いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【TKO-浅草寺】「坂爪さんを誘拐してもいいですか?」ということで、今月末にローマとヘルシンキに行くことになりました。ー 「1回の食事でご馳走した人数の自己ベストを更新する会 〜はなまるうどん編〜」を終えて。

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東京の浅草寺を経由して「1回の食事でご馳走した人数の自己ベストを更新する会 〜はなまるうどん編〜」というものを実験的に開催してみた。開催の動機は『海外にいたら猛烈にうどんが食べたくなったこと』と『愚かな金の使い方をしてみたくなったこと』と『「俺、一度にこれだけの人数に奢ったことがあるんだぜ…(遠い目)」的なドヤ顔をしたくなったこと』の3つです。

印象的な発見が5つあった。

1・【NOペコペコの法則】自分がご馳走する側なので「本日は、わざわざお越しいただきありがとうございました」的な感じで、お客様(?)に無駄にペコペコする必要がなくなる。

参加者から参加費などの料金を徴収する場合、主催者側には「貴重なお金と時間をいただいているのだから、しっかりと対応しなければいけない」という(ある種幻想的な)プレッシャーが発生する。しかし、今回の場合はこうしたプレッシャーからは無縁である。私が奢る側であり、参加者の皆様は奢られる側になる為に、人間関係に上下をつけるとしたら「坂爪圭吾が圧倒的にJOE(上)!」になる。

FBでイベントページを作成して簡単な告知をしたら、当日は28名の参加者が来てくれた。開店前のはなまるうどんに30名規模(参加者の9割は初対面)の行列が出来る形になり、私は皆様の前で「今日は遠慮せずに好きなものを食べてください。私のおすすめは『かけうどん(小)』です。食事を終えた瞬間にこのイベントは終了になります。このイベントがなければ決して出会うことのなかった誰かとゆっくり話して帰ってもいいし、速攻で帰宅してもOKです」という極めて適当なアナウンスをした。

主催者側は「面白そうだと思ったからやる」のであり、参加者側も「面白そうだと思ったから来た」のであり、そこには「(お互いに)無駄にペコペコする必要」はない。極めて健全な(理想的な、そして本来であればすべての状況がそのような対等で行われても良いはずである)ものだと思った。

2・日本人は「騙しやすい国民ランキング」堂々の世界第1位である。

面白い現象が起こった。はなまるうどんのオーダースタイルは、ひとりひとりが行列に並んで自分が食べたいものを店員さんに注文する形になる。最初の複数名が全員かけうどん(小)を注文した為に、はなまるうどんの店内には「かけうどん(小)を注文しなければいけない」という謎のムード(又の名を強制力)が発生した。自分が食べたいものが他にあったとしても、他のみんなはかけうどん(小)を頼んでいるのだから、自分も他の人と同じようにかけうどん(小)を頼まなければいけない的な謎の雰囲気が醸し出されて、結果的に参加者の9割がかけうどん(小)を頼む結果になった。

仮に私が海外の極悪マフィアだとしたら、日本人のサクラを五人程度用意して、その五人に「いいか、お前らは絶対にかけうどん(小)だけを頼むんだぞ。そうすれば、あとから続く人たちも9割はかけうどん(小)を注文する。それが日本人だ」的なことを企ててしまうことが出来るような気がした。

《余談》『前に倣えをする(他人と同じ選択をする)』ことにはメリットとデメリットがあって、デメリットは「自分が食べたいものを食べることができない(自分が思うような日々を過ごせない)」のに対して、メリットは「自分で考える手間から解放される」ことに尽きる。自分で決断するのはエネルギーを必要とするために、誰かに何かを決めてもらう方が圧倒的に楽だということ。これは善し悪しの問題ではなく、自分がどのような人生を送りたいと思っているかの問題になるのだろうなと思いました。

3・「我慢をしている自分は偉い」という感覚。

正直な参加者の方が、あとから話して聞かせてくれた。

「私は、本当は300円のうどんを食べたかったのだけれど、130円のかけうどん(小)を頼んだ自分は『坂爪さんにかける負担を170円軽減させた』という点において偉い、という感覚を覚えました。(負担をかけたくないなら、そもそもでこのイベントに参加するなよって話でもありますが…)」

