いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

人生とは、自分を楽しませることである。

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わたり食堂とは「誰でも0円で食事や飲物やマッサージなどの各種サービスを無料で楽しむことができる、フリーミールの飲食店」です。このようなコンセプトを掲げて、実験的に『第2回!わたり食堂』を開催した。結論から言うと「人生も、イベント内容も、何でもありなんだな」と思った。イベントの終了時刻は19時を予定していたはずが、深夜の2時を過ぎるまで泊まり込みで(!)話し込んでしまった。


わたり食堂が参考にしている考え方は「サービスを受ける側(料理を食べる側)がお金を払ってしまうと循環が起こらない。それならば(あらゆる前提をまるごとひっくり返して)サービスを受ける側は永遠に無料で、サービスを与える側が『自腹を切ってでも与える側にまわれる環境(お金を払ってでもやりたい仕事)があったらどうなるのだろう??」というものになる。第1回目の開催は見事にとっ散らかったものになったが、第2回目の今回も引き続き非常にとっ散らかったものになった。


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前回は休日開催でひとが集まり過ぎたために、今回は2月3日(水・節分)の平日を開催日にした。が、しかし、世の中には平日の昼間だろうが県外からはるばる熱海まで足を運んでくれるひとたちが大量にいた。結果的に、宮城や茨城から、千葉や神奈川から、三重や奥飛騨から、70人程度(下は1歳の赤ん坊から上は60代の方まで)が来てくれた。玄関におさまり切らなかかった靴が、路上に投げ出されている。室内は完全にカオスとなり、わたしは呼吸をするために屋外に逃げた。

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「坂爪さん、物置きを改修するなら畳使いますか?」ということで、畳を二枚頂戴した。それを玄関に敷き、私の愛する江ノ島ラムピリカの店主さんによる『野点(のだて)珈琲店』が突発的に開店した。適当なキャンプ道具を駆使して、屋外に敷いた畳の上で淹れる珈琲は(絵的にも)格別だ。この辺りから、わたり食堂に関する細かいルールは完全に吹き飛んだ。誰もが好き勝手なことをやるようになり、誰もが好き勝手なことをやりながらも、それはそれで(一応)成立しているという『大人の保育園』の園児たちになった。

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行列が出来る。

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行列の横では、もう一枚の畳を玄関脇に敷き、これまた別のひとが「寝袋必要なんですよね?あげます!」ということでプレゼントしてくださった(ありがとうございます!)寝袋を敷き、日光浴をしながら横になった。これが、想像を絶して気持ち良かった。この頃から、わたしは太陽の光に溺れて室内では何が行われているのかということを何も知ることはなくなってしまった。ほんとうは、もっと有益な情報(無料のイベントはこうするとうまくいくよ!的なこと)を書きたかったのだけれど、無理だ。

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屋内では、常に何かが行われていた。

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わたり食堂の開催にあわせて、驚いたことに、裁縫を得意とする方による手作りの座布団が9枚(!)届いた。デザインのセンスも抜群で、何かもう「みんなほんとうにすごいな!」という気持ちになった。他にも全国各地から様々な贈り物が届き(すべてを紹介できなくてごめんなさい!)、私はもうどうしようもない気持ちになった。届いた荷物を開封しながら「キャー!」とか「イヤーン!」とか「オーソレミヨ!」とか、そんな言葉が口から飛び出た。

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切手の収集を趣味とされていた方からも、大量の切手をプレゼントしていただいた。写真だと非常に伝わりづらいが、実際に目にするとその分量に圧倒される。自宅が切手の天国になった。皆様、ここは試しに坂爪圭吾に手紙を書いてみてください。小生、お金はないけど切手はあります。返信が出せます。私とペンフレンドになりましょう(自宅で『誰かに手紙を書きまくる日』などを設けたいです)。

感謝しながらやっているのか、感謝されたくてやっているのか。


わたり食堂開催を経て、ひとつだけ「これは良い教訓になった」と思えることがある。多分、仕事でも家事でも人間関係でも「感謝しながらやっているひと」と「感謝されたくてやっているひと」のニ種類がいる。これは物凄い大切なことだと思うのだけれど、感謝されたくてやっているひとには『負のエネルギー』が宿る。当たり前のことだけれど、感謝されたいということは『感謝させたい(相手をコントロールしたい)』ということだ。

自分が王様になる。

わたり食堂は無料の飲食店だ。料理を出すひとも、何かしらのサービスを与えるひとも、基本的にはやりたいからやっているだけであり、何も対価は貰っていない。だからこそ『自分が王様になる』という考えが非常に重要になる。やりたいことはやる、しかし、やりたくないことはやらないのだということを最初にはっきりとアナウンスしておかないと、ほんとうはやりたくないことも「仕方がないから」やらなければいけないということになる。


必要なのは、この態度だ。

『知のジュエリー12ヶ月』

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今回の「わたり文庫無料郵送の一冊」は、叶恭子『知のジュエリー12ヶ月(イーストプレス)』です。ちょうど今日、ポストを開けたら心ある方から『この本は思春期の女の子に向けた本ですが、男性の方にも読んでもらいたいです』という手紙とともに、自宅に届きました(ありがとうございます!)。わたしも熱海の叶恭子と呼ばれて久しい(嘘)ので、ご希望される方は何かしらの形でご連絡ください。メールの返信が遅い&出来ない可能性が多大にありますが、勘弁してください。

※※※ こちらの本は、山梨県にわたりました ※※※

人生とは、自分を楽しませることである。

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わたり食堂に来てくれたひととは、様々な話をした。あるひとに「自宅を開放して、何かこうストレスにはならないのですか?」と尋ねられた。正直に言えば、イベント終了後に高級トイレットペーパー『白檀の香り』が四個も使われていたことが発覚した瞬間には「うわあああああああああ!!!」という気持ちにもなったが、その程度のものであり、無理のない範囲で自宅を開放することに(多分慣れの問題なのだと思うけれど)それほど抵抗は覚えなくなった。

※※※ このあと、静岡県富士市在住の方から「富士市はトイレットペーパー生産量が日本一なので、詰め合わせを手配いたしました!」という、奇跡のご連絡をいただきました ※※※

これは完全に余談になるけれど、我が家には輪島塗の高級漆器(頂き物)の大きなお盆がある。そのお盆が、わたり食堂の音楽の時間の時に、タンバリン代わりとしてスプーンでガンガンに叩かれていた瞬間があった。輪島塗をプレゼントしてくれた方もその場にいて、あろうことか、自分の輪島塗がガンガンに叩かれているのを見て「失神しそうになりました!(そして、自分の小ささが良くわかりました)」というコメントを残してくれた。

誤解されると困るが、私は高級漆器をタンバリン代わりにしたひとを責めたい訳では微塵も無い(無駄にトイレットペーパーを使ったひとはちょっとだけ責めたい)。私が言いたいのは『誰も悪くない』ということであり、何というか、もう、仕方がないということが世の中にはたくさんある。何かをやれば、何かを得る。それが一時的には非常にショッキングな出来事であろうとも、過ぎて見れば、ひとつの笑い話になる。ユーモアがないものを楽しむことはできない。笑い話を増やしていこう。人生とは、多分、自分を楽しませることである。


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人生は続く。

静岡県熱海市伊豆山302
坂爪圭吾 KeigoSakatsume
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