【KOJ-新潟】本当の意味で自由に生きている人は、それを見る人の心まで自由にする。
神奈川を経由して成田空港に向かい、鹿児島で開催されたイベントに登壇した後に新潟県にはいった。驚いたことに、鹿児島のイベントには種子島や博多や名古屋や東京(!)からも大勢の人が足を運んでくれた。参加者の女性は「自分の殻を破りたくて東京から来ました」と話してくれた。素敵だ。彼女にとって、イベントの内容なんていうものは実はどうでもよく、鹿児島に到着した時点でゴールをしていたのだと思う。非常に清々しい表情をしていた。
気を違えた私の戯れ☆
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— 嘉向徹 (@toru_kamuki) 2015, 11月 15
昨夜、暇を持て余した我々いばやメンバー一同は、新潟市西区黒埼にある聖地「自遊空間」に結集した。結集したといっても、私ととおるくんの二人ぼっちだ。私たちは、自分たちの作業が煮詰まった時など、卓球をしながら会話を交わす。身体を動かしていると、無心になる、嫌なことを忘れられる、新しい発想が湧いてきたりする。これは完全に余談だけれど、私は、ソフトテニス経験者の女子と卓球をするのが好きだ。卓球をしながら「深夜にラジオ配信でもしよう」という展開になり、漫画喫茶の個室からラジオ番組を配信した。そこで話した内容のあれこれをまとめます。
1・音楽をやりたい。
さかつめ「最近は音楽がやりたいんだ。言葉は固過ぎる。移動を続ける生活をしていると、音楽に助けられることがたくさんあって、スナフキン先輩も『長い旅行に必要なのは、大きなカバンじゃなくて、口ずさめるひとつの歌さ』みたいなことを言っているんだけど、ほんとうにそんな感じで、なんていうか、弱った心やギスギスした何かをほぐしてくれる力が音楽にはあると思うんだ」
とおるくん「そうですね」
さかつめ「俺ね、最近、自分がやりたいことってなんなんだろうっていうことをすごい考えるんだけど、いつも最後には『みんなでいい感じになりたいんだ』っていうことを思うの。『みんなでいい感じになりたいだけなんだ、いい感じになれたらそれでゴールなんだ』って思うの」
とおるくん「はい」
さかつめ「でね、そのいい感じっていうのは、たとえば夏の車内でサザンオールスターズを流しながら海に向かう時のあの感じとか、パバロッティが歌う『誰も寝てはならぬ』ってアリアを聞いている時に感じる天にも昇るようなあの気持ちとか、なんだろう、まるごと全部を肯定しているあの感じ、聖者も罪人もまるごと引き連れて天国に連れていっちゃうような、みんな幸せになっちゃうような、あれを感じる瞬間の中にいたいんだっていうことを思うんだ」
2・あなたには希望の匂いがする。
とおるくん「すごいわかります」
ラジオ視聴者「私も、この前和田アキ子さんのアルバムを聴きながら、同じような気持ちになりました」
さかつめ「おー!歌詞いいよね!」
とおるくん「あの鐘を鳴らすのはあなた」
さかつめ「あの歌詞が好きで、特に『あなたには希望の匂いがする』って部分がすごい好き。希望の匂いがするとか、すごいよね。おれからもしているかな、希望の匂い。希望の匂いを醸し出したい」
とおるくん「つまづいて、傷ついて、泣き叫んでも、、、(歌詞を読む)」
さかつめ「『あなた』を『けいご』に変えて、誰もいないところで大きな声でひとり歌ったりすることもあるよ」
とおるくん「さわやかな希望の匂いがする、、、(歌詞を読む)」
さかつめ「希望の匂いがするとか、たまらないよね。希望の匂い、出したい!それでね、希望の匂いがするっていうのは、おれが言う所の『いい感じになりたい』っていうのを見事に言い換えてくれていると思うんだ」
3・いいことがあるかもしれない。
さかつめ「生きていればつらい時期もあると思うんだけど、そういう時って『これから先も悪いことが起きるに違いない』みたいな気持ちになるでしょ。それで、世界も暗く灰色に見えてきて、気分もどんどん沈んでいっちゃう。こういう時って希望を完全に見失っているというか『この先に何もいいことは起こらない』みたいな気持ちになっちゃうけど」
とおるくん「はい」
さかつめ「だけどさ、希望って『生きていれば、もしかしたらいいことがあるかもしれない』みたいな気持ちにさせてくれるものだと思うんだ。前向きになれるし、もうちょっと生きてみるか、生きてやるか、生きてやるぜ、っていう気持ちにさせてくれる。音楽にそういう力をすごい感じているし、事実、音楽によっておれも何度も『生きよう』っていう気持ちにさせてもらったんだ」
とおるくん「あああああああああああ、わかります、わかります」
