いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【Cafe Envelope】優れたパティシエになる近道は美味しいケーキを食べること。まずいケーキを食べてそれが何故どうまずいか分析するのは遠回り。

f:id:ibaya:20160804073316j:plain

無料の喫茶店をはじめたいと思う。机や椅子を探したり、適当なメニューを考えてみたり、熱海の自宅を無料の喫茶店にする為の準備をしている。無料だなんて食材費はどうするのだ、やればやるだけ損をするだけじゃないかと言われることもあるけれど、自分でもはじめる理由がわからない。ただ「素敵だと思ったから」以上の答えを見つけられないでいる。


実験的に8月5日(金)から7日(日)までの三日間「無料の喫茶店」なるものを開店します。私は非常に怠惰な人間なので、完璧に準備が整ってからやるのではなく(そうなると永遠に開店できない)、何も準備ができていない状態からドヤ顔で店を開き、皆様のお力を借りながら徐々に環境を整えていくという「永遠に未完成スタイル」ではじめます。是非、お気軽に遊びにいらしてください。

【イベント情報】Envelope 〜無料の喫茶店〜

なぜ、無料の喫茶店【循環スタイル】なのか。

f:id:ibaya:20160804113519j:image

私が「無料の喫茶店」をはじめたいと思った理由はだいたい100個くらいあって、ひとつめは「たとえ採算性を度外視したものであっても、このひと(このお店)が人類にとって必要なものであれば、このひと(このお店)を生かそうとする謎の力が働いてきっとどうにかなるはずだ」という非常に楽観的なものになる。

ふたつめは「およそ2年間にわたる家なし生活の時期を含め、現在の私は【交換感】ではなく【循環感】の原理で生かされていることを感じているから」というものになる。等価交換を原則としている世の中では、持たざるものは何も得ることができない(交換に参加することができない)。しかし、家も金も仕事もなかった自分が生きてこれたのは、交換ではない循環のシステムに奇跡的に乗ることができていたからなのだと感じていて、あの【循環スタイル】を再現できる舞台装置(?)をつくることができたら面白いなあと思うようになった。

みっつめは「気前の良いことがやりたかった」というものになる。気前の良いひとに触れると、自分も気前の良いことをやってみたくなり、結果的に「世の中に気前の良い風が吹きまくる」のではないだろうかとひどく短絡的に睨んでいる。過去に、はなまるうどんで30人に自腹を切ってご馳走をするという自主企画を通じて、私は「神は『好きなように生きなさい』と言っているのだ!!!」ということを悟った。


Cafe Envelope【逢初庵】

熱海の自宅は「逢初庵【あいぞめあん】」と名付けている。初対面の人間がたくさん出逢う場所になるだけではなく、昔から付き合いがあった人や、雲や、花や、虫など、見慣れているすべてのものに対して「生まれてはじめて見た時のように新鮮な気持ちで」接することができる場所になればいい、という思いを込めている。


無料の喫茶店の名前は、Envelope【エンヴェロープ】になるかもしれない。もともとは「封筒」という意味の言葉で、ゆっくり落ち着いて手紙を書けるような空間になればいいと思っている。逢初庵の英訳としては意訳に過ぎるかもしれないが、私は、エンヴェロープという言葉の響きにある種の安心感を見た。この空間を吹き抜ける風を通じて、何かしらの安心感を取り戻す【思い出す】ことができるようになればいいと思っている。多分、安心感とは「つながっている」という感覚だ。


無料の喫茶店をはじめたいと言い始めてから、野菜や本を持って行きますという方や、自宅で余っている食べ物や飲み物を送りますという方や、手伝いが必要であればいつでも声をかけてくださいと言ってくださる方々がいる。このような「善意の循環」が、やがて、いまはまだ想像をすることもできない未来を運んでくれるような、静かな予感に包まれている。実験的な三日間の開店を終えた後も、私が熱海を離れて自宅にいることができない期間も、何かしらの方法で毎日開店することができるあり方を考えていきたい。

『動物たちの惑星』

f:id:ibaya:20160804105112j:plain

今回の「わたり文庫無料郵送の一冊」は、南アフリカ出身の写真家であるスティーブ・ブルームの写真集『動物たちの惑星』です。ご希望される方は、何かしらの方法で坂爪圭吾までご連絡ください。御当選(?)された方には、24時間以内に折り返しご連絡をいたします。こちらの写真集は、先日、熱海まで遊びに来てくれたカメラマンの男性が持参してくれた一冊になります。無料の喫茶店を開催中の店内にも、わたり文庫用として幾つかの本を陳列する予定です【無理やりにでも誰かに読ませたい本をお持ちの方は、是非、ご持参いただければ幸いです】。

※※※ こちらの本は、北海道にわたりました ※※※


美味しいケーキを食べること。

無料の喫茶店の良いところは「与える側と受け取る側が徹底的にフェアである【媚びる必要はない】」ことだと思う。対価を貰っている(対価を払っている)訳ではなく、ただ、与える側は「与えたいと思ったから」与えているだけで、受け取る側も「受け取りたいと思ったから」受け取っている【そうしたいと思ったからそうしている】だけであり、矛盾がない。矛盾がないから、我慢をする必要がない。


自分のやりたいようにやっても、意外と周囲に迷惑をかけることは少ないのだということを経験則的に思う。逆に、自分のやりたいことを押し殺して自己犠牲的になっている時ほど、周囲を負のスパイラルに巻き込むことが多い。多分、重要なポイントは「無邪気さ」だと思う。無邪気なわがままは周囲の人間の母性本能をくすぐって「仕方がないわねえ」という微笑を誘うが、邪気のあるわがままは周囲の人間の生きる力を奪う。


今世紀史上稀に見る非常に素晴らしい名言に出会った(nicさんありがとうございます!!ハリネズミのアイコンと奈良さんの背景がかわいい!!)。そうなのだよ、そうなのだよ、まさにその通りなのだよと私はスマートホンを握り締めながら体育座りでヘッドバンギングを繰り返した。嫌いを克服するよりも、愛しているのど真ん中にダイブしよう。まずいケーキを食べてそれが何故どうまずいかなどという不幸せの謎解きをするのではなく、私は、ただ美味しいケーキを食べて「幸せだなあ」と笑い合えたらそれだけでいいのだ。大切なことは「好きなひとと過ごすこと」と「好きな仕事を追求すること」で、好きなことをやるのに自分を擦り減らす努力なんて要らないんだ。


f:id:ibaya:20160804105421j:plain

人生は続く。

静岡県熱海市伊豆山302
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
TEL 07055527106 LINE ibaya
MAIL keigosakatsume@gmail.com