いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

逃げない。晴れ晴れと立ち向かう。

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横浜駅前のドトールにいる。写真は鴨川。諸事情が爆発して非常にセンチメンタルになっていた。男と女。永遠のテーマだ。自分は男だから「女は好きだけど話が長いから面倒臭い」とか「女の寿命が長いのは、男の命を吸い上げているからだ」とか、色々思う。だが、女のいない世界は確実に殺伐とする。話が長い。だが、可愛い。孤独が足りない。だが、可愛い。論理が破綻している。だが、可愛い。面倒臭いなどと思いながら、面倒臭いと思うものによって、生かされているのである。

 

 

おおまかなスケジュール

5月18日以降、FREE!【イベント出演依頼諸々募集中!】
5月26日 定期演奏会@神奈川県横浜市「わたり食堂」
6月2日 出演決定!EVENT 音楽×トーク@千葉県千葉市「N-HOTEL
6月13日 欧州遠征予定【from MILANO to ANYWHERE!】

SCHEDULE on http://urx2.nu/xkMu

 

ibaya.hatenablog.com

 

掘っ建て小屋でもいいじゃない。

「惨めな男にはなりたくねえ」と思う。惨めとはなにか。経済的に貧しいことか。違う。惨めであるとは「絶対的なよろこびを持たない」ことだと思う。私はバイクに乗る。冬、バイクを走らせると死ぬほど寒い。全身が凍える。しかし、全身が凍えた状態で入る温泉は死ぬほど気持ちいい。そこで、私は、思うのである。いま、この温泉に入っている人間の中で、間違いなく自分が一番「最高だ!」と思えている。と。つまらない優越感だが、私は、これが大事だと思う。勘違いであろうが、いま、世界で一番俺が人生を楽しめているという圧倒感が、大事なのだと考える。

 

家も金もなにもない状態で、江ノ島を放浪したことがある。非常に惨めだ。自己憐憫がどぼどぼ湧いてくる。この歳になって俺はなにをやっているのだろうか、とか、生きていてもなんの意味も価値もありゃしねえ、とか、そんなことを考えながら海に出たら、夕日が、最高に綺麗だった。私は、もう、泣いた。泣きながら「この夕日を誰よりも感動しているのは間違いなく俺だ」と思った。隣には、若いカップルが「綺麗だね」とか話している。私は、心の中で、悪態をついた。うるせえ。ふざけるな。ばかやろう。お前らが綺麗だねと思っている五億倍、俺は、この夕日を綺麗だと思っているぞ。家も、金も、なんでもあるお前らには、これほどまでに染みてくる夕日の素晴らしさがわかるはずもなかろう。涙とともにパンを食べたものにしか、涙とともに夕日を眺めたものにしか、人生の味はわからないのだ。と。

 

書きながら「俺が一番惨めじゃないか」と思った。だが、仕方がないのである。苦楽を共にした記憶が、絆を深める。楽だけじゃダメだ。恋愛だろうが、友情だろうが、苦楽を共にした関係性は続く。しかし、楽はいいけど苦しいは嫌!みたいなひとと、私は、友好を築く術を知らない。大学生と接触すると、稀に、苛立つ。彼らには「苦しみが足りない」と思うからだ。だから、私は、苦学生が好きだ。いい感じに苦しんでいるひとをみると、いいぞ、友よ、この苦しみを乗り越えて俺たちは『いい男(いい女)』になるのだ。と、思う。惨めな男とは、掘っ建て小屋に暮らす男のことではない。絶対的なよろこび、いま、俺が世界で一番の幸せ者だと思える瞬間を持たない人間を、私は惨めな男だと思う。掘っ建て小屋に暮らしていようが、これをやっている瞬間は最高だ!と思える絶対感を持つ男は、豊かである。逆に、豪邸に暮らそうが、相対的なよろこびしか持たない(自分が幸せになることより、誰かに幸せだと思われることに重きを置く)男は、救いがたいほど、貧しい。

 

note.mu

 

わたり文庫『試みの地平線

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今回のわたり文庫無料郵送の一冊は、北方謙三著作『試みの地平線』です。悩みに悩む童貞男子に、北方の兄貴は「ソープに行け!」と答えます。自分は生きている価値がない、自分は社会に適していないのかもしれない、毎日自殺を考えていると話す青年男子に、北方の兄貴は「まずは本を50冊読め!それでもダメなら、また手紙をくれ」と答えます。こどもが引きこもりになって苦しむ親御には「いますぐに家から追い出せ!あるいは、父親が仕事を全部放り出して、こどもと一緒に野宿旅をしろ」と答えます。ご希望される方は何かしらの方法で坂爪圭吾までご連絡ください。御当選(?)された方には70万時間以内に折り返しご連絡いたします。