さかつめ「これから何かいいことがあるに違いないという予感は、そのまま、希望になると思うんだ。実際にいいことがあるかどうかはわからないけれど、でも、そういう予感が日々から何もなくなってしまったら、生きるのがつらく厳しいものになっちゃう。どうせなら『この先に何もいいことはない』みたいに塞ぎ込みながら生きるよりも、何かいいことがあるに違いないってにやにやしながら生きていたいなあって思うんだ」
4・そんなことより遊びに行こうぜ。
さかつめ「おれも、最近では人前で話す機会が多くて、この前もスマナサーラ長老っていう初期仏教の偉いお坊さんと対談をする機会があったんだけどね」
とおるくん「はい」
さかつめ「なんていうか、こういうことを言うと怒られてしまうかもしれないんだけど『みんな真面目だなあ』ってすごい思っちゃうの。どうすれば幸せになれますかとか、不安はどうすれば消せますかとか、自分を好きになるにはどうすればいいですかとか、人間はどう生きるべきですかとか、なんか、そういう質問がすごいいっぱい出てくるんだけど、そういう質問を聞きながら『そんなことよりも遊びに行こうぜ!』って気持ちになってしまったんだ」
とおるくん「はい」
さかつめ「そんなことより遊びに行こうぜ、海でも行こうぜ、森の中でも探索しようぜ、滝に打たれに出掛けようぜ、夜の海岸で野営をしようぜ、きわどい料理をつくってみようぜ、おかしくなるまで踊ってみようぜ、死ぬほど太鼓を叩いてみようぜ、朝日を眺めに出掛けようぜ、ソフトテニス経験者の女子と一緒に卓球しようぜ、とか、そういうことを思ってしまうんだ」
5・嬉しさと共に生きたい。
さかつめ「おれもひとりでいるときはどうしても物事をシリアスに考えちゃいがちなんだけど、でも、根本は『嬉しさと共に生きたい』ってすごい思うんだ」
とおるくん「ああああ(感嘆)」
さかつめ「そのリアクション嬉しい!」
とおるくん「ああああ(感嘆)」
さかつめ「たとえばさ、覚悟とか決意とか頑張るとか努力とか生き甲斐とか必死とか、確かに重要だとは思うんだけど、でも、どうしても『肩肘はりまくっている』感じがすごいでしょ」
とおるくん「はい」
さかつめ「言葉だけで考えちゃうから、どうしても固くならざるを得ないんだと思う。言葉は固過ぎる。おれも、たとえば『明日のことを思い患うな』みたいなことを自分に言い聞かせたりするんだけど、そういう時は、確かに不安や悩みは一時的に軽減するかもしれないし、ああ、そうだよね、明日のことは明日に任せよう、過去でも未来でもなく現在をちゃんと生きないとなっていう風に思い直すことはできるんだけど、でも、決して『うれしさ』を覚える訳ではないでしょ?」
とおるくん「はい」
さかつめ「でも、根本は、ほんとうのところはひたすら生き抜くことよりも死なないために必死に頑張ることよりも、やっぱり『嬉しさと共に生きたい』んだっていうことを思うんだ」
6・読者からの連絡。
さかつめ「この前、おれのブログを読んでくれているひとからメールが届いたんだけど、その人は三人のこどもがいる30代の女性でね、一年くらいまえに離婚をすることになったひとなの」
とおるくん「はい」
さかつめ「でね、その女性は旦那さんとこどもを家に置いたまま、自分が家を出るという道を選んだのね。世間的なイメージだと『離婚をしたら母親がこどもの面倒を見るべきだ』みたいな思い込みというか風潮ってすごい強いと思うし、その女性も、そのことで酷く苦しんだことがあったって話してくれたんだけどね」
とおるくん「はい」
さかつめ「そのひとの離婚裁判がこのまえちょうど終わって、無事にって言うのも変かもしれないけれど、離婚が成立することになったのね。でね、離婚が決まるかどうかもわからないとき、家を飛び出して自分ひとりで暮らしていた時に、その女性にとってはテレビよりもラジオよりもユーチューブよりも『いばや通信』が支えになりましたって話してくれて、それが物凄い嬉しかったんだ」
とおるくん「それはほんとうに嬉しいですね」
7・生きているだけでいい。
さかつめ「その女性は、いばや通信を読みながら『私も生きてていいんだ』って言ってもらえている感覚でしたって伝えてくれたの。この言葉がほんとうに嬉しかったし、この『私も生きてていいんだ』っていう感覚は、それこそ、おれがどうしようもない灰色の高校生活を送りながら死にたいとか消えたいとかもう終わりにしたいとか考えていた時期に、音楽から与えてもらった力と同じだなあって思ったんだ」
とおるくん「はい」
さかつめ「誰もね、生きているだけでいいなんて言ってくれなくて、たとえば『大学に通いさえすればいい』とか『正社員にさえなればいい』とか『普通に結婚さえしてくれたらいい』とか、どうしても何かしらの条件をつけちゃうものだと思うんだ。そんな中で、自分が好きな音楽だけは『そのままでいいよ』『生きているだけでいいよ』『もっと楽しんでいいよ』『自由に生きていいよ』って言ってくれているような気がして、それがすごい嬉しかったんだ」
