いばや通信

ibaya.ex《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

傷つく前に傷つくな。

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神奈川県白楽のドトールにいる。数日前から「欧州に行きたい」と強烈に念じていたら、欧州に飛ぶための魔法のチケットを獲得した。日程は臨機応変。到着予定国も臨機応変。もしも欧州在住の方で「この国に来れば宿はどうにかなる」とか「この国に来たら軽いお話会などを開催できる」などありましたら、ご連絡をいただけましたら幸いです。小生、時間の融通はいくらでも効きます。こういう時、しみじみと「暇でよかったなあ」と思う。必要であれば、明日にでも欧州に飛べる。

 

 

すべての感動的な物語は「旅に出る。なにかを得る。帰還する」の要素で成り立っている。桃太郎であれ、ワンピースであれ、ロードオブザリングであれ。これは、私たちの人生にも当てはまるのだろう。男性的な意味での冒険と、女性的な意味での冒険は異なる。冒険とは、世界に飛び出すことだけではない。出産もひとつの冒険だし、男性には真似することも、おそらく耐えることさえもできない冒険だ。私は男で、子宮をもたない。出産をすることができない。だから、外に出たいと思うのかもしれない。昔、ある人がこんなことを言った。男はバカだから全部を経験しないとわからない。しかし、女性は一部に触れただけで全体がわかる。だから、すべてを経験する必要はないのだ。と。なんとなく、わかるような気がした。

 

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ごちゃまぜの家。

欧州の国々を巡れたら幸せだ。パリの公園でフランスパンをかじるだけで、昔、最大級の幸せを感じた記憶がある。音楽と記憶は強烈に結びつき、ある音楽が流れると、ある風景が瞬時に蘇る。私は、雨が降ると憂鬱になる。これは、幼少期、雨が降ると友達の家に遊びにいくこともできずに家でひとり退屈な時間を過ごしていた、その記憶と結びついているのかもしれない。雨の音も音楽で、海の音も、風の音も音楽だ。私は海が嫌いだった。学校に馴染めず、私はいつもひとりで海にいた。波音は「お前は孤独なんだ」と言っているように聞こえていた。海は孤独の象徴だった。しかし、数年後、新しい友達に海の遊び方を教えてもらってから、私は海を好きになった。私は海が嫌いだった訳ではなかったのだ。そう気づいたのは随分あとになってのことだった。私が嫌いだったのは、自分自身だったのだ。

 

普通に生きているような人でさえ、何かしらの問題を抱えている。問題の多くは家庭環境、その人自身の家族に起因することがわかる。愛されたいように愛されなかった記憶、愛したいように愛せなかった記憶、乱暴にまとめるならばさみしさを蓄積させた結果、人間は病気になったり、精神を患ったり、健全な自己肯定感を抱くことができなくなる。私だって例外ではない。どこかしら、致命的なバグを抱えて生きている。誰もが狂っている部分を抱えながら、うまい具合に折り合いをつけたり、呼吸ができる場所を見つけて、いまを生きているのだろう。バグを抱えていることはおかしいことじゃない。きっと、当たり前のことだ。そう思えた時、自分だけではないのだという知覚は、心の重荷を軽くする。弱さは悪いことではない。弱いからこそ、欠落があるからこそ、人間は人間を必要とすることができる。

 

素晴らしい出会いは人生を肯定する。狂っている自分を肯定するもの、決して正しい生き方はできないけれど「俺の生き方は間違っていなかったな」と思わせてくれるもの、それは出会いだった。なぜ生きるか。その答えを私はまだ知らない。しかし、生きていなければ出会うことのなかった人間がいることは事実であり、彼らの存在を思うと、自分は自分の生き方に誇りを覚えることができる。悪くないな、と、ニヤッとすることができる。人間を疲れさせるものが人間ならば、人間を救い上げるものもまた人間だ。彼らの存在は、私にひとつの教訓を与えてくれた。それは「人間は変われる」という教訓だ。いまいる場所に不満があるならば、人間は、自分の意思でそれを変えていくことができる。舵を握るものは常に自分で、止まることも、歩き出すことも、生きる自由も、死ぬ自由も、選択権は自分にある。どのような状態に置かれても、我々は、常に自由であることを思い出させてくれる。

 