 

※※※ こちらの本は、東京都にわたりました ※※※

 

『友よ君は』

小僧ども、よく聞け。

俺はいい男である。少なくとも、そう言う他人が多い。年齢相応の風格も出てきた。金もある。バブルで儲けたわけではなく、精魂をこめて小説を書いて稼いだ、誇りを持てる金だ。したがって、女にももてる。日本に数台という車を持っているし、別荘も持っている。柔道は黒帯だし、FBIの射撃認定は中級だし、腕相撲では四十四年間に二人に負けただけだ。二十代の頃は、命がけの喧嘩を数回やった。

そういう俺に、おまえら、勝てるのか?

俺の回答が傲慢だとか一方的すぎるとか文句が多いが、おまえらは黙って俺の言うことを聞いてろ。文句を言うのは、二十年早い。

おまえらには、俺にないものがひとつある。若さだ。それを生かそうとしないおまえらを見ていると、なんともくやしくて、俺は怒鳴りたくなってしまうのだ。若さは、愚かさと同義だ。しかし、純粋なのだ。一途なのだ。俺が自分の全財産をはたいても買えないそれを、おまえらは持っている。

わかるか、俺の言っていることが。生きて、生ききって、ズタズタになり、どうにもならなくなってから、悩め。それまでは鼻の穴をふくらませて突っ走れ。

北方謙三試みの地平線』【講談社文庫】 

 

逃げない。晴れ晴れと立ち向かう。

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俺は昨日こんなところにいた。


逃げてもいいよ、とか、ありのままでいいよ、とか、みんなの居場所を作りたい、とか、そういうことを話す人々と連続して会った。言いたいことはわかる。だが、ちょっと敗北的に過ぎないか???と、思う。なよなよした男性が「ぼくは、みんなの居場所になりたいんです」などと話すのは、正直、気持ち悪い。少なくとも、俺はそんな場所には絶対に行きたくねえ、と、思う。居場所を作って、それで、どうするのだろう。男なら、アウェイに飛び出てなんぼなんじゃないのか、などと考える自分は古臭い人間なのだろうか。外部のない世界観は不潔だ。無論、休むことは大事だ。逃げることも大事だ。しかし、人生のメインテーマは『逃げる』ことではないだろう。誤解を恐れずに言えば、いつになったら勝負をするのだ、と思う。

 

逃げるが勝ち。わかるよ。でも、あんた、いつ勝負をするんだよ。俺には、お前が「勝負から逃げる言い訳を並べているだけ」にしか見えないぞ。そう思った。別に、強くなれとか、居場所なんか必要ないとか、そういうことは思わない。ただ、人生のメインテーマが『逃げる』ことになっているとしたら、それは、この世で最も悲惨なことだと思う。別に、そういう人間がいてもいい(とは思う)。ただ、そういう人間とは「友達になれない」と思った。お前が、いまの社会をおかしいと思うことはわかる。お前が、働きたい職場なんてひとつもないと思うことはわかる。ただ、大事なことは「そこで、自分はどう動くか」では、ないのだろうか。できるできないじゃない。大事なことは「はじめること」「自分から動き出すこと」「未熟でもいいから、愚かでもいいから、やってみること」では、ないのだろうか。

 

あんた、結局、逃げているだけだよ。こう言われて「ドキッ!」とするひとは、健全な証拠だと思う。生きている限り、絶対、なにかから逃げている。いま、この瞬間も、あとまわしにしているものが誰にでもある。無論、自分にも、ある。しかし、人生とは逆説的なもので「自分が後回しにしてきたもののなかに、自分が『これをやるのはこわいなあ』とか『これはやりたくないなあ(でも本当はやってみたい)』と思うもののなかに、最も大きな、最も雄大な、人生の醍醐味が眠っている」のだと思う。だから、恐れずに、やっちまいなよ。生き方に正解はないのだから、生き方に間違いもないんだよ。と、私は、このようなメッセージを一見読者の方々に向けているように見せかけて、他の誰でもない『自分自身をけしかける』ために使っている。苦楽を共にした記憶が、絆を深めるのだ。ならば、私は、私に(よろこびだけではなく)苦しみをプレゼントしてあげたいと思う。言ったからには、やらなければならない。そういう類の、M度高めの、贈り物をするのである。

 

 

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人生は続く。

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu

 

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