いばや通信

ibaya《いばや》共同代表・坂爪圭吾のブログです。

【4日目】家を捨てよ、町へ出よう。 - 自分自身が「作品」になる -

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私にとって最も尊敬に値する人間とは、金や権力を持っている人間でもなく、幸せな家庭を築きあげた人間でもなく、立派な業績を成し遂げた人間でもない。私が最も尊敬するのは「自分の人生に対して真っ向から立ち向かっている」人であり、そうした人には「他人を生き様で感動させる」ことができる魅力が宿ると信じている。

みんなが欲しいものを持っている人ではなく、その人にしか持つ事が出来ないものを持っている人は魅力的だ。そして、この世に自分の代わりは一人もいない。そうした意味で、誰もが「その人にしか持つ事が出来ないもの」を持っているのだと私は考えている。

【4日目~2014年3月14日(金)~】

7:00 ベローチェで奇跡が起こる@目黒

この日は何も予定がなかったので、ベローチェ(カフェ)で悩んでいた。すると奇跡が起きた。まずは宿が確保できた。原宿の豪華絢爛なシェアハウスに住む友人が、「うちに泊まってもいいから、代わりに料理教室をやってよ」と言ってくれた。私は4年間ほど自分で料理教室を主宰していたので、人に料理を伝えるスキルと幅広い料理の引き出しがある。生きていて良かったと思った。

そして佐賀県在住の女性(ひろこさん)からFBを通じて連絡が来た。今から佐賀空港を出発して、私にランチをご馳走してくださるという。私はアゴが外れた。私の中で、今日本で最も熱い都市は佐賀県だ。バレンタインデーにホームをレスしてから佐賀県武雄市界隈で奇跡が起こりまくっている。人生は何が起こるかわからない。佐賀爪圭吾の誕生は近い。

群馬県に住む男性からも連絡が来た。ツイッターで私の動向を見て、一度会って話して見たいと思ってくれたと言う。こういうお誘いは本当に嬉しい。当初は13時半から会う予定だったが、その方の都合で14時半からに変更になった。神様が仕掛けたグッドタイミングだった。おかげで私は佐賀県の女性の方と、14時半までゆっくり話せることになった。

≪余談≫佐賀県武雄市にゆみこさんという極めて魅力的な女性がいる。先日、FBから「ゆみこのいのしし」というFBページを紹介していただいたのですが、背景写真に「貴女たちとは肉食のレベルが違うのよ…」と書いてあるのを見て果てしなく胸が高鳴った。最高だと思った。今、世界で一番気になっている女性が佐賀県武雄市のゆみこさんだ。

私はやばい人が好きだ。どこまでも自由な人が好きだ。ゆみこさんのような女性は、生き様で見る人を楽しませたり感動させたり胸を高鳴らせたりすることができる。ゆみこさんそのものが生きた作品であり、ゆみこさんそのものが生きたエンターテイメントになっている。私の中での作品の定義はどこまでもシンプルで、「生き様で他人を感動させる存在」ということだ。

12:30 佐賀県からいらっしゃったひろこさんと会う@品川

品川駅の港南口でひろこさんと待ち合わせる。だがしかし見つからない。せっかく佐賀からいらした方を待たせてはいけないと軽度の錯乱状態に陥った私は非常にあわあわした。ひろこさんに連絡をする。結果、どうにかこうにか落ち合う事が出来た。高輪口近くのシンガポール料理屋さんに行ってランチをご馳走になる。「逆援助交際みたいだね☆」というひろこさんの言葉にドキッとする。一瞬で時間が過ぎ去った。言葉にできない感動を覚えた。

ひろこさんと話しながら、「人にはそれぞれ事情がある」「つらさに大小はない」という二つの言葉を思い出した。なぜそれを感じたのかを言語化するのは難しい。ただ、ひとりの人間が生きているということは、どこまでもプレシャスで人の心を動かすものなのだということの感動を覚えた。立派な業績を残した人が偉いのではなく、自分の人生を生き切った人が立派なのだと私は思う。ひろこさんと話した時に覚えた感動を、今もまだ消化し切れないでいる。

14:30 群馬県から来てくれた男性と、山梨県から来てくれた女性とお茶をする@品川

ひろこさんとの会話が盛り上がってしまって、私は案の定待ち合わせに遅刻をしてしまった。私は失礼な人間だ。このようなことは極力減らしたいと思っているのだけれど、群馬県からいらした男性が優しく許してくださったので甘えに甘えた。適当なカフェを探すために品川駅界隈を散策した。すると、山梨県からいらした女性からも連絡をもらった。合流することになった。

私たちは三者三様に初対面だった。奇妙なシチュエーションだったが、果てしなく楽しかった。カフェが全然見つからないので、私たちは1時間近く品川駅界隈を散策した。軽く迷子だった。しかし、楽しく迷えたからOKだよねということになった。重要なのは目的地に到着することではなく、重要なのは今一緒にいる人とどれだけ楽しい時間を過ごせるのかにかかっている。

男性は23歳で、女性は22歳だった。

男性はモバイルハウスなどで有名な坂口恭平さんとも実際に会ったことがあるといい、徒歩で熊本から広島まで帰ろうとしたなどのエキセントリックないくつもの経験を持っていた。評価経済や贈与経済やソロー「森の生活」などにも興味があるということで、極めて会話が弾んだ。

女性は、会社員をつとめながら絵を描いて暮らしていると言った。実際に彼女の作品も見せてもらった。絵を見た感動を言語化するのは難しい。彼女は言う。「私は言葉よりも先にイメージが頭に浮かぶから、それを絵にする。すると、絵を見て『ああ、私はこんなことを感じていたのか』と思わされることがたくさんある。