いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【生活に最低限必要な10の荷物】所有物を減らすと圧倒的に身軽になる。ー 選択肢を増やすことが自由ならば、選択肢を減らすことも自由なのだ。

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今年の二月から「家のない生活」を実験的に試している。その過程で、人間ひとりが生きていくために必要な荷物は、それほど多くはないことを知った。行く先々で「カバンには何が入っているのですか?」と尋ねられることが多くなってきたので、改めてこちらでご紹介させていただきます。

1・必要な着替え(三日分)
2・圧縮袋(掃除機不要タイプ)
3・iPhoneWILLCOM(携帯電話)
4・iPad(キーボード付きケース)
5・充電バッテリー&充電ケーブル
6・手拭い
7・洗顔セット(歯ブラシ+歯磨き粉+髭剃り)
8・本(食べない人たち)
9・財布
10・リュックサック(LUGGAGE LABEL)

1・必要な着替え(三日分)

基本的には三日分の衣類だけを詰めて、交替で着ている。持ち歩く衣類が少なければ「今日は何を着ようか?」と迷う時間が皆無になる。「選択肢が増えることが自由ならば、選択肢が消えることも自由なのだ」ということに気がついた。何を着るか迷う時間が減るので、他のことに自分の時間を使える。

洗濯物がたまったら、コインランドリーや宿泊先の洗濯機を使用させてもらっている。冬は衣類もかさばるものかと思っていたが、基本的に厚手のコートを来ていればインナーは何を着ていても大差はない。寒い日は何を来ていても寒いし、あとは耐えるしかない。噂によると、洗濯を必要としない(あらかじめ菌が繁殖している?)下着やインナーなども販売されているという。圧縮できる超絶防寒ダウンジャケットもあるが、高級過ぎて手が出ない。スキンズというアスリートが着用しているインナーウェアにも興味があり、これは「(服を着るのではなく)皮膚をもう一枚増やす」感覚に近いらしくて試してみたくてしょうがないのだけれど、経済的な理由から断念している。

2・圧縮袋(掃除機不要タイプ)

これらの衣類を、掃除機を使わずに手だけで圧縮できる袋に詰めている(写真中央)。これがまた最高の逸品で、厚手の衣類も無理やり詰め込めば三日分なら余裕で入る。しわくちゃになっても困らない(あるいは、しわくちゃにならない)衣類を選ぶのがコツだ。

3・iPhoneWILLCOM(携帯電話)

私は携帯を二台持ち歩いている。Wi-Fi機能もあるWILLCOM(これは購買時に「一台買うともう一台プレゼント!」という謎のキャンペーンをやっていたので購買した。余った一台は実家の母親に持たせている)と、SoftBankキャリアのiPhoneだ。一般的な人々にとってのライフラインが「電気・水道・ガス」ならば、私のライフラインは「LINE・TwitterFacebook」になる。イベント出演などの依頼は、すべてこれらのSNSやメール機能を通じて行われているので、私は通信機器を失ったら生命が絶たれる。

しかし、今では「わざわざiPhoneを持たなくてもいいのではないか」という思いが芽生えている。これらの通信機器に、毎月一万円程度を支払うのが馬鹿げているように感じている。携帯本体の支払いが終了したら、携帯そのものを手放すことも考えている。Wi-Fiは街中に飛んでいるし、今更電話で会話をする機会も皆無に近いし、無目的にスマホをいじる非生産的な時間は滅殺していきたいと思っている。

4・iPad(キーボード付きケース)

私はパソコンを捨てた。代わりに、キーボード付きケースに入れたWi-FiタイプのiPadAIRを持ち歩いている。映像編集などの作業を生業としている人には難しいが、私のような「文章を書く」ことをメインの生業としている人間にとって、特大容量のパソコンは不要である。キーボード付きのケースは、安いものなら3000円から販売されている。音速タイピングが可能になり、パソコンを持つ必要は消えた。

5・充電バッテリー&充電ケーブル

過去には携帯用ソーラーパネルも持ち歩いていたのだが、寒くなり屋外に出る時間も減ったので、今は通常の充電バッテリー(iPhoneを二回充電できるレベル)をひとつと、各種充電ケーブルを簡易ジップロックに詰めて持ち歩いている。別に困ることはない。適当なカフェに入ればコンセントは無限にあるし、充電がなくなったらなくなったで、通信機器から離れた「圏外の時間」を楽しめばOKである。

