いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【HND-東京】東京で出会った半端ないひとたち。ー 生きることに意味はない。そこにあるのはよろこびだけだ。

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日本海を経由して東京に来た。朝日が綺麗だった。朝日を見ていると、何かこういろいろなことがどうでもよくなる。「フィンランドでオーロラを見に行きたいって思うと、いつも、同時に日本でも朝焼けをちゃんと見たいなって思うの」と、わたしの友達の女性は話していた。


皆で羽田空港に泊まったりできたら楽しそうだね、という話をした。東京に来てから数名の方々と実際にお会いして、様々な話をした。印象深いものが幾つもあったので、覚えている限りでまとめます。

1・「坂爪さんは存在そのものがリフレーミングです」


TwitterFacebookから上記のような投稿をしたら、驚いたことに50件を越える連絡が届いて回線がパンクした。結果的に早い者勝ちという状態になってしまって(返信できていない皆様ごめんなさい…)、この数日間で複数名の方と実際にお会いした。高校教師の男性の方からも「授業でいばや通信を配布しているんですよ」という連絡をいただいてアゴが外れて粉々に砕け散って舞い上がった。

高校教師の男性曰く、

「私は大学時代に心理学を専攻していたのですが、そこで『リフレーミング』というものを学びました。リフレーミングというのは『フレーム』を組み直すということで、簡単に言えば『こういう世界の見方もあるよ』ということを伝えることで、凝り固まったモノの見方をほぐすようなことを指します。私から見ると、坂爪さんは存在そのものがリフレーミングで、こういう生き方もあるのかということを私たちに教えてくれています。生徒たちにも『こういうバカな大人もいるよ』ということを知ってもらえたらと思って授業の合間に配布をしたりしているのですが、親御さんからも反応があるんですよ」

私は嬉しさに舞い上がった。リフレーミング…素晴らしい言葉だ。自由の匂いがする。男性は帰り際に「坂爪さんにお礼の意味も込めて何かをプレゼントしたいと思ったのですが、荷物を増やすのも悪いなあと思って、どうしたらいいのかと考えた結果これにしました」と、私にSuicaを渡してくれた。「これでガツガツ移動してください」とのこと、私は再び嬉しさに舞い上がってしまった。

2・「人生のコツは、目の前にあるものをこれでもかっていうくらい思いっきり楽しむこと」


土曜日の新宿はとにかく晴れた。こんな晴天の日に「屋内にいるなんてクソだ!」ということになり、新宿伊勢丹の屋上に足を運んでアゴが外れた。案内してくれたのは、私の存在をイケダハヤトさんのブログを通じて知ってくれたAさん(女性)で、屋上で私に青汁をご馳走してくれた。

青汁の女神・Aさん曰く、

「最近はデパートの屋上の緑化も進んでいて、坂爪さんも移動で疲れているだろうから自然に触れたりしたいだろうなと思って、こちらに案内したのですが喜んでもらえてよかったです。わたしも自然が好きで、いまの仕事にはやり甲斐や可能性を感じる部分もあるのですが、同時に、仕事をがんばればがんばるほどに自分がオフィスに縛られて行く感覚、身軽さが損なわれていく感覚があって、移動する生活を続ける坂爪さんと話すことで『何か吹っ切れるきっかけがつかめるんじゃないか』と思って連絡をしました。屋上で写真を撮りまくる坂爪さんがちょーーーー楽しそうで、見ている私も楽しくなっちゃいました。人生を楽しむコツは、目の前にあるものをこれでもかってくらい思いっきり楽しむことなのかな、と思いました。あとは、オープンな人は、その存在だけで周りのひとの心を開かせるなあ、と」

3・「愛」と「夢」と「友達」を言う奴を俺は信用しない。 by タモリさん


タモリさんと坂爪圭吾が同列に扱われる日が到来した。

ジャズな人ってのは向上心が無いんだよね。誤解されると困るけど、向上心がある人は「今日」が「明日」のためにあるんだよ。向上心が無い人は「今日」は「今日」のためにあるわけだ。これがジャズの人よね。向上心=邪念てことだよね。


よく人って夢のために頑張るとか言うじゃないですか。夢に向かってとか。それを美徳としているところがある。じゃあ夢が叶ったらどうするの?夢のために目標立てて、毎日それのためだけに生きるとか、それってどうなの?って思う。


