる力」をもらっているような、そういう気持ちになることがある。

 

旅をする木

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今回の「わたり文庫無料郵送の一冊」は、星野道夫著作旅をする木』です。星野道夫さんの著作には名作が多いですが、この本は、その中でもとりわけ大好きな一冊になります。下記に、私の好きな星野道夫さんの言葉をのべつまくなし列挙します。こちらの本をご希望される方は、何かしらの方法で坂爪圭吾までご連絡ください。御当選(?)された方には、70万時間以内に折り返しご連絡いたします。

 

※※※ こちらの本は、新潟県にわたりました ※※※

 

僕らの人生というのはやはり限られた時間しかない。本当に好きなことを思いきりするというのは、すごく素晴らしいことだと思います。
人の心は深く、そして不思議なほど浅い。きっと、その浅さで、人は生きてゆける。
僕が暮らしているここだけが世界ではない。さまざまな人々が、それぞれの価値観をもち、遠い異国で自分と同じ一生を生きている。つまりその旅は、自分が育ち、今生きている世界を相対化して視る目を与えてくれた。それは大きなことだった。
バスを一台乗り遅れることで、全く違う体験が待っているということ。人生とは、人の出会いとはつきつめればそういうことなのだろうが、旅はその姿をはっきりと見せてくれた。
偶然の一致に意味を見出すか、
それとも一笑に付すか、
それは人間存在のもつ大切な何かに関わっていた。
その大切な何かが、
たましいというものだった。
一つは、なるべく早い時期に、人間の一生がいかに短いものかを感じとってほしいということ。
もう一つは、好きなことに出合ったら、それを大切にしてほしい
寒いことが、人の気持ちを緩めるんだ。
離れていることが、人と人とを近づけるんだ。
人間の風景の面白さとは、私たちの人生がある共通の一点で同じ土俵に立っているからだろう。一点とは、たった一度の一生をより良く生きたいという願いであり、面白さとは、そこから分かれてゆく人間の生き方の無限の多様性である。
大切なのは、出発することだ。
この世に生きるすべてのものは
いつか土に帰り、また旅が始まる。
「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンパスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって・・・・ その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

 

【参考HP】わたり食堂・わたり文庫

 

あなたは素晴らしい存在だ。

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新潟で開催されたイベントには、様々な年代の方々が足を運んでくれた。実際にリアルに対面して話せることのよろこびは大きい。参加者の方々の中には「私も、いばやの嘉向徹君や保科亮太君と友達なんですよ」という方もたくさんいて、そのひとたちの話を聞いていることがとても楽しかった。私は、いばやの人達を愛している。だからなのだろうか、いばやの人達の話を聞けることがとても嬉しい。

 

参加者の女性S様が、こんな話をしてくれた。「ある日、嘉向徹君と保科亮太君が、私の事務所まで遊びに来てくれたんです。あの人たちはまったくお金を持っていないのに、自分たちの生活だけでも精一杯だと思う(坂爪註・破綻をしています)のに、その日はかすみ草の花束も持ってきてくれて、ああ、この子たちはなんていい子達なんだろうって思ったんです。」と。私は、この話を聞いて、やっぱりこの人達は最高だなあと嬉しくなった。

 

自分が素晴らしいと思うもの、同じように素晴らしいと思ってくれるひとの存在は、大きな力になる。時に、自分自身も信じることが難しくなる場面もあるけれど、ひとに優しくすることと同じくらい、自分にも優しくすることが大切な場面があるのだと思う。自分が自分に優しくすることができない時、周囲のひとの声が、周囲のひとの行動が、パッと輝く前向きな力を与えてくれることがある。「あなたは素晴らしい存在だ」と、実際に言葉にして伝えること、相手に対して、自分に対して、お前はお前で最高に素晴らしいと言えるやり取りがより多く交わされるようになったら、世界は簡単に平和になるのではないだろうかと、そんなことを考えていた。

 

 

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人生は続く。

 

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