心はあなたのもとに。
川崎アゼリアのロッテリアにいる。欧州遠征にあわせて「ブタペストの『セ』からはじまる名前の温泉に行って、過去に水着を忘れて入れなかったわたしの雪辱を果たしてください!」と御依頼を受けた。これはもうハンガリーに行くしかない。調べたらブタペストは温泉天国みたいだ。温泉は大好きだから高まる。20日はロンドンで追加公演と言う名のお話会が開催されることになった。是非、みなさまも坂爪圭吾を好きなように(身代わり旅行の分身として)使っていただけたら幸いです。
自由でありたいと思うならば、自分を批判してくるひとの「批判する自由」も認めないといけない。
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2019年2月7日
批判を認めた上で、話は聞くけど言うことは聞かない。単純に「ごめん、やっぱり俺はこうだわ」と、自分の道を歩けばいいのだと思う。
ただ、自分に飽きただけ。 - いばや通信 https://t.co/rNX3H8vVHX
おおまかなスケジュール
2月13日 昼・パリ【フランス】
2月13日 夜・ミラノ【イタリア】2月14日 昼・ヴェネツィア【イタリア】
2月15日 夜・ブタペスト【ハンガリー】
2月16日以降、FREE!【欧州界隈】
2月20日 EVENT@ロンドン【イギリス】
2月21日 EVENT@ロンドン【イギリス】
2月22日 昼・タリン【エストニア】
2月22日以降、FREE!【欧州界隈】
2月24日 わたり食堂【0円食堂】(帰国できるか不明)
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu
逢初庵
熱海の家を「売るだのあげるだの」など言っていたが、引き続き開放している。希望者の方は無料で利用&宿泊できる。各種イベント開催なども一切料金は取らない。多分、この家には神様が住んでいる。だから、これまでのように「必要とされる方に無料で提供する」在り方を続けたいと思う。管理人は不在で、家の鍵は常に空いている。利用者は家にあるものを自由に使える。玄関に置いてある財布のお金も出し入れ自由。一切のルールはないが、家は常に綺麗に保たれている。もしかしたら、これは奇跡なのかもしれない。利用者の方々は、大概、この家を大切に使ってくれる。完全なる善意で掃除や洗濯をしてくれたり、わたしの代わりに「光熱費の請求書が届いていたので払っておきました」と連絡をくださる方も少なくない。
冬の熱海はハワイに似ている。温暖な気候が、そのように感じさせるのかもしれない。熱海駅前は完全に俗っぽい雰囲気だが、逢初庵のある伊豆山界隈は空気が綺麗だ。様々な鳥の鳴き声が常に響いている。昨日、名古屋在住の女性から「逢初庵に桃の花を生けさせてください」と連絡をいただいた。いま、逢初庵の床の間には桃の花が飾られている。家具や食器などを見て、女性は「ひとつひとつが素晴らしいですね」と言った。この家にあるものはすべて、来訪者の方々から譲り受けたものになる。だから、わたしは「素晴らしいですよね」と衒いなく答えることができる。謙遜をする必要がない。この家は、わたしのものであって『わたしだけ』のものではない。家具も食器も、わたしが手に入れたものではなく、わたしに『与えられた』ものである。わたしが讃えられているのではなく、わたしに関与してくれた世界が讃えられているのだと感じる。わたしも『讃える側』でいることができる。
逢初庵と同じような家を横浜の菊名に設け、ごちゃまぜの家と名付けた。もうすぐ二年の月日が経つ。どちらも家も、一時利用なら事前連絡は不要。宿泊やイベント利用の場合に限り、ダブルブッキングを避けるために事前連絡をもらえたらと思う。熱海の家は坂爪圭吾まで、横浜の家は稲村彰人までご連絡をいただけたら、数時間以内に返信をする。これらの活動は「人間をどこまで信用できるか」の実験みたいなものかもしれない。家を解放していると危ない目にあうことはないのか、と、行く先々で問われる。が、事実、危ない目にあったことは一度もない。家のものがなくなることはないし、なくなって困るようなものもない。わたしは、地球に財布はひとつしかないと思っている。だから、お金がなくなることはない。畢竟、誰がもっているかの違いでしかない。金だけではない。家も家具も食器も同じだ。
わたり文庫『心はあなたのもとに』
今回のわたり文庫無料郵送の一冊は、村上龍著作『心はあなたのもとに』です。他にも紹介したい文章がいくつもあったのですが、長くなるために以下の引用箇所だけで留めておきます。小池真理子が「優れた自己分析の書」と評したように、村上龍の観察眼が抜群です。ご希望される方は何かしらの方法で坂爪圭吾までご連絡ください。御当選(?)された方には70万時間以内に折り返しご連絡いたします。
※※※ こちらの本は、大阪府にわたりました ※※※
