いばや通信

ibaya.ex《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

完璧な楽園は存在しない。完璧な地獄が存在しないようにね。

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拳銃をつきつけられ、所持金をもっていかれた。日本円とパスポートは無傷だ。実質的な損失は100ドルにも満たない。だから、ダメージとしては少ないのだけれどまさか自分が拳銃を突きつけられる日が来るとは思わなかった。ププケア界隈のサンセットビーチにある木陰でカップヌードルを食べていたら、突如、にこやかな青年がサッと近づいてきた。隣にあった巨木に彼も座りこみ、5分後、ロングタオルの下に隠してあった拳銃をつきつけて「金を出せ」と迫ってきた。

 

 

いろいろあって有り金80ドル程度を差し出して終わった。彼も彼で「これだけのはずないだろ!もっと出せ!」などと言う。しかし、実際、これしかなかった。ので、これしかないのだよと惨めなイエローモンキー全開で答えた。ら、彼は「時計を出せ」と言った。ああ、パスポートとか他の金品とかじゃなくて時計なんだなと思った。が、この時計は私の大切な時計なので、ちょっといやだなと思って抵抗をした。ら、彼は怒り心頭に「出せ!でも、声は出すな!」と叫んだ。お前が大声を出しているじゃないかとか思ったけれど、拳銃がとても恐ろしかったので私は抵抗することをやめた。

 

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それから。

時計のやりとりをしている最中、誰か来たのだろうか、突然青年は逃げ出した。私は、あれ、また戻って来るのかなと気が気でなかった。が、逃げるならいまがチャンス!と思って大急ぎで荷物をまとめて彼が逃げた逆方向に逃げた。結果、一応、いまは無事だ。ちょうど先刻、オアフ島在住の女性K様から「やばくなったら連絡ください」と連絡をもらっていた。まさにやばくなったので連絡をさせていただいた。これからK様が車で来てくださることになった。K様の存在に救われた。もう、一連の出来事を誰かに話したくて仕方がない。聞き手がいるだけで精神は癒える。聞き手を失うと消化しきれない記憶の数々が五臓六腑に蓄積して変な感じになる。

 

K様と合流する。警察を呼ぶ。詳細を伝える。警察官から「犯人がつかまった場合、証人として君を日本から召喚する可能性があるが大丈夫か」と問われる。渡航費はハワイ州が出すと言う。その場合は日帰りじゃないといいなと思う。K様が言う。大変だったね。でももう大丈夫。最近はあんまりろくなものを食べていないのでしょう。贅沢もたまには大切ですよ。美味しいものでも食べにいきましょう。パンダエクスプレスをリクエストする。私の大好きな中華料理屋だ。ケイゴエクスプレス。日本に戻ったら飛脚をやりたい。車に乗る。徒歩十時間かかった道を数十分で戻る。文明の利器に感動する。パンダエクスプレスに到着する。天下一武道会直後の孫悟空を意識した食事をする。コーラを飲む。目の前に虹が出る。「生きててよかったー!」と多幸感に包まれる。生きてこそ。命あっての物種だ。

 

不思議と犯人を憎む気持ちはない。金では買えない経験をした。ひとつの博士号を取得したくらいの勉強になった。本当は、今夜、カフクにあるキャンプ場で寝る予定だったが警察官が「デンジャラス」と言って制止した。キャンプ場だからと言って安全な訳ではないらしい。ホノルルに戻る。エアビーで二泊一万円の宿をとった。警察官に私の滞在地を告げる必要がある。ともすると、数日の間に犯人が捕まるかもしれないからそのときは連絡をする。警官はそう言った。宿泊先ホストの男性がやたら元気でアメリカの良い風が吹いた。拳銃をつきつけられたものの、現実味がなさすぎていまだに実感がない。君が見た拳銃はリボルバーだったか。単発式か。警官が問う。銃の種類を聞かれても困る。この、一連の出来事を誰かに話したくて仕方がない気持ちになる。そこらへんを歩いている日本人をひっ捕まえて「ねえねえ、俺、さっき殺されかけたんだよ!」と言ってまわりたい気持ちになる。

 

オアフ島の風景をお楽しみください。

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この写真を撮った直後に襲われました。

 

愛と服従は違う。 

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俺、ピストルつきつけられても「クソッタレ」とは言えなかった

 

夜、再び刑事から呼び出しがかかる。私とK様と刑事の三人で会う。会話が音声録音される。詳細を事細かに聞き出される。結構ヘロヘロになる。今回の事件は無傷でよかったが、これ、レイプ被害を受けた女性とかまじで大変だろうなと思う。詳細を何度も話すことによって脳裏に記憶が刻み込まれる。犯人はどんな顔か。どんな言葉を言って、どんな体勢で襲ってきて、その時あなたはなにを言って、どんな気持ちになったのか。そういうことを事細かに問われる。説明するほどに深いトラウマとなるだろう。男性から恐怖体験を受けた女性がそれ以降セックスそのものに恐怖心を抱く。そういう事例を過去に経験者から聞いたことがある。そりゃあそうなるよねと思った。私も、この事件を語り続けたら木陰恐怖症の拳銃恐怖症の徒歩恐怖症の海外旅行恐怖症の人間全般恐怖症の『生きること全般恐怖症』になるだろう。

 

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この期に及んで虹。。。。。

 

愛と服従は違う。言うことを全部聞いてあげるとか、そのひとがよろこぶことならなんでもしてあげたいと思うことは、愛に見せかけた服従に近い。親への服従。恋人への服従。など。愛と服従の違い。服従の裏には『脅迫』があると思う。これをしなければお前は生きている値打ちがない的な脅迫。私の場合、言うことを聞かなければお前を殺すという脅迫を受けた。脅迫をすれば人間は動く。確実に。正確に。しかし、それは愛によってではない。実は、いま、日本でも似たような脅迫を受けている。脅迫をしてくる当人は『愛』や『正義』のつもりでそれをやっているのかもしれないけれど、私から見ると『脅迫』を感じる。あなたが私を愛してくれないなら、私は自殺をする。とか。自分を器用に人質にして、身代金【身代愛】を要求する。あなたがいなければ自分はダメになるのだと泣きつく。とか。あなたのせいで私はこうなったのだからあなたには私を救う責任がある。とか。私を見捨てるのか。とか。こういう愛(に見せかけた脅迫と服従)は世界的に多いと思う。

 

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PANDA EXPRESS IS GOOD

 

人間をコントロールすることは簡単。恐怖心を植え付けること。それだけだ。逆に言えば、恐怖心を直視することで、徐々に自由になることができる。恐怖心に従ったままでは、いつまでも牢獄に繋がれたまま。自分が何かに怯むとき、この恐怖心はどこから来たものなのか。一旦立ち止まって考える。これはきっと有効だと思う。当たり前の話だが、いい男もいれば悪い男もいる。いい女もいれば悪い女もいる。いい警察官もいれば悪い警察官もいる。全員が悪いなんてこともないし、全員がいいということもない。それを踏まえた上で、恐怖心にとらわれず、真実を見抜く目を養うこと。経験を通じてその精度を高めること。恐怖を覚える瞬間は足がすくむが、恐怖心を越えた先に、新しい世界が広がっていることも事実だと感じる。良い勉強になった。慎重に、大胆に、ここにある命を楽しんで生きたいと思う。 

 

 

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walking around north shore

 

人生は続く。 

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
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