「夢があるようじゃ人間終わりだね」


夢が達成される前の期間は全く意味のないつまんない世界になる。これが向上心のある人の生き方。悲劇的な生き方。夢が達成されなかったらどうなるんだ?ってことだよね。(世に出ている人は)好きで面白がってただやってる人が世に出ているだけで、その人たちが夢を持ってやっていたかというとそうではない。それがジャズかジャズでないかの違い。


今の教育がおかしい。夢を持ちなさい、友達を持てって、友達なんかいなくても生きていける。友達は自然にできるもの。


あと愛な。愛はおかしい。愛は素晴らしいけれど、愛が達成されなかったら人を殺す。執着だ。愛はキレイなもんじゃない。「愛」と「夢」と「友達」を言う奴を俺は信用しない。みんな愛というと恋愛と勘違いしている。あれは愛ではなく恋。愛というのは神しか言えないことじゃないの。

4・本当の意味で自由に生きている人は、それを見る人の心まで自由にする。


知る人ぞ知る九歳の天才・バオくん(@bao829 )から「小学校に行かないで好きなひとに会いに行って学ぶというやり方で学んでいます。っていうか楽しく生きてます。坂爪さんに会って話ししてみたいです」という連絡が届いてアゴが外れた。東京には半端ない人たちがいるのだと嬉しくなった。

九歳の天才・バオくん曰く、

「どうなりたいかという質問に僕は『僕は僕でありたい』と答えている。世界中みんなが自分であるということは正解がないということ。正解のない世界で生きていく僕達は好きなことをやる勇気が必要だ。自分の勘を大切に、自分に正直に、自分が好きなことをやる勇気」

半端ない…言葉だけを引用すると固く見えるかもしれないが、バオくんはお茶目で最高に魅力的なボーイだった。世の中には、自分たちの常識を平気で飛び越えて生きているひとたちがたくさんいる。この事実はいつも自分を嬉しくさせてくれるし、本当の意味で自由に生きている人は、それを見る人の心も自由にする。

5・イマジネーションを楽しむためには余裕が必要。


新宿南口にある歌広場で、大学院生の女性とみっつさんの三人で雑魚寝をしながらしばらく話した。家のない生活の最大の弱点は「横になれない」ことにあるのだけれど、逆に、横になれた時のよろこびが増幅する。わたしには個室が輝いて見える。横になれる限り横になることで、座る八倍は回復する。

大学院生の女性曰く、

「大学院の授業は結構たくさんあるんですが、私は全然勉強ができていなくて、いまも本当は予習をしなくちゃいけないのにこんな感じで坂爪さんに会いに来てしまいました。徹夜をすればどうにかなるみたいに思ってはいるのですが、理想の自分(『学業とバイト』や『オンとオフ』を両立させている自分)と現実の自分のギャップに物凄い苦しむこともあって、だけど、坂爪さんを見ていると『この人は完全に現在を生きている。だから一緒にいると楽なんだ』みたいなことを思いました。さっき坂爪さんは『何よりも大事なのはセンスだ。技術はあとからついてくる』って風立ちぬの話をしていたけれど、私は児童文学を専門に勉強しているのですが、学術書などを読んでいても『イマジネーション(想像力)』という言葉がほんとうにたくさん出てくるんです。それくらいイマジネーションは大事なものなんだ、ということが伝わってくるのですが、イマジネーションを楽しむためには余裕が必要ですよね」

6・「答え」よりも「問い」でありたい。


私には、未だに本を出版した経験がない。編集者の方は「いままでのブログ記事を(写真も載せながら)まとめるだけでも充分に形になりますよ」とおっしゃってくれた。私は自分のブログ記事を振り返りながら、どのような本にしたらいいのだろうかと考えて、そして「『答え』よりも『問い』でありたい」ということを思った。

坂爪圭吾の脳内曰く、

「この前、小学生のこどもがいる女性の方と話した。非常にアクティブな女性なので、深夜にクラブに行くこともあるのだけれど、稀に『こどもがいるのにクラブに来るの!?」と男性から驚かれることがあると話してくれた。そして、そのように言ってくる人にも小学生のこどもがいたりして、『あなたと同じじゃん!』って思うことがあるのだと話していた。他人にはする質問を、自分自身にはしないということは往々にしてある。わたしも頻繁に『どうして家がないの?』みたいなことを尋ねられるが、自分自身に『どうして家に住むのだろう?』と尋ねる人は少ない。多分、私は『そういうものだとされているものに対して、ほんとうにそうなのかという問いになりたいのだろう』ということを思った」