我慢をしている自分は偉いという感覚は非常に興味深いものだと思った。嫌な仕事をやめられない心理とも似ているのかもしれない。しかし、我慢を続けていると「我慢をしていない人間を見ると許せなくなってしまう」場合もあるので、適度な距離感を保つのが精神的にも健康な気がする。

4・780円相当の注文をした女性がどよめきを起こす

最初の段階では24名が集まり、ほとんどの人がかけうどん(小)を頼んだ為に、驚いたことに総額3800円(ひとり約150円)程度で会計が済んだ。私は「24人におごる」という武勇伝を3800円で購買したことになる。悪くない体験である、とか思っていた所に複数名の女性が「すみません!」と言いながら遅れて会場に到着した。私が「好きなものを頼んでください」と言うと、わかりましたと言いながら女性は780円相当のうどんを頼んだ。こちらの女性は、かけうどん(小)を頼まなければいけないという謎の同調圧力から自由であった為に、自分が食べたいと思うものを心のままに注文してくれた。

そして、彼女が自分のうどんを持って客席に登場すると、かけうどん(小)を食べている群衆の間から「おおおーーーー!!」というどよめきが起こった。まるで奇跡を目撃したかのように、謎のどよめきが発生して私は思わず笑ってしまった。「あなたが今日の一等賞です!」と女性に伝える男性陣まで現れて、なんだこれはと私は笑った。780円と言えばかけうどん五人前である。通常の五倍のインパクトが女性に宿り、会場にはどよめきが起こって「何だかよくわからないけれど楽しいな」と思った。

5・朝食をご馳走した方に昼飯と整体をご馳走してもらう

早過ぎる返報性の法則である。はなまるうどんで初対面を果たした男性の方から「恵比寿におすすめのカレー屋さんがあるので、お礼と言ってはなんですがご馳走させていただけませんか?」とオファーをいただき、私は好意に甘えることにした。男性の職業はセラピスト(?)で、ランチの後には軽い整体(?)までしてもらった。カレー屋さんの女性店主の方も非常に温厚な人柄で、新しいつながりに私は嬉しくなってしまいながらも「なんだこれは」と思っていた。

当たり前だけれど、私は「昼飯と整体をご馳走してもらう為にはなまるカーニバルを開催した」訳ではない。単純に自分がやりたいと思ったことを損得抜きに実際にやってみたことが、思わぬ結果を招いた。昼飯や整体以外にも、手作りのお菓子やGODIVAのチョコレートをお土産に持って来てくださる方もいたり、「今度イベントに出演してください」とか「東京で宿に困った時はいつでも泊まりに来てください」と言ってくれる人もいて、私は「ありがとうございます」を何度も連呼する結果になった。

そして、極めつけが「坂爪さんを誘拐してもいいですか?」という非常に魅惑的なお誘いである。これは今回のはなまるカーニバルとは実は何も関係がないのだけれど、私の生き様や雰囲気を面白がってくださる方と一緒に、今月末にローマとヘルシンキに行くことになった。私がまるでお金をもっていないことなんて既にご存知の方だったので、すべての旅費は負担していただけることになった。

「坂爪さんにヘルシンキを見てもらいたくて。海外に興味があると言っていたし、私もローマとヘルシンキには行ったことがなかったので、ひとりで行くのもあれだし、どうしようかなと思っていたら坂爪さんの予定も公開されていたし何か時間もあるみたいなので、一緒にどうかなと思いました」

何が起こるかわからないのが人生であり、損得抜きに自分がやりたいと思ったことを実際に続ける日々を過ごせば、思わぬところで(自分の想像力を遥かに凌駕したレベルの)奇跡が起きる。これは人生の美しい保証であり、何でもいいから自分がやってみたいと思ったことは実際にやってしまうのがベストなのだろう。東京の浅草寺で八百万のゴッズに挨拶をしたのが功を奏しまくったのかもしれない。

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人生は続く(ありがとう神様)。

坂爪圭吾 KeigoSakatsume《ibaya》
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