いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【KUL-バンサー】自分の状態をピースフルにしておくことが、勝手に平和に貢献する。

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クアラルンプールでの日々も4日目を迎え、様々な奇跡に遭遇した。マレーシアは多民族国家なので、すれ違う人々のグラデーションも非常に豊かで、歩いているだけで嬉しくなる。個人的には、インド人の厚かましさと愛くるしさの虜になっていて、いろいろな人がいる(違っていて当たり前)ということは、これほどまでに嬉しいことなのかという気持ちになる。


最近の出来事と感想をまとめます。

1・格安航空券の普及と「大移動時代」の幕開け。


各種航空会社がセールをしている。日本国内であれば、いまでは1000円程度で飛行機に乗れる時代になった。高速バスに乗るよりも手軽で、これからは「街に買い物にいく感覚で県外や海外にいく」人たちも増えるのだろう。普段はいかない場所に足を運ぶ最大のメリットは「いまいる場所が世界のすべてではない」という当たり前の事実を、自分の肌感覚で実感できることにあると思う

2・家賃7万円でプール付きの豪邸に住める。


マレーシアで働いている友人から「時間があったら話そー!」という連絡をいただいた。最近引っ越したばかりだという彼女の新居は、非常に半端なかった。高層ビルディングの一室が彼女の部屋で、そこには当たり前のようにプールやジムがついている。素晴らしい家具も備え付けの物件で、やたらに広く、やたらに快適で、自分みたいな人間だったら「20人は住めるな」などと思ってしまった。

多分、東京だったら同じような広さの物件でも20万円はするような部屋だ。しかも、こちらの物件にはプールやジム(そしてホテルクオリティの家具一式)までついている。言葉にするとひどく当たり前のことだけれど、誰もが「自分の暮らし方を選ぶ自由がある」のだということを思った。

3・「こうでなければいけない」ということもない。


彼女の手作りのランチをいただいた。「アジア料理ばかり食べていたら飽きるかなと思って」という彼女の優しさは半端なくて、肉と大根の煮付けや、豆腐や、カレー(こくまろ)などをいただいてしまった。しかも、ごはんは「こしひかり」だ。日本の白米はべらぼうに美味い。

彼女曰く「まだここで働き始めて一ヶ月ばかりで、最初はやっぱりストレスとかも感じるのかなとか思ったんだけど、働いてみたら意外とどうにかなるばかりかストレスを感じることも全然なくて、というのも、ここのひとたちは本当にフランクな人が多いし細かいことを気にするひとも少ないから、いままでだったら『こうでなければいけない』っていうのがものすごいあったんだけど、必ずしもそうである必要はないんだな、みたいなことを思ったよ」

そう話す彼女の表情はほんとうにカラッと明るいもので、その空気感に触れているだけでこちらまでしあわせになってしまうような、素敵な雰囲気を醸し出していた。素晴らしい友人だと思った。

4・青天の霹靂感が半端ないオファーと足腰の震え。


Twitterから格安航空券の情報をつぶやいていたら、奇跡が起きた。バリでは言葉に尽くせないほどお世話になった方から「ゴールドコーストからキャンピングカーでエアーズロックまでいってみたいなあと思っていたんだけど、女だけだと何かあった時にどうかなと思っていて、けーちゃん(坂爪圭吾)とほっしー(奇跡を余白に舞いこませた男)もよかったらどうかなと思って」という連絡が届いた。

私はあまりの出来事に自分の目を疑ってしまった。ゴールドコーストにいけるかもしれないという可能性よりも、こうして、実際に声をかけてくれるひとがいるという事実に、言葉にできない胸の震えを感じてしまった。優しいひとはいる。生きていればいいことがある。そういうことをひしひしと感じた。


5・凄いのは自分ではなく「自分の周囲の人達」である。


また、別の方からも「Twitterを見ました。現在の私はケアンズに滞在しているのですが、航空券代程度だったら負担できるので、もしもこちらに来ることがあればお声かけください」という連絡や「もしよかったら一緒に4月にアメリカにいきませんか??」という連絡が届いた。

誤解されると困るが、わたしは決して自慢をしたい訳ではない(本当はちょっぴり自慢をしたいのかもしれない)。そんなことよりも、このように実際に声をかけてくれる優しいひとはこの世の中に確実にいるということ、人間は決して捨てたものではないということ、すべてのひとがやさしい訳ではないけれど、すべてのひとがやさしくない訳でもないということを、まさに実感することになった。

6・「人は優しい」ということ。


現に、いまの私も「日本在住の好意溢れる女性(Tさん)」の助力(?)によって、マレーシアのクアラルンプールに滞在することができている。Tさんは非常にやさしく、所持金の少ないわたしにごはんをご馳走してくれる。電車代も出してくれる。何から何まで世話をしてくれるし、ひとりになりたいと言えば「どうぞ!」といった感じで、自由に放置をしておいてくれる。