8・誰も「そのままでいい」とは言ってくれない。
さかつめ「なんかさ、誰も『そのままでいい』とは言ってくれないものなんだと思う。自分以外の何者かに変わることを要求されてしまうというか、でも、そんな中で『そのままでいい』って言ってもらえたことが、どれだけ力になったかわからないんだ」
とおるくん「すっごい、わかります」
さかつめ「とおるくんもいろいろあるもんね。。。」
とおるくん「前に、僕とけいごさんで新潟の海の家でトークイベントをやった時、イベントの終了後にひとりの中学生の女の子が話しかけてくれたことがあったじゃないですか」
さかつめ「うん」
とおるくん「その時、女の子は『なんだかよくわからないけど、自分のことが大好きになりました!』って言ってくれたことを思い出しました」
さかつめ「あれは名シーンだったね」
とおるくん「あの感じなのかなと思いました。女の子も『なんだかよくわからないけど、夜の10時だけど、これから友達を誘って古町のカラオケに行ってきたいと思います!』って言ってました」
さかつめ「最高だよね。。」
9・こどもの頃から、やりたいことは変わっていないんだ。
さかつめ「おれね、実は、こどもの頃からやりたいことって変わっていないんじゃないのかなって思うんだ」
とおるくん「はい」
さかつめ「おれは、みんなでいい感じになりたいだけなんだっていうことを思うんだけど、言い換えると『みんなで一緒に遊びたい』だけなんだと思う。そして、世の中にはいろいろな遊び道具があるけれど、おれがいちばん多くの人と一緒に遊べるものが何かと言ったら、それは『言葉』と『音楽』のふたつなのかなって、おれがこうしてブログを書いているのも、ただただ一緒に遊びたいから、そういう気持ちを共有したいっていうだけなのかもしれないって思うんだ」
とおるくん「一緒に遊びたい。。」
さかつめ「こどもの頃から、やりたいことは変わっていないんだよ。みんなでいい感じになりたいだけなんだ、一緒に遊んで、一緒にいい感じになれたらそれでゴールなんだ。意味なんてないんだ。意味なんていらないんだ。いい感じになったら、もう、その先はないんだ」
10・本当の意味で自由に生きている人は、それを見る人の心まで自由にする。
さかつめ「新潟の冬は長くて厳しいから、どうしても鬱っぽくなっちゃうよね。日照時間も少ないから気分も沈みがちになっちゃうし、おれは友達も少ないから、どこか遠くにいきたくなる気持ちもあるけれど、でも、やっぱり自分たちの故郷でもある新潟が好きだという思いもある」
とおるくん「はい」
さかつめ「なんかさ、おれはいつも『北風と太陽』の寓話を思い出すことが多いんだけど、このご時世、やはり『北風よりも太陽になれる奴が必要だ』っていうことをすごい思うんだ」
とおるくん「はい」
さかつめ「新潟はほんとうに太陽が出ないから鬱っぽくなるし逃げ出したくもなるけれど、逆に『おれたちが太陽をつくる、否、おれたちが太陽になる』くらいの愚直さで、いばやも邁進していきたいね」
とおるくん「いい感じになりたいですね」
さかつめ「うん。嬉しさと共に生きたいし、これから何かいいことがあるに違いないっていう、嘘でも勘違いでも構わないから希望の匂いを醸し出して行きたいし、そのままでいい、生きているだけでいい、自分のまま、こどものままでどかんとぶつかっていきたいし、みんなで一緒に遊びたい、みんなでいい感じになりたい、いい感じになれたその先はないんだ、いい感じになれたらそれでゴールなんだって思っているよ」
とおるくん「けいごさんが前に言っていた『本当の意味で自由に生きている人は、それを見る人の心まで自由にする』っていう言葉、あの言葉ですが、これ、あの感じですね」
さかつめ「そういうことですね!」
とおるくん「本日はあざました!」
さかつめ「こちらこそあざました!」
北風よりも太陽になろう。何かを強制するのではなく、自ら進んで何かをやりたくなるような、自発的な空気感を醸成していこう。多分、いま、世の中には北風が溢れ返っている。寛大な包容力を持った太陽が足りない。他人に厳しくあるためにではなく、お互いを元気づける為に使ってこその命だ。
— 坂爪圭吾 (@KeigoSakatsume) 2015, 11月 13
人生は続く。
坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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