いばや通信

ibaya≪いばや≫共同代表・坂爪圭吾のブログです。わっしょい└( ^o^ )┐

自分が満ち足りていなければ、誰かに何かを与えることは出来ない。ー 『自分が元気でいること以上に世界を笑顔に出来る仕事はない』と彼女は言った。愛情不足なのかもしれないね。

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人生は限られた座席を奪い合う『椅子取りゲーム』なんかではなく、自分自身で座席を作り出す『椅子作りゲーム』なのだと思っている。そこでは周囲の人間を蹴落とす必要も、必要以上に自分自身を良く見せる必要もない。ただ、自分自身が最高に居心地の良い椅子を作り出していくだけの物語だ。

昨夜は海辺にテントを張って眠りについた。今ではもう、自分の気持ちを誰かにわかってもらうためにエネルギーを注ぐことよりも、自分がやりたいと思うことに全力でエネルギーを投下した方がいいのだろうと思っている。誰かが自分の気持ちを理解してくれるだとか、自分が最高だと思ったものを同じレベルで楽しんでくれるかどうかということは、それはもう相手の領域であって自分の領域ではない。

『普段は何をされているのですか?』と尋ねられることはあっても、『あなたは何に心を震わせられましたか?』と尋ねられることはない。乱暴にまとめれば常に金の話ばかりで、心の話が交わされることは少ない。その人が何で生計を立てているかとか、年収がいくらだとか社会的な肩書きがどうなのかということにまるで興味が湧かない。それよりも、その人が『何に心を震わせて生きているのか』の方に800倍興味がある。私は、私の周囲にいる人たちが何に心を震わせて生きているのかさえも知らない。

自分が行く先々にテントを張って過ごしている。時折、来客が訪れては差し入れをくれたり軽く会話を交わしたりしている。昨夜は二名のゲストが来た。ひとりは21時頃に訪れた20代の女性で、私たちは海辺を歩いたり焚き火を試みながらいくつかの話をした。不思議な女性だった。恋愛の話もした。この女性は、過去に占い師に当時付き合っていた彼氏について相談をしたことがあるという。「彼氏が何を考えているのかまるでわからなくて、人間とは思えないんです」と彼女が告げると、占い師は答えた。

『それは彼氏が人間じゃないのではなくて、あなたが人間じゃないのよ』

この言葉にハッとした彼女は、その後もこの言葉を思い出しているらしい。他人の挙動を見て何かがおかしいと感じた時に、ああ、おかしいのはその人じゃなくて自分の方なんだって思うようになったと言う。確かに、彼女にはどことなく『天使』感があった。人間じゃないというのは決して悪い意味ではなく、人間のひとつ上の段階に到達しているという意味なのだろう。彼女は占い師にこう言われた。

『あなたは既に9回目の人生を送っていて、あなたの彼氏は、まだ人生1回目なの。分かり合えないのも当然よ、彼氏が人間じゃないのではなくて、あなたが人間じゃないのよ』

不思議な女性は23時過ぎには帰路についた。私もテントに戻り、寝る準備を整えながら眠気が来るまで読書に耽っていた。風のない静かな夜だった。虫の声だけが鳴り響いていた。24時を過ぎた頃、遠くから口笛を吹く音が聞こえてきた。来客の合図だった。私がテントの入り口を開けると、遠くから友人のT君が歩いてくるのが目に入った。仕事を終えて海までやって来たT君は、テントの中で私と30分ばかりとりとめもない話を交わした後に、「それでは帰ります」と言って自分の車の中へと戻って行った。

『今日は本当に疲れました。僕も車で寝ます。今、ちょうど野球の漫画を読んでいたんです。キャッチボールがしたいな、ここでキャッチボールが出来たら最高だなって思います。あ、そうだ、明日けいごさんが起きたとき、朝焼けが綺麗だったら僕のことも起こしてください。一緒に朝焼けを見ましょう』

翌朝、私はテントに落ちる雨の音で目が覚めた。時刻は5時を少し過ぎた頃だった。テントを片付け、荷造りを終えた私はバイクに乗ってその場を離れた。私はT君を起こすことなく帰路についた。そして今、このブログ記事を投稿している。色々な人がいて、色々なライフスタイルを送りながら、色々な感情を抱えている。そして(誰も知らないような所でこっそりと)心が震えるような体験をしている。

不思議な女性は帰り際にこう言った。自分が満ち足りていなければ、誰かに何かを与えることは出来ない。寝る前に軽くメールのやりとりをしていた別の女性は、『自分が元気でいること以上に世界を笑顔に出来る仕事はない』と言っていた。本当にその通りなのだろうと思った。そして、今の自分は果たして満ち足りていると言えるのだろうかと考えて、『まだ言えない』と思った。満ち足りている時もあれば、満ち足りていない時もある。何が足りないのかは分からないけれど、今の自分は満ち足りているとは言えない。そういったことを正直に不思議な女性に伝えると、柔和な微笑を浮かべて彼女は言った。

ー 愛情不足なのかもしれないね。

今日の新潟の空は曇り空で、これから激しい雨が降るのだという。これからしばらくは曇り空が続く。美しい夕焼けや、美しい朝焼けを次に見ることが出来るのはいつになるのだろうか。いくつかの言葉達を思い出しながら、ふと「男は女に育てられる」ということを思った。自分が満ち足りていなければ、誰かに何かを与えることは出来ない。私は、私なりに精一杯の椅子を作り続けて行く。人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume/ibaya 
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