【SIN-ゲイランド】「鋭い批判が出来る人は優秀だ」みたいな価値観は、古い昔話にしよう。ー 「他人の間違いを指摘できる人間」よりも「新しい正解を作れる人間」の方が5億倍格好いい。
シンガポール政府公認の風俗街があるゲイランドにいる。宿代が1100円という安さに惹かれてここのゲストハウスを予約したら、こういう場所だった。今日の昼間は、日本人女性のMAYUと三時間程度の時間を過ごした。数日前、LINEから「私も坂爪さんと同じ1985年生まれで、現在はシンガポールで働いています」という連絡をいただき、何も予定がなかった私たちはカランで合流した。
シンガポールで思うことあれこれを10ヶ条(?)にしてまとめます。
1・日本人には余裕が足りない
約2年前からシンガポールの現地採用で働いているMAYU曰く「シンガポールで働くようになってから、仕事終わりが充実するようになった。今はボルダリングとフットサルにはまっていて、週に五日間は夜の予定が埋まっている。東京で働いていた時には毎日がすごい忙しくて、とてもじゃないけれどそんなことをする気力も体力も残されていなかった。この前は香港の山の上にある仏像を見に行ってきたんだけど、ボルダリングをやっているものだから足場がどうだとか、そういうのがすごい気になっちゃった」
暑い国に暮らす人たちを見ていると、「幸せになるために生きている」ということがダイレクトに伝わってくる。別に優雅な暮らしをしている訳でもなく、日本の方が圧倒的に環境も整っており、すべてが満たされている。ただ、唯一日本人に欠けているものがあるとしたら「精神的な余裕」だと私は思った。人生を楽しむ余裕を失うと、鬱病になったり、最悪の場合は自殺をしてしまったりする。
2・日本人のパスポート所有率は25%程度
MAYUから聞いてびっくりした。これは先進国の中では極端に低く、次いでアメリカの35%となるらしい。自分の国ですべてがこと足りる場合、外に出る必要はなくなる。これが「引きこもり国家」と揶揄される由縁にも繋がるのだけれど、単純に「勿体無いなあ」と私は思った。
海外に行くことのメリットは幾つもある。母国を離れることで『日本の素晴らしさを再確認できる』こともあるし、多民族国家に足を踏み入れることで『地球には様々な人間が暮らしている』という当たり前の事実を実感を伴って理解できるし、言葉が通じなくても簡単なジェスチャーのみでコミュニケーションは交わせることを知れるし、美しい夕日が沈むゾーンには人種を超えて人々が群がる。
自分の国しか知らなければ、どうしても世界は限定的で閉じられたものになってしまう。私は日本から香港までは2000円の航空券で、マレーシアからシンガポールまでは1500円程度のバスで入国した。これは決して自慢したい訳ではなくて、現在は移動にかかるコストも圧倒的に安くなってきている。世界を広げるのは『できる・できない』から『やる・やらない』の単純な選択に変化している。
3・「今いる場所が世界のすべてではない」ということ
それを実感するために移動をするのだろう。冬の寒さが耐え切れなければ、冬は南国で暮らす自由がある。夏の暑さが耐え切れなければ、夏は北海道でもカナダでも北欧でも、自分の好きな場所で暮らすことができる。暮らすように旅をして、遊ぶように仕事をしよう。
4・軽自動車を改造してモバイルハウスをつくる
MAYUが非常にファンキーな女性で、彼女曰く「日本に帰ったら軽自動車のバンを改造して、寝泊まりもできるようにして日本全国を巡りたい。今はシンガポールに住んでいるけど、本当はもっと田舎に住んでみたかった。シンガポールは都会だから、人口も多いし、どうしてもコミュニケーションが表面的なもの(お互いに「こなし、こなされる関係」)になりがちになっちゃう。私は東京出身だから、地方ではどのような生活をしているのかを自分の目で見てみたいし、そういうことがやりたいんだ」
5・金をかけない遊びの方が楽しい
結局、MAYUとは屋台でナシゴレンとミーゴレンを食べた後に、ボタニックガーデンという入園料無料の植物園を散策して別れた。使った金は僅かだが、それでも充分に楽しい時間を過ごせた。南国の植物を眺めて滝の水に「冷たい!」とか言いながら触れてみたり、細い路地に「私は冒険が大好きなの」と踏み込んでみたり、日本にないものを発見しては写真に収めながら、ハーゲンダッツのチョコレートアイスとウォーターメロンのジュースを飲みながら散策をして、何気ない話で爆笑する。
「ここに来るってわかってたならフリスビーでも持ってくればよかったよ」とMAYUが言った。「ここでフリスビーをしたら楽しいだろうね」と私は答えた。そして、私たち二人だけでなく、日本に住む人たちとも一緒に、ここでフリスビーを楽しめたらどんなにか素晴らしいだろうと思っていた。
別に「人生を楽しむためには途方もない金が必要だ」という訳ではない。ゲーテは「空気と光と、そして友人の愛。これだけ残っていれば、気を落とすことはない」と言った。私はこれを少しばかり加工して、『風と光と友人の愛。これだけあれば気を落とすことはない』に変えたいと思っている。
6・心理的なハードルを下げるには、実際にやってみるのが一番
シンガポールで働きはじめるようになって2年が経とうとしてるMAYUだが、働きはじめた当初はとにかく日々がつらかったのだと言う。英語が得意な訳でもなく、友人がいる訳でもない。それでも、2年経った今「シンガポールに来て本当によかった」と話すMAYUの言葉に濁りはなく、私から見れば英語もパーフェクトだった。そして、私はこの女性の生き様を「格好いいな」と思った。