6・手拭い

これは欠かせない。今まではタオルなどを持ち歩いていたが、手拭いひとつあれば事足りることに気がついた。バスタオルが不要になれば、かさばる荷物も圧倒的に減る。しかも、手ぬぐいの速乾性は異常なので、しばらく干しておけば2~3時間でおおよそ乾く。またすぐに使用可能になる。日本文化最高。

余談だが、私はシャンプーもリンスもボディソープも使わない。荷物を減らしたくて「シャンプー 使わない」みたいなワードで検索したら、意外とシャンプー類がなくても人間の汚れは落ちることを知った。これは嬉しい発見だった。石鹸類が不要になれば、荷物も減る。「ホテルや銭湯に置いてあればそれを使えば良いのであり、なければないで構わない」という精神的な自由を獲得した。

7・洗顔セット(歯ブラシ+歯磨き粉+髭剃り)

洗顔セットをポーチ的なものに詰めて持ち歩いている。これで何処でも清潔さを保てる。重曹を使用すれば歯磨き粉代わりにもなるらしいが、私は知人から譲り受けた「タイの歯磨き粉」を使用している。このポーチにはまだ余白があるので、時にはティッシュや絆創膏やテープ類を入れることもある。かつては爪切りやハサミなども入れていたが、空港でのチェックが面倒臭いので全部処分してしまった。

8・本(食べない人たち)

私は読書が好きだ。移動中に読める(電子書籍ではない)本を常に一冊カバンに入れて持ち歩いている。読み終わったら、(これを必要としてくれそうな)他人に即座にプレゼントしている。今までは、自宅に本を数百冊コレクションして所有欲を満たしていたが、ある時「自分が所有している本は、(当たり前だけれど)自分しか楽しむことができないじゃないか。私が素晴らしいと思っている本は、もっと多くの人に読んでもらえた方が、何かこう素晴らしさが世の中に知れ渡っていって、より一層の素晴らしいものになるのではないか」と思い立ち、自分の本を周囲の人たちに配りまくった。

「自分にとって本当に必要な本ならば、再び取り戻せばいいだけの話だ」と思っていたのだが、案外、もう一度読みたくなる本というのはそれほどないことを知った。それ以来、私は自分が読み終えた本は、即座に(それを必要としてくれそうな)他人にプレゼントするようになった。この習慣は気に入っている。読み終わった本は、(荷物の軽量化にも貢献するから)誰かにあげちゃえばいいのだ。

9・財布

財布にスイカや各種カードや金銭を詰めて持ち歩いている。人間はいつまで財布を持ち歩くのだろう。必要なものはすべてスマホ一台にぶち込めるような気がする。ポイントカードという存在も前時代的だし、会員証やレシートを発行するのも馬鹿げている気がする。今から10年後には「10年前の人類は、常に財布を使っていたんだよ」という風に、懐かしく思い出されることになるのかもしれない。

10・リュックサック(LUGGAGE LABEL)

昔から所有していたリュックサックに、これらの荷物を詰めて持ち歩いている。リュックサックの最大の利点は「航空機内に持ち込めること」であり、余計な料金を支払う必要がない。キャリーバックなどを空港に預けて、渡航先で「荷物来るかな?荷物来るかな?」と不安に怯える時間も消える。

必要な荷物を最低限のものにすることで、「これだけあればどうにかなる」ということを現実的に知ることが出来る。こうした感覚は「生きる力」に繋がっていく。自分の人生にもしものことがあったとしても、これさえあればどうにかなるということを明確に掴むことが出来れば、人生に対する恐怖心が薄れる。自分が本当に所有する必要のあるものと、これは周囲の人々と共有すれば済む程度のものと、これは自分の人生には必要ではないというものの区別がつけば、人生はシンプルになる。

まだまだ私には余分な部分がたくさんある。今までは「幸せになるためには、新しい何かが必要だ」という考え方が主流だった気がするが、これからは「幸せになるためには、余分な何かを削ぎ落とすことが必要だ」という引き算の美学がいたるところで発揮されるような気がしている。


断言出来るのは「所有物を減らすと圧倒的に身軽になる」ということであり、要するに執着の問題なのだと思う。何を手に入れるかと同じくらい、何を手放して行くのかが重要なのだろう。来年はどのようなライフスタイルを送っているのだろうか。予測不可能性こそ生きることの醍醐味であり、人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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