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わたり文庫『ストレイト・ストーリー

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今回のわたり文庫無料郵送の一冊は、村上龍著作『ストレイト・ストーリー』です。アルヴィンという高齢の男性が、仲違いをしたまま危篤になった兄と仲直りをするため、芝刈り機に自作のモービルハウスを連結させて長距離の無謀な旅に出る物語です。20歳前後の頃、村上龍にどはまりをして、村上龍ばかりを読んでいた時期がありました。10数年振りに読み直したこの作品は、言葉にならないほどに素晴らしかった。クリスマスプレゼントに、何を贈るか迷う人は試しにこの本を読んでみてほしい。きっと、誰かに贈りたくなる一冊になると思います。私の大好きな一冊です。ご希望される方は何かしらの方法で坂爪圭吾までご連絡ください。御当選(?)された方には70万時間以内に折り返しご連絡いたします。

 

※※※ こちらの本は、大阪府にわたりました ※※※

 

「引っ張っていくには、お、お、お、重すぎるわ。父さん。それは芝刈り機なのよ。本気で、芝刈り機に乗って、州を越えるつもりなの?」

アルヴィンは遠くを見つめていた目をローズに戻した。

「ライルに会いに行くよ。ローズ。自分の力でね。わかるだろう?」

そうね、とローズはうなずいた。アルヴィンは決めたことは必ず実行してきた。その決定が明らかに失敗だったことも数多くあった。失敗のほうが多かったはずだ。今度も失敗するかもしれない。だが、いずれ近いうちにアルヴィンには失敗も成功もできなくなるときがくるだろう。だから、ローズは、そうね、と答えるしかなかったのだ。

「空を眺めてごらん、ローズ。今夜は星が綺麗だな。満点の星だ」

アルヴィンがそう言って、二人は夜空を眺めた。 

 

村上龍ストレイト・ストーリー』【集英社

 

傷つく前に傷つくな。

定職も、定収入も、定住先もないまま、移動を続ける日々を過ごしている。先日、私を見た人が「勇気がありますね」と言った。私に勇気があるのかないのか、よくわからない。感じているのは必然性で、私は、大量の選択肢があるなかからいまの生き方を選んだわけではない。色々やってみたけれどどれもこれもまったくダメで、どうにかこうにか、いまの生き方がはまったことによって生き延びることができている。『いまの生き方』というものを、言葉で説明することは難しい。多くの人々が『ある』を求める中で、私は『ない』に賭けている。私には何もない。肩書きもなければ社会的な信用もない。どこにでもいるようで、どこにもいない、野良猫のような一匹の雄だ。決して褒められたものでもなければ、人様に偉そうに話せることなんてなにもない。ただ「自分はこうです」というだけの話なのだろう。

 

人々と話す中で「前提が違うな」と感じることは多い。どうすればあなたのようにうまくやれるのか。どうすればあなたのように人々のご縁の中で生きていけるのか。など。そういう風に問われることは多い。私は、多分、どうすればうまくやれるのかという考え方で生きていない。真逆で「これでだめなら死ねばいいのだ」と思っている。やりたいことをやって、それがだめになった時は、死ねばいいのだ。それだけの話だ。そう思いながら生きている。無論、死にたいと思っている訳ではない。生きていたい。生きられるだけ、生きていたい。命を燃やしていたい。生きている実感を感じていたい。だから、自分がやりたいと思うことは精一杯にやりたい。逆に、自分がやりたいと思うことでなければ、私は精一杯になることができない。自己責任。そんな言葉が頭をよぎる。自己責任とは、他人に強制するためのものではなく、自分を律するための崇高な理念だ。私は、私の人生に責任がある。

 

傷つく前に傷つくな。傷つくことを恐れる気持ちが、自分自身を傷つけている。大事なことは、いつか、傷つくことさえもできなくなる日が来るということだろう。失敗することも、後悔することさえもできなくなる日が、必ず来る。すべての瞬間に終わりがある。時の流れを、出発しようとする人間を止めることはできない。そう思って生きてきた。裸のままで生まれてきて、人生を終える時は、裸さえも捨てていく。煙になるのか、土に還るのか、海に還るのか、そのすべてになるのだろうか、それは知らない。いま、この瞬間も、出発することを迷う人、出発するものを引き止めたいと願う人、出発することを誓う人、いま、まさに出発をしている人など、様々な人々がいるのだろう。ひとつひとつの出発に、光あれと思う。出発する人間は、見送る側の人間に、健やかな自立を促す。やがて、私たちは、一人の例外もなく最後の出発の日を迎えることになるだろう。その瞬間まで、光あれと思う。

 

 

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雨上がり。

「もし今ボクが引き返したら、もう二度とここへこようという勇気はおこらないだろう。ボクは一生のあいだしげみの外をめぐりながら、中にはいる勇気がなかったんだと自分にいいきかせることになるだろう。」

ムーミン谷の名言集

 

人生は続く。

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
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