あなたはお父さんが道楽者だっていうけど、児童心理学的に言うとね、父親の役目は、子どもたちにね、自分の世界は自分でエクスパンドできるってことを教えることなのよ。自分がいる場所や世界ね、それに人間関係も、閉じられていなくて、拡げることができるって、言葉じゃなくて、行動とか態度で伝えることなんだけど、そのためにはあまり家にいなくて、社会的規範から自由なのが、実は理想なんだよね。もちろん犯罪者じゃだめよ。その辺が微妙だからむずかしいんだけどさ。楽しくてしょうがないっていう仕事を持っていることが大事、それで家にずっといて家庭のことに口出しなんかするのは最悪。適当がいいの。適度にふまじめでないとダメなの。社会的規範をしっかり守るのは、息苦しくて、子どもにとっては世界が閉じられたも同然なの。わたしがこんなことを言うのも変だけど、お父さんはあなたに本当に大切なことを教えたのよ。自分の世界は自分で拡げることができるってことを、言葉じゃなくて態度と行動で教えたの。そんなことを話す母は、とても幸福そうに見えた。わたしと久しぶりに食事をしているからではない。子どもの父親としてではなく男として好きな夫と暮らしているからだと思った。
村上龍『心はあなたのもとに』【文春文庫】
心はあなたもとに。
誰もがファンタジーを生きているのだと思う。見たいものを見て、聞きたいことを聞き、捉えたいように世界を捉える。それがどれだけモノクロの世界だろうが、そう見たいと思うのならば、世界は要望に応えてくれる。熱海の家にあるボケの木が、赤い花を実らせた。わたしは、それを見たときに「おかえりなさい」と言われているような気がした。無論、ただの勘違いかもしれない。しかし、わたしは、たとえば燦々と照りつける太陽を浴びるだけで、俺は祝福されていると思えるような多幸感を得る。俺は地球に愛されている。たとえ、ただの勘違いだとしても、そのことがわたしを幸せにするものであれば、ただの勘違いでも構わないのだと思う。
わたしはミユさんと言う女性を広い意味で愛していて、だが、最近のミユさんのnoteの記事の最後に「大好きな男性と東京でイベントをします!」と書いてあるのを見ると、穏やかではない気持ちになる。誤解を恐れながら言うと、共演者の男性に対して「けっ!」みたいなことを感じる。そして、ああ、これが嫉妬なのかということを思い知る。俺のほうがあいつよりももっと彼女の魅力を知っているはずだ、とか、勝手なことを思い巡らせて自爆する。別に、その人が誰かを好きだと思うことが、自分に向けられた愛情の減少を意味するわけではない。頭ではわかっている。頭ではわかっているはずなのに「お前がそっちに行くなら、俺だってあっちに行っちゃうぞ!」とか、幼稚的な反発心を燃やして一方的に拗ねる。書きながら「自分、まじでだせぇな」と思う。まじでだせぇなと思いながら、嫉妬を打ち消す方向ではなく、嫉妬を受け入れる方向に舵を取る。嫉妬をするということは、その人が、自分にとって大切なひとだからだ。だからこそ、嫉妬をしない方向(ひとりになる方向)に舵を取るのではなく、そのひとを好きだと思う「その気持ち」に殉じる方向に舵を取る。そう思った途端、嫉妬を悪いものとしてではなく、嫉妬を当たり前のものとして受け入れた途端、不思議と、嫉妬の思いは消えてなくなった。
後に残ったものは『爽快感』だった。愛されたいと願うより、好きでいてもらいたいなどと願うより、自分はただ、自分が思う『好き』に殉じればいい。その『好き』が、時には嫉妬という形を借りて表現されることもある。しかし、自分の嫉妬を打ち消すことは、自分の好きを打ち消すことにもなる。だからなのだろうか、嫉妬を認めた途端、嫉妬は消え、ただ『好き』だけが残った。時折、恋愛ドラマなどで「私とはただの遊びだったの!?」みたいな感じで、男性に翻弄された怒りを表現する女性を見る。それを見るたびに、わたしは、こんなことを思う。これはお前との関係だけじゃない。俺の人生は、全部、遊びなんだよ。と。軽い気持ちで付き合っていることを咎められても、俺は、愛も、命も、人生も、重いものにはしたくない。無責任だと思われようが、俺は、軽い気持ちでやっていきたいんだよ。と。
自分の幸せを抜きにして、ただ、このひとが幸せでいてくれたらそれだけでいいのだと思えたとき、自分が消えて、透明になる。自分はただ、このひとが好きだという思いに殉じればいいという、そのことの単純さと、爽快さ。この「透明になる」感覚に、もしかしたら、至上のよろこびがあるのかもしれない。 pic.twitter.com/bVTRwiIirW
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2019年2月10日
人生は続く。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu