いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

握り締めることをやめるとき。

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東京で友達が個展を開催している。芸術の秋。彼女は、新潟の山奥に住居兼アトリエの一軒家を持つ。たしか、家賃は二万円。写真を見たら超絶素敵だった。「俺もこんな暮らしができたらなあ」と一瞬思ったあとに、あ、俺には家が二軒あった!と思い直した。熱海と横浜。が、私は多動症であるために両家共にガラ空きであることが多い。そこで、なにかできないかなと考えた時に『無料の展示会』に使えないかなと思った。今風に言えば『シェアアトリエ』ということになるのだろうか。

 

 

個展や展示会など発表の場をお探しのみなさま、朗報です。ごちゃまぜの家を展示場に使うメリットは(大きく言うと)ふたつあります。ひとつは『期限を問わず無料(0円!)』であること。これ、結構芸術家の卵的な方々にはいいことなんじゃないだろうか(自分だったらうれしい)。無料だから、いつもより大胆に行動できる。失敗してもOK。無論、商品の売り買いは自由にやってくれて結構。すべて主催者の取り分になる。もうひとつは『泊まり込みもOK』ということ。これ、なかなかないと思う。遠方の方とか嬉しいんじゃないだろうか。移動費や宿泊費用が浮く。ごちゃまぜの家は比較的広い。空部屋もある(風呂も布団もある)から、三日でも、一週間でも、実験的に家を離れてごちゃまぜの家にて作業をしたり展示をしたりできる。これ、芸術家の方々から見たら、どんな風に感じられるのだろうか。

 

ibaya.hatenablog.com

 

ごちゃまぜの家と逢初庵 

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ごちゃまぜの家の和室

 

「芸術家を応援したい」とか言うと超絶嘘臭いが、無料の空間があるのだから、自由に使っていただきたい。個展でも、グループ展でも、なにも芸術に限らなくてもやり方はいろいろある。興味のある方は一度、ごちゃまぜの家か逢初庵に実際に遊びにいらしてください。そこで詳細を決めましょう。多分、随分と融通は効くと思います。我々としても、ごちゃまぜの家(横浜の家)や逢初庵(熱海の家)に風が吹くことはうれしい。そもそもで「ごちゃまぜの家ってなんだ!?」と思われた方は、以下のリンクをご覧ください。ごちゃまぜの家は、2018年5月にクラウドファンディングを通じて生まれた『誰でも自由に立ち寄れる家』になります。

 

camp-fire.jp

 

家の雰囲気を収めた動画を貼ります(動画が古いので結構変わってきています)。基本、母屋一階部分&庭はすべてフリースペースになるため、どこもかしこも展示に使えます。和室は広く12畳ほどあるので、簡易ワークショップなども開催可能です。台所にあるもの(というか家にあるものすべて)は自由に使えます。逆に言えば、自由に使えるために「冷蔵庫にいれていたあれがなくなった!」的なことは日常茶飯事になります。この空間においては、所有という概念がゆらぎます。基本的に「ここに置かれているものは、置かれた瞬間に『人類全体の共有物になる』という宿命を負う」スタイルが1年以上貫かれています。本当に死守をしたいならば、名前を貼った付箋でも貼るか、自分の鞄にいれておく、などの対処法をします。家主に「みんなの心をざわっとさせたい」という趣向があるため、玄関に、出し入れ自由の財布を掲げてあります。取るのも自由。入れるのも自由。です。あんまり前例のない場所なので、なかなかうまい説明をすることができません。だから「実際にきてくれ。自分の目で確かめてくれ」としか言うことができません。

 

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不定期更新の日誌もあります。

 

gochamaze.hatenablog.com

 

ツイッターもあります。

 

 