7・「やりたいことしかできない身体になってしまったの」


過去に、東京で猛烈に素敵な夫婦に出会ったことを思い出した。天真爛漫な二人の姿が非常に素晴らしく、発想が自由すぎて話を聞いているだけでも楽しくなってしまった。夫婦で(非常にクオリティの高い)カフェを営んでいるのだけれど、経営のスタイルが常軌を逸していた。

猛烈に素敵な奥様曰く、

「最近はお店からメニューをなくしたんです。その代わりに、お客さんには『今日は何ができるの?』って尋ねてもらうことにしてもらっていて、私たちも手元にある食材を見ながら『今日はこれができます』みたいな感じでその日の料理を決めます。それから、代金を決めるのもやめたんです。お客さんには封筒だけ渡して『自分が感じた気持ちだけいれてください』とお願いすることにしました。営業日を決めるのもやめてしまったので、常連の方々は電話などで『今日はやってる?』みたいな感じで連絡をくれます。プライベートでは、最近、ベッドで眠ることをやめたんです。寝袋だけを持って、毎日違う場所で寝ています。今日はリビングで寝てみようか、今日はキッチンで寝てみようか、今日は庭で寝てみようか、今日はベランダで寝てみようか、みたいな感じで、毎日色々な場所で眠ることを楽しんでいます。こんなことを言うのも恥ずかしいんだけど、自分がやりたいと思うことだけをやるようになってから、やりたいと思うことしかできない身体になってしまったの(ここで飛び切りの可愛い笑顔を見せる)」

8・意味を求めたら、あらゆるスポーツを否定することになる。


私は「非生産的なこと」に全力でエネルギーを投入する人が好きだ。冒頭で紹介した高校教師の男性は趣味でマウンテンバイクに乗っていて、海外のレースにも参加しているということを話してくれた。自転車に乗っている時間は無心になることができる。何よりも楽しそうに自転車について話す表情が魅力的だった。

「今度も長野で半端ない坂道をギアを固定した状態で駆け上がる世界大会みたいなものがあって、わたしも参戦するのですが、もともとマウンテンバイクはカウンターカルチャーとして登場してきた背景もあるので、本来は『反骨的(パンク)なひとたち』が楽しむものだったのですが、いつの間にかオリンピック競技にまでなってしまって、順位付けも行われるようになり、徐々につまらないものになってしまいました。それでも、いまもこうして『くだらないことに全力で挑む人たち』がいて、坂道の世界大会は優勝者に『優勝』という刺青を入れることがルールになっているんです。だから、主催者側も『刺青をいれると困る人は優勝しないでください』とか言っているし、優勝者以外はタイムもはからないんです。そして、このイベントを日本で開催させることに成功した男性の話も印象的で、アフリカで『次は何処の国で開催するか』の抽選会みたいなものがあって、彼はそれだけのためにわざわざアフリカまでいって、見事に開催権を勝ち取って日本大会を実現させたんです。しかも、抽選がクジとかじゃなくて『死ぬほど酔っ払った状態でバレーボールをする』という非常に意味のわからないもので、良い年をした世界中の大人たちがアフリカで酩酊しながら『我が国で坂道世界大会を!』とか叫びながら開催権を勝ち取ろうとしているのが、なんだかすごい良くて、それで、今回見事に日本でそれを開催することができるようになったんです」

9・生きることに意味はない。そこにあるのはよろこびだけだ。


綺麗な朝焼けを見ると「生きることに意味はない。そこにあるのはよろこびだけだ」ということを思う。綺麗な朝焼けを見ることに、何の意味も正解もない。ただ、自分の身体が感じるよろこびがあるだけで、この感覚にすべてがあるという気持ちになる。


10・人生は苦しむためにあるのではなく、楽しむためにある。


様々な人が様々なことを考えながら、様々なスタイルでこの瞬間を生きている。生きることに悩むこともあるが、大前提として「生きているだけでいい」のだと私は思った。それ以外(金持ちになるとか偉業を達成するとか充実した日々を過ごすとか)」はおまけみたいなものだから、何かをやらなくちゃいけないとか、何者かにならなくちゃいけないとかじゃなくて、やりたいようにやればいいのだと思う。


人生は苦しむためにあるのではなく、楽しむためにあるということ。ともすると、頻繁に「自分は何のために生きているのだろうか」みたいな感じで悩み始めることもあるけれど、意味も価値も正解も実は不要で、単純に『よろこびに触れるために生きている』のだということを思う。


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人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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