いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【KUL-マラッカ】暮らすように旅をして、遊ぶように仕事をしよう。ー 故郷でも会社でもなく、自分自身に帰属する。

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マレーシアのクアラルンプールを経由して、現在はマラッカにいる。過去にポルトガル・イギリス・オランダに統治されていたマレーシアには、類稀な文化が育っていて心地よいカオスです。昼間の気温は2月でも35度を超え、要するに真夏日を味わっている。写真はセントポールの丘の上に立つポルトガル教会の跡地です。

私は自分自身のスケジュールを公開している。誰でも気軽に連絡できるようになっている(連絡先はブログ文末を参照ください)為、今では頻繁に連絡をもらうようになった。ちょうど私がアジアを巡ることを知ってくれた高校時代の同級生の女性が、数日前に連絡をくれた。彼女とは、高校時代は一言も話したことがなかった。私自身もスケジュールを幾らでもいじることが可能だったので、彼女とクアラルンプールで合流することになり、ちょうど昨夜、酒を飲みながら10年以上振りの再会を果たした。

坂爪圭吾のスケジュール 坂爪圭吾

彼女と私は同じ1985年新潟県生まれの29歳で、今年30歳を迎える。彼女は一年前に銀行を辞めて、一年程度台湾で中国語の語学留学を終えた後に、現在はマレーシアで英語の語学留学をちょうど終えたタイミングにいる。どうして銀行を辞めようと思ったのか、彼女は話してくれた。

「私はずっと中国に興味があって、大学でも中国語を専攻していて、職場でも上海勤務を希望していたのだけれど治安が良くないからという理由で無理になった。上司からも『仕事は嫌なことでも我慢してやるものだから、君みたいに《やりたいことをやりたい》みたいな私情を持ち込むのは、難しい場所なんだよ』と言われ、ああ、ここにいたら私の人生はダメになる(やりたいことは永遠に出来ない)と思って銀行を辞めた。東北大震災の時に、いつ何が起こるかわからないっていうことをものすごい強く実感して、これからは結局『(会社も当てにならないし、持ち家さえも何が起こるかわからないから)頼りになるのは自分だけじゃん!』って思って、まずは台湾に行くことからはじめたんだ」

故郷でも会社でもなく、自分自身に帰属する。

私たちは真夏の夜の心地よい風が吹く屋台でカールスバーグを飲みながら、そんな話をしていた。彼女の話すことは本当にもっともだなあと思ったし、何より風が気持ち良くて私は幸せな気持ちになってしまっていた。「今頃は新潟は死ぬほど寒いんだろうね(みんなきっと状態的に鬱だね)」などと話したりもしたが、寒い冬の日は暑い南の国へと生活の拠点を移すのも、大いにありなのだと痛感した。

「何が起こるかわからない」というのは人生の真理で、最終的に頼りになるのは自分自身と信頼できるコミュニティの存在になる。会社が倒産した時に、天災が生じた時に、不謹慎な話だけれども戦争が起こってしまった時に、えぐいほどに「今まで自分自身がどのような《ぶれない思想》と《信頼できるコミュニティ》を築いてきたか」がもろに出る。きっと、お互いに助け合える人たちはお互いに助け合うのだろうし、今まで「助け合う」ということから無縁な場所にいた人たちは、自力ですべてをどうにかするか、パニック状態に陥ってしまうのだろう。

今まで自分が帰属していた何か(会社や家族や自宅など)が、一瞬にしてなくなってしまう場合がある。今、私と彼女は「会社に属していない」という状態において、比較的危うい状態にある。しかし「自分自身に帰属している」という感覚を、自分が他の何かに属することをやめてから鍛えられているような感覚を覚えている。

誤解されると困るが、私は会社に勤めている人を批判したい訳ではない。私が感じているのは「自分自身に帰属しているという感覚を強く持つことができれば、何が起きても慌てずにいられる」ということであり、これからは「会社」「家族」「自宅(持ち家)」という従来の枠組みは、ゆっくりとほぐされていくように感じている。会社という存在は古くなり、家族の概念は拡張し、自宅は分散されていく(ひとりが複数の場所に複数の家を持つようになる)イメージがある。

家族とは何だろうか?

私と彼女は29歳で、結婚についても考えている。それは「結婚がしたい」というものではなく、「そもそもで結婚って何?」という、根本的な疑問を抱いてしまっている点において共通していた。私は男性だから比較的自由度は高いが、女性には子供を産むための年齢的なリミットがある。彼女は話してくれた。

「この前、私の友達が結婚したんだけど、その友達に『なんで結婚をしたの?』って理由を尋ねたら『だってみんなもしているから』っていう答えが返ってきて『まぢで?!』って思った。大好きだからとかじゃないんだ、って思って、それから結婚ってなんなんだろうってすごい考えてしまって」

私自身も、小さな子供は大好きだし、結婚をしたくないとは思っていない。しかし、結婚というシステムには既に限界が来ている(離婚率も50%に近づいていて、浮気や不倫も大量にあるし、何かこう『結婚している人たちがあまり幸せそうに見えない』というのもある)感じもあるし、今までのスタイルから新しいスタイルへと変遷の時期を迎えているのではないだろうか、と思わされることが多い。

「拡張家族」ー 家族の概念を拡張する。

今までは、当たり前だけれどひとりが所属(?)している家族はひとつだった。これからは、ひとりが「三つくらいの家族を持つ」ようなスタイルがあってもいいのではないだろうか、と、この記事を書きながらなんとなく思った。シェアハウスの在住者同士も「私たちは家族みたいなものだ」と言いあっているのを頻繁に耳にするし、『サードファミリー』という新しい概念を生み出すのは面白い気がした。

もちろん、自分はひとつだけでいいという人は無理をすることはない。ただ、新しいスタイルを歓迎する人たち同士で、新しいスタイルを実験的に試すのは面白い気がしている。過去に「地域で子供を育てる」というコミュニティの存在があったように、必ずしも「家族内の問題は(限定的で閉鎖的な)家族間で解決しなければいけない」という堅苦しさが、もう少しでもほぐれれば「よっしゃー!それならば俺も結婚したい!(私もこどもを生みたい!)」みたいな人は誕生するような気がしている。

暮らすように旅をして、遊ぶように仕事をしよう。

真夏の暑さにやられてしまったのか、文章が適当になってしまった。高校時代の同級生と、日本ではなくマレーシアで再会を果たせるというのは、距離を超えている感じが楽しくて嬉しいです。きっと、これからは「今度はグアムで合流しよう」「スリランカでチャイでも飲みながら打ち合わせしよう」みたいな感じで、暮らすように旅をして、遊ぶように仕事をするのが主流になっていくのだろう。

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人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
LINE:ibaya  keigosakatsume@gmail.com