熱海の家も同じ感じです。横浜に比べ、熱海の家は小さいです。動画を貼っておきます。芸術の秋。どちらの家も「試しに期間限定で無料の展示会に使いたい!と思う人を募集してみよう。そして、やりながらこの家の隠された使い方を見出していこう」というのが今の気持ちです。なかなか説明しきれていませんが、これらの情報をもとに「私が探していたのはこういう場所だ!」的な直感を得た方は、下記連絡先までお気軽にご連絡ください。家主(坂爪圭吾)は移動が多く、なかなか家にいないことが多いのですが、今日から5日間程度なら柔軟に対応できます。興味のある方は、私と連絡をとり、実際に家にきていただくか、遠方の方はラインなどでやり取りを交わせたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします(募集期間は、取り急ぎ、2018年いっぱいを予定しています。見事に「ハマった!」と手応えを得た場合に限り、募集期間を延期する可能性もあります)。

 

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連絡先・坂爪圭吾

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楽になる道が正解だよ。

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この自転車も茨城県在住N様からご提供いただいた『人類全体の共有財産』です。希望者は自由に使えます。みなさまの善意により、ごちゃまぜの家は成立をしています。

 

新潟県在住H様から新潟産こしひかりを大量に送っていただきました。これでしばらく飢えることがありません。もし、今、飢えているひとがいたら「とりあえずごちゃまぜの家に来い。玄米だけならたらふく食わせちゃる」と言えます。ここで甘えたことをほざかせていただくと「最近めっきり寒くなってきたから、冬用布団が欲しい…」などと思っています。奇跡的に「ちょうど使っていない冬用布団セットがあったのよ!」的な方がおりましたら、ご連絡をいただけましたら歓喜雀躍です。貰い物で生きる。それが坂爪圭吾の33年間の人生でした。これは今後も続きます。私は、今、ごちゃまぜの家の庭に張ったテントで暮らしています。なぜテントで寝るのかとみんなから異端視されます。理由は「テントが好きだから」です。寝袋で寝るのは寒いけれど、この寒いのがいいんだよ、などとひとりごちています。

 

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利用者の方からいただいた手紙・1

 

私は今も昔もたいして金がありません。しかし、金がないくせに「金がない」とは日常的に考えません。お金に対して謎にリラックスできています。なぜか。自分でもわかりません。ただ、ここ数年間の日々の中で「世界に財布はひとつなら、金は永遠に減ることはない」という阿呆みたいなことを割と本気で信じていることを感じています。俺の財布から消えた金は、誰かの財布にはいっていく。それならば、金の総量は同じままだ。と。金も家も同じ。世界がひとつの家ならば、どれだけ離れていようが、俺たちは同棲していることと同じだな。と。そういう阿呆みたいなことを割と本気で信じている(そういう風に思えている時の自分は調子が良い)ことを感じています。みなさまは、さて、所有というものをどのように考えているのでしょうか。どこまでが自分のもので、果たして、どこからが自分のものではなくなるのでしょうか。ごちゃまぜの家は、空気は、風は、太陽は、心臓は、血液は、音楽は、動物は、夜景は、花は、水は、命は、さて、誰のものになるのでしょうか。

 

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利用者の方からいただいた手紙・2

 

俺のものなんてひとつもない。そう思うと、不思議と、自分を生かそうと思う気持ちが湧く。自分のものだと思うから大事にしようと守りに入る。しかし、これは俺のものではないのだなと思えるとき、執着と呼ばれるようなものが薄れ、自分のためというよりも「みんなのため」に使おう(否、もっと前のめりに「使いたい」)という気持ちになります。自由とは、多分、自分が消えた状態だ。自分の命を、自分以外のものに使う行為を『愛』と呼ぶのかもしれない。そして、真の意味でなにかを愛することができたとき、そのひとは『自由』になる。と。非常に抽象的な話を失礼いたしました。ごちゃまぜの家や逢初庵でなにかをやってみたいと思われた方は、是非、お気軽にご連絡ください。現在の横浜は月が綺麗に輝いている。月は、当たり前のことだけれど誰のものでもない。でも、自分が見ている間だけは、月さえも『自分のもの』になるのだと。握り締めることをやめるとき、自由に羽ばたく『それ』を見て、同じように私の心もまた、自由に羽ばたくことができる。

 

 

GOCHAMAZE no IE

 

人生は続く。 

 

坂爪圭吾 KeigoSakatsume
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE http://urx2.nu/xkMu  

 

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