いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【CTS-洞爺湖】嘘吐きは殺人のはじまり。ー 「あなたのため」とか言いながら、自分のことしか考えていない人間が多い。

旭川経由で札幌に戻り、昼過ぎから洞爺湖に向かう。北海道の人は「自分の意見を口にできるひとが少ない」のだと、北海道在住の女性が教えてくれた。会話が盛り上がることもあれば、まったく盛り上がらないこともある。一緒にいると元気になれる人もいれば、エネルギーを吸い取られる場合もある。

1・嘘吐きは殺人のはじまり。


最近では「仕事をやめてから毎日が楽しくて仕方がないんです!」とか、「離婚をしてからほんとうの自分自身に出会えたんです!」みたいな謎のテンションで話しかけられる機会が増えた。また、とあるシェアハウスのようなものを運営している人は「ここにくれば誰もがほんとうの自分に戻れるんです。みんな幸せな顔をしているんです」などと話していた。正直に言えば、そういう人を見ると「嘘をついているな」と感じる。無理をして元気に振る舞っている(幸せそうに見られることに必死になっている)印象を受ける。

2・「無理をしてでも元気でいなければいけない」という嘘。


旭川で開催されたトークイベント終了後に、懇親会のようなものが行われた。参加者のひとりで「明らかに無理をして笑っている」女性がいた。一見すると「笑顔の絶えない明るい人」にも見えるのだけれど、何かを言うたびに「はははははー!」と甲高い笑い声をあげて、その声は驚くほどに乾いていた。

多分、このひとはつらいのだろうなと思った。自分のつらさを隠すために、無理をして笑い声をあげているのだろうなと思った。わたしは基本的に飲みの席が苦手だ。酒が苦手なのではなく、酒によって誰かの人格が変わってしまう瞬間を目撃することが苦手だ。突然馴れ馴れしくされるのも嫌いだし、酒の力を借りて元気になったり(時には泣き出したりするのを見るのも)嘘にまみれている気がする。

3・期待は自分自身に寄せるものであって、他人に寄せた瞬間に甘えになる。

現在のわたしは、今年の一月に出会ったみっつと行動を共にしている。大前提として、わたしはみっつのことが好きだ。みっつは義務教育を受けていない。みっつとの出会いについて過去に記事にしたら、みっつに会いたいと懇願する人たちが現れた。結果的に、いまは一緒に北海道にいる。


4・「自分の気持ちは簡単には理解されない」ということ。

みっつと行動を共にしていると、稀に驚くほどに無神経な人間の存在に度肝を抜かれることがある。これは昨夜の出来事だった。あるひとりの女性が、みっつに話しかけた。「さかつめさんと出会えてよかったねー!人生が変わったでしょ!だって、いままでのみっつくんは家の中ばかりにいたんだもんね。いまこうして一緒にやっている、あらゆることがはじめての経験ってことでしょ、いいなー!」

みっつはわかっている。いろいろなことをわかっているし、自分の気持ちが他人に簡単には理解されないことなんてずっと昔からわかっている。だから、こうした発言に対しても「はい!さかつめさんのおかげでものすごい変わりました!こんなにいろいろなひとと会うこともはじめてで、こんなにたくさんの料理をみんなで食べることもはじめてで、はい、いま食べている枝豆も凄い美味しいです!」と答えていた。わたしはいろいろなことが嫌になってしまって、「もう行こうぜ」と告げてその場を離れた。

5・「無慈悲で残酷な善意」の言葉たち。

別のシーンでも、みっつは様々なことを尋ねられる。「両親はどんなひとだったのですか?」とか「どうして、そんなひどい目に遭いながらも純粋なこころを保つことができたのですか?」とか「何をしている時が楽しいですか?」とか、いろいろなひとが好き勝手なことを尋ねる。そのような質問が、どれだけ相手の心を傷つけているのかということに思いを巡らせるひとは少ない。みっつはやさしい。だから、一生懸命に、まるで自分の身体や生命を削り取るように、このような質問に答えようとする。