昨日は、そんなTさんに、わたしの友達を紹介できたことが嬉しかった。わたしの自慢の友達である。そして、今日はTさんと一緒に、クアラルンプールのバンサーという地区に在住している日本人夫婦のご自宅(これがまた半端ない豪邸!)に招待していただいたので、皆で一緒にランチを食べた。

こちらのご夫婦とは今日が初対面だった。数日前に、奥様から「わたしはクアラルンプールに住んでいるので、よかったら遊びに来てください」的な声をかけていただき、私たちは甘えた。結論から言うと最高の時間になったのだけれど、そこで交わした会話が非常に印象深いものになった。

7・結婚とかはしないでもいいから、遺伝子を残して欲しい。


奥様のWさん曰く「この前、人生で一番感動した瞬間についての記事を読んで思ったんだけれど、わたしが一番感動した瞬間はいつかなって考えたら、それは、やっぱりこどもを生んだ時かなって思ったの。わたしもいままで自分の好きなように遊んで暮らしてきたんだけど、でも、こどもを生んだ時のよろこびは『世界にはこんなよろこびもあったのか!!!!』って感じで、いままでとは全然世界の色が違って見えるようになったの」


「だからね、坂爪さんに会ったらこれだけは言いたいって思っていたことがあってね、それは、別に結婚とかはしないでもいいから、坂爪さんの遺伝子を残してほしいなあって思ったの。坂爪さんみたいなひとの遺伝子は貴重だから、坂爪さんがどう思うかはわからないけれど、わたしとしては坂爪さんの遺伝子を残してもらえたらうれしいなあって、そんなことを思ったんだ」

8・フォワードとフォワードでは相性が悪い。


奥様のWさん曰く「わたしには男みたいなところがあって、家のことをやるよりも、自分が外に出て働く方が性に合っているんだけど、わたしみたいな人間には『(いまの旦那さんみたいに)家にいてくれて、家事や子供の世話をしてくれる』ひとがすごい合うの。昔の自分だったら、坂爪さんみたいなひとを見たらシンパシーを覚えて好きになっちゃってたかもしれないけれど、そういう恋愛はお互いに疲れちゃうしうまくいかないということは、30代の恋愛を通じてなんとなくわかったつもりなのね」

「やっぱり、フォワードとフォワードでは、どうしたって相性が悪くなってしまうのよ。ディフェンスがいてくれることで、はじめてフォワードはフォワードとしての威力を発揮できるっていうのかな。だから、港の女とかでもなんでもいいから、坂爪さんには遺伝子を残して欲しい。そして、たとえばこどもを通じて『教育』に対してどのようなことを思うのかとか、そういうことに興味があるなあ」


9・たくさんの大人たちが、たくさんのこどもたちを育てる。


奥様のWさん曰く「ここでは近所のこどもも家に遊びにくることがあって、たとえば、隣の家の10歳くらいの女の子が家にくると、わたしが巻き寿司をつくっているのとかをまじまじと見たりするのね。それで、わたしも教えてあげられるのがうれしいし、女の子も教えてもらえることがうれしいみたいな感じになるの。あとは、別の男の子が遊びにくることもあるんだけど、その男の子のお父さんは会社で働いているから、自分のお父さんが働いている姿を見ることはできないのね」

「だけど、我が家にくれば、旦那さんは家事をしながら家で仕事をしているから、働いている姿を間近に見ることができるの。それが、すごい勉強になるって言ってもらえるんだけど、これって、別に親の役割は親が全部果たす必要がないというか、みんなで共同してこどもの世話をしているという感覚に近くて、より幅の広い世界をこどもに見せることができているのかなって思うことがあって」

そして、旦那様のSさん曰く「坂爪さんが前にブログで書いていたバリの家族みたいに、必ずしも両親だけでこどもの世話をするんじゃなくて、たくさんの大人たちが、たくさんのこどもたちを育てる土壌みたいなものが、マレーシアには感じることが多いんだよ。自分たちでなんでもしようとするよりも、皆で助け合ってやっているという感覚は、うれしいものだよね」


10・自分の状態をピースフルにしておくことが、勝手に平和に貢献する。


ご夫婦の話を聞いていると、世界にはたくさんの「幸せの形」があるのだということを感じる。そして、何よりもご夫婦の表情がほんとうに素敵だった。温和でやさしく、笑顔がキュートで、その空気感に触れているだけでこちらまで嬉しくなってしまうような、そんな雰囲気に包まれていた。

自分がいいなと思うものに触れると、自分の身体をチューニングできている感覚を覚える。わたしにとって、マレーシアで働く友人の存在や、日本人夫婦の存在は、まさに「私の身体をチューニングしてくれる」非常に貴重な存在であり、素敵なひとは、生きているだけで見る人を幸せにする。


自分の状態をピースフルにしておくことが、勝手に平和に貢献するのだろう。多分、人間が行動のモチベーションにできるのは「愛」か「恐れ」のどちらかになる。恐れをベースに行動を起こす限り、永遠に恐怖の感情からは自由になることはできない。できることならば「愛」をチョイスできる人間でありたいと、そういうことを思いました。

人生は続く。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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