京都淡路徳島を経由して神戸にいる。平安神宮で蚤の市をやっていた。コロナなんてお構いなしの人混みだったが、私は現在家がないので家具や食器や日用雑貨などの骨董品を見ても自分とはまったく関係のないものに見えた。家がないだけで、買い物をする動機が一気に減る。偶発的な展開で下鴨神社の参道にある家賃40万円近いマンションを自由に使ってもいいと言っていただけたのだが、野宿を選んだ。マンションに背を向け野宿を選んだ自分に「何をやっているのだろう」と思った。
おおまかなスケジュール
6月12日(土)以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu
優しい人と優しいっぽい人は違う。優しいっぽい人は他人に合わせる。他人に合わせるから表面的には優しく見えるが、実際は冷たい。真に優しい人は温かい。言葉に温度があり、眼差しに温度があり、行動に温度がある。
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2021年6月9日
ここにいちゃいけない、なんてことはない。 - いばや通信 https://t.co/n5jB8OeDnJ
美しさとは、磨き上げられた理性ではない。
淡路島の海沿いにハンモックを張って寝た。昼間は暑いが夜は寒い。野営する前は必ず「こんなことはやめて室内で寝たい」と強く思うが、翌朝を迎えると必ず「野営をしてよかった」と思える出来事に遭遇する。今回のそれは美しい朝日だった。屋外で眠り朝日と共に目覚める体験は、今回の人生の中で何度もあった。その日の朝日が、これまでの朝日の記憶を一緒に連れてきて「ああ、俺は生きてきたのだなあ」という気持ちにさせる。良い映画を見た後のような爽やかな気持ちで一日を始めることができる。しかも時刻はまだ4時だ。一日をフルで楽しむことができる。
残された人生を前向きに生きようとする時、切磋琢磨し合える仲間と出会いたいと願う時、周囲の無理解に心を挫かれることもあるだろう。自分の思いが何になるのか、自分の存在が何になるのかと、自分が自分を信じられなくなることもあるだろう。そういう時なんだよ、魂の根っこが深くなるのは。昔の自分に戻ろうとしたらダメだ。どうせ自分はなどと言って、引き摺り下ろしてくる過去の記憶に囚われちゃダメだ。顔をあげろ。前を見ろ。胸を張れ。誇り高く生きろ。成し遂げてきたことではなく、今、生きていることに胸を張れ。自分が自分であることに胸を張れ。
もっともらしいものは正しいけれど、私は、別に正解を知りたい訳ではない。ただ、美しいものに触れたいだけだ。叩き出したいものは正解ではない。美しさだ。生身に宿る本当の姿だ。美しいものは、磨き上げられた理性ではない。欲望だ。真っ直ぐに差し出された欲望が、衣類を剥ぎ取った後に残る裸の欲望が、この世で一番美しい。欲望を押し殺すな。欲望を言い換えるな。自分の欲望を綺麗にコーティングして当たり障りない言葉に置き換える前に、一番純度が高い形で欲望を外に出すことだ。あなたに触りたいです。震えながらそう言った彼女は、輝いて見えた。
この世で一番恐ろしいことは、自分には力があると認めることです。認めた瞬間から、誰のせいにもできなくなります。ごまかしの霧が晴れて、自分の役割が明確になります。
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2021年6月10日
【往復書簡】この世で一番恐ろしいことは、自分には力があると認めること。|坂爪圭吾 @KeigoSakatsume https://t.co/G4nGDoVp8V
そんなにたいしたことじゃねえよ。
バイクや野営やロックが好きなのは、無防備になるからだ。剥き出しになるからだ。野晒しになる。危険が伴う。普通、危険は避けるべきものとされる。安全や便利が好きな人は車に乗る。家で寝る。紅茶を飲みながらヒーリング音楽を聞く。安全な方がいい。安心できる方がいい。当然だ。それなのに、なぜ、危険を求める心理が働くのか。人間は、命の危機にさらされると性欲が増大してこどもを残そうとする力が働く。私は、こどもの代わりに言葉を残す。言葉を生むために、自分を危険に置きたいのかもしれない。満足した豚に、飢えた狼の充実感は生み出せない。
私は悔しいという感情が好きだ。悔しさを認めている人が好きだ。悔しがっている人が美しいのは、戦っているからだ。生きているからだ。戦っている限り、人間は悔しさを覚える。勝つためではなく、負けないための戦いをしている人は美しい。戦場にいる人間は素敵だ。生きている。外野から野次を飛ばすだけの人間には決して宿らない輝きが瞳に宿る。悔しさ。惨めさ。恥ずかしさ。誰かを馬鹿にする人よりも、誰かから馬鹿にされる人の方が輝いている。真の恥ずかしさとは、恥を恐れて何もできなくなることだ。恥を恐れる人間は、実際に恥をかく人間よりも弱い。
淡路島を照らす朝日を眺めながら「そんなにたいしたことじゃねえよ」と思った。家がないとか金がないとか自信がないとか才能がないとか友達がいないとか将来の展望が何にも見えないだとか、そういったことの全部、そういったことの全部はそんなにたいしたことじゃねえよ。全部、全部、全部、この世の中にあるほとんど全部、実際はどうでもいいことばかりなんだよ。そんなことよりも見ろ、あの朝焼けを。美しい。地球は毎日毎日、こんなにとんでもないショーを行っているんだぞ。だから、ねえ、そんなにたいしたことじゃねえよ。生きたい世界を、生きなさい。やりたくないことをやっている時間なんてないよ。やりたいことを、やりなさい。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu