いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

すべてを知れば、すべてを許せる。

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薬院駅前のドトールにいる。どうしても許せない人がいる時は、許せない人を主役にした物語を作ればいい。その人がなぜそういう性格になったのか、創作でも構わないから想像力を働かせてその人の背景に想いを巡らせた時、もう、許すしかなくなる。生命は、部分だけではわからない。物語が、バラバラなものを一つにする。

 

おおまかなスケジュール

12月19日(日)奄美大島

以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

 

壁はあなたを守るが、壁があなたを孤独にもする。

男性S様にお会いした。その方は、笑いながら「坂爪さんは忘れるためにお酒を飲む人間が嫌いだと書いていましたが、僕はリラックスするために飲むお酒が好きです。よかったら一緒に飲みませんか」と誘ってくれた。私の身体は、頭と心が切り離された言葉を聞くと硬直するようにできている。もっと愛想良くできたらと思うのだが、そういう体だから仕方がない。男性が話すほど、私の体は硬直した。空間が険悪な雰囲気に包まれた。男性は言った。もっと笑顔が見たいなあ。私は答えた。面白ければ笑いますよ。男性は笑った。ごめんなさいね、僕が面白くなくて。私は黙った。沈黙。硬直。険悪。そういう、ある種の地獄みたいな時間になった。

 

誤解されると困るがS様を嫌いになった訳ではない。ただ、コミュニケーションに無理を感じただけだ。S様は、私を気遣ってくれているようで自分を守っているように見えた。何か言うたびに「悪い意味じゃなくて」とか「否定したいわけではなくて」とか、そういう前置きをつけた。全部、傷つかないための予防線に見えた。オープンなキャラクターを演じているが、めちゃめちゃ自分をガードしている。だから私は言った。悪い意味でもいいし、俺のことを否定してくれても全然構わないから、余計な前置きを取っ払ってください。あなたには非常に強固な壁を感じる。その壁はあなたを守ってくれたのかも知れないが、あなたを一人ぼっちにもした。その壁がある限り、私は、あなたとコミュニケーションを取ることができません。

 

S様は自分の話をした。転校が多かったこと。ボコボコにいじめられた過去があること。自分はチキンで、八方美人な人間だから周囲の評価をひどく気にすること。私は、S様の言葉の響きに「愛されたい」という欠乏感が強くあることを感じた。愛されたいが行き過ぎると、相手をコントロールするようになる。目の前にいる人間を、自分の不足を補うための道具として扱うようになる。相手はそれを敏感に察知するから、道具にされることを拒み、コントロールされることを拒む。結果、表面的な繋がりで終わる。対等な人間関係はコントロールから自由だ。支配から自由で、同調圧力から自由だ。コントロールは、する側もされる側からも自由を奪う。環境の問題にしたくなることもあるが、本当は、全部自分が決めている。弱さや醜さや狡さも全部ひっくるめて、誰もが、今の自分になりたいと思ってなっている。

 

すべてを知れば、すべてを許せる。

大阪から福岡に向かう船の中、ジブリの音楽とディズニーの音楽が流れた。私は、これらの音楽を聞くと体調を崩す。内臓が蝕まれて自律神経が乱れ、お前は不必要な人間だと言われている感覚になる。だから、離れる。自分がいなくなれば丸く収まる話だと、そういう風に考える。多くの人々はこれらの音楽を愛する。自分だけが馴染めない時、自分が消えればいいだけだ、自分が死ねばいいだけだという思考の罠にハマる。みんなが楽しそうにしている場面で、自分だけ楽しむことができない。自分の心が嫌だと思うものを受け入れると鬱病になる。逃げ続けると居場所を失う。鬱病になったり居場所を失うと死にたいと思う。だが、死にたいは生きたいだ。死にたいと思う時、それは、自分の思いを叫びたい時だ。俺はここにいる。俺はここにいる。誰かに必要とされているとか、必要とされていないとか、そんなことはどうでもいい。俺は、俺を、必要としている。命が、自分を使って叫び出す。

 

博多駅前でY様と合流した。車で来たY様に「運転をさせてください」とお願いしたら快諾していただき、篠栗九大の森に向かった。途中、何度かナビをミスったY様が「説明が下手でごめんなさい」と謝罪した。説明が下手なのは全然いいし、道に迷うのもまったく問題ないのだが、伝えることの重要性を感じた。伝えるのが苦手なのは、日常的に伝えていないからだ。伝えるためには力が要る。自分さえ我慢すれば、伝える面倒を省ける。しかし、伝えられなかった思いは何処に行くのだ。伝わらなかった悲しみは大きいが、伝えられなかった悲しみはそれ以上に大きい。だから、伝えるんだ。下手でもいいから、上手くやろうとしなくていいから、伝えるんだ。伝えようとする力が、伝えたいと思う気持ちが、自分を生きる力になる。

 

THE PRESENTSのRYUから「ピアノコンサートに出るから来て」と連絡をもらい、小倉に行った。大勢の観客の前でベートーベンを弾くRYUは最高に格好良かった。他にも演者はたくさんいたが、クラシック音楽は不思議だ。ピアノの先生は女性が多いが、作曲家の大半は男性だ。男性が作った曲を女性がコピーしている世界に、今更ながら感銘を受けた。RYUの演奏を見ながら「ベートーベンが生きていたらこういう演奏をしていたのかも知れない」と思った。音の中にうねりがあり、音の中に哀しみがあった。ピアノのステージは、世界で一番孤独な場所だと言う。演奏終了後、RYUは「これまでで一番孤独だった」と語った。孤独だからこそ、闇の中に踏み出すからこそ、あれだけ輝いて見えたのかも知れない。RYUは苦しんでいて、俺も苦しんでいて、自分たちは離れて暮らしているけれどそれぞれに苦しみを生きていて、同じ時間を過ごすことによってそれがわかり、私たちは一緒に闘っているのだと言うことを実感する。外に出ると、雪が降っていた。今年最初に見る雪だ。

 

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人生は続く。

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu

 

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