私もシンガポールに来たのは初めてのことになるが、実際のシンガポールは自分がイメージしていたそれとは結構な違いがあった。綺麗なイメージが強くあったが、綺麗なところは綺麗だけれど汚いところは汚く、物価が高いイメージがあったが、高いのは家賃だけで食費や交通費は東京の半額から8割程度のものだった。別に得意ではない英語も比較的伝わり、意外とどうにかなるのだと知った。
7・日本の女性が一番お洒落で一番綺麗
クアラルンプールで出会った高校時代の同級生から林真理子のエッセイをいただいたのだが、その中に「林真理子×京都の芸妓さん」の対談が巻末に載せられていた。一番印象に残ったのは「どうすれば女性らしい所作が身につきますか?」的な問いに対して、芸妓さんが「私は『物を大事にしなさい』と教えられました」的なことを答えたシーンだった。
シンガポールの観光地で、日本人の若い女性たち(おそらく20歳程度)から声をかけられた。しかし、彼女達の口調が「あぁ〜、あなたも日本人なんですかぁ〜」という冗長に語尾を伸ばすものであり、それが私には醜く見えた。「下品な女だ」と思ってしまった私は、その瞬間、芸妓さんの言葉を思い出した。粗雑な人は物も粗雑に扱うのだろう。何でも丁寧に扱えば、それっぽく見えるようにもなるのだろう。
8・否定する方が肯定するよりも簡単
ブログを更新する度に、批判や否定を浴びることになる。常に「何かを否定せずにはいられない」人達の中にある、真相心理は何なのだろうか。どうして自分と同じであることを強制するのか、どうして他人を放っておけないのだろうか、何かを否定することで自分を肯定したいのだろうか…謎!!
— 坂爪圭吾 4/5-8@奄美大島 (@KeigoSakatsume) 2015, 2月 24
若い女性たちをディスっておいてこういうのを書くのも気が引けるが、私がブログを更新するたびに批判の声が届く。自分と同じであることを強制する背景には、日本人のパスポートの所有率に象徴される「引きこもり国家感」が影響しているような気がした。
「否定する方が肯定するよりも簡単」であり、誰かを否定することなら小学生でも出来る。自分とは違う存在を肯定できるということは、それだけ人間的な器が大きいということであり、なんでもかんでもすぐに批判をしたり怒りを露出する人は、要するに『自分自身の程度の低さを露呈している』ことになる。
9・「鋭い批判が出来る人は優秀だ」みたいな価値観は、古い昔話にしよう。
「鋭い批判が出来る人は優秀だ」みたいな価値観は、古い昔話にしよう。必要なのは口先ばかりの批評家よりも、自分自身の身体を張った実践家であり、私は「勇気を出して実際に行動を起こした個人」の姿に感動を覚える。
— 坂爪圭吾 4/5-8@奄美大島 (@KeigoSakatsume) 2015, 2月 24
批判が重要なのは分かる。別に批判そのものを批判したい訳ではない。ただ、私は「他人の間違いを指摘できる人間」よりも「新しい正解を(失敗を繰り返しながらも)自分自身の手でつくれる人間」の方が5億倍格好いいと思っている。
10・「やりたい」と「(実際に)やる」の間にある距離をなくそう。
私が魅力を感じる人間に共通しているのは、「やりたい」と「やる」の間にある距離が極端に短い人が多い。とにかくなんでも自分自身の身体を張って実践を重ね、身体が感じるよろこびにストレートに生きている人が多い。そして、出会う人の数はとにかく女性が多い。これが本来的に女性に備わっている性質なのだろうか。
「やりたい」と「(実際に)やる」の間にある距離をなくそう。今から一年前の自分には、一年後の自分がシンガポールで過ごしていることなど、とてもじゃないけれど想像することも出来なかった。人生は予測不可能な出来事の連続であり、誰だって結末の分かる映画を見たいとは思わないように、何が起こるかわからないからこそ日々はドラマティックな展開を私たちに魅せ楽しませてくれる。
3月7日(土・朝)@東京都渋谷区(無料)
3月7日(土・昼)@埼玉県志木市
《満席》3月8日(日・昼)@埼玉県戸塚安行
3月8日(日・夜)@東京都渋谷区
3月9日(月)@東京都阿佐ヶ谷
3月10日(火・朝)@神奈川県武蔵小杉(無料)
3月10日(火・夜)@東京都国立市
《満席》3月11日(水)@東京都目黒区
※ 詳細が決まり次第更新します。
※ 詳細が決まり次第更新します。
3月28日(土)@東京都代々木公園
※ 詳細が決まり次第更新します。
3月29日(日)@東京都野川公園
※ 詳細が決まり次第更新します。
4月17日(金)@北海道旭川市
4月18日(土)@北海道札幌市
※ 詳細が決まり次第更新します。
日本に戻り次第、幾つかのイベントに出演します。誰でも参加出来る内容になるので、都合のつく方は気軽に遊びに来てください。そして「ブログを読んでるよ」みたいな感じで気軽に声をかけてもらえたら、坂爪圭吾は飛び跳ねてよろこびます。
人生は続く。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
SCHEDULE:http://goo.gl/u1glhB
TEL:07055527106 or 08037252314
LINE:ibaya keigosakatsume@gmail.com