6・「自分の善意が他人を傷つける」ということ。

別の女性がわたしに話しかけてきた。

「さかつめさんのブログを読んでいます。なかでも、みっつ君の記事には心が動かされました。そして、わたしは『義務教育を受けていないというのは本当に素晴らしいことだ』と感じているので、そのことを伝えたくて来ました。義務教育を受けていないということは、余計な洗脳を受けていないということで、これから時代が大きく変わろうとしているいま、それはものすごいチャンスなんです!」

わたしは「みっつにもそのことを伝えたのですか?」と尋ねた。すると、その女性は「もちろん伝えました」と答えた。わたしは、心の底からがっかりした。そして、怒りにも似た感情が自分の内側から湧き出して来る感覚を覚えたので、はっきりと言葉にして伝えた。

「その言葉が、どれだけ無慈悲で残酷な言葉なのか、あなたは何もわかっていない。あなたに悪気がないのはわかる。しかし、悪気がなければ何をしてもいいということにはならない。あなたは、みっつに対して『あなたは何もないからっぽの人間だ』というメッセージを発していることに何も気がついていない。自分の善意が他人を傷つける場合もあるということに、あまりにも無自覚に過ぎると思います」

7・理解と誤解は紙一重であり、多くの場合は誤解で終わる。


「理解する」ことと「理解したつもりになる」ことはまったくの別物であり、前者は人間を勇気づけるのに対して、後者は人間を傷つける。勝手に何かを理解したつもりになって、その枠内で相手を限定づけるような関係性をはじめたとき、両者の間には絶望的な距離が生まれる。

8・「悪意に限らず善意を通じても、人間は死にたくなる」ということ。


このような発言をTwitterでもFacebookでも吐き出した。結論から言うと、絶望的な結末を迎えて「そりゃそうだよな」と思った。Facebookのコメント欄に集まった発言の数々を通じて、自殺をするひとの気持ちがわかるような気がした。悪意だけではない。人間は「他人の善意」によっても死にたくなってしまうのだろう。

9・他人を殺してまでも自分の善意を立証しようとする。


「死にたい」と「殺したい」は紙一重になる。

10・人間はクソだが、人生は素晴らしい。

乱暴な言葉でまとめると、最近のわたしは「日本は腐っている」と感じる。とりわけ、中高年が腐っている。「あなたのため」とか言いながら、自分のことしか考えていない人間が多い。偽善者ぶることで優越感を持ちたがり、他人をコントロールしようとする人間が多い。「これを言ったら相手がどういう気持ちになるのか」ということに対する、想像力が著しく欠如した人間が多い。被害者面をしたがる人間が多い。自分の人生のうだつがあがらないことを、周囲の環境や他人の責任にしたがる人間が多い。「可哀想な自分」を演じることで、自分に同情している人間が多い。覇気を失った人間が多い。たいした人間でもないくせに「幸せとはこういうものだ」と語りたがる人間が多い。金のことしか考えていない人間が多い。金以外の価値を何も見つけることができていない人間が多い。現実逃避でスピリチュアルにハマる人間が多い。自分が安心できるためのデータを必死で掻き集めているうちに日が暮れるだけの人間が多い。目的もなく群れたがる人間が多い。他人に媚びて好かれようとする人間が多い。自分の弱さを他人に承認してもらいたがる人間が多い。自分の中にある醜さを直視しないで「ありのままで」などとほざき続ける人間が多い。口先ばかりで実際には何もやらない人間が多い。誰かが何かをしてくれることを期待しているばかりで、自分からは何も与えようとしない人間が多い。

わたしは何かに中指を突き立てている。

いつまで傷の舐め合いをしているつもりなのだろうか。いつまで悩み、いつまでごまかし、いつまで周囲の人間に媚び続ける(自分に嘘をつき続ける)日々を過ごし続けてるつもりなのだろうか。他人からの評価や共感や承認を求めて彷徨うなんて、生き方としてダサ過ぎる。わたしは何かに中指を突き立てている。誰かの承認を求めたり、誰かを承認するために生きていたいとは思わない。自分の価値は自分で決める。重要なのは「悩む」ことよりも「生きる」ことだ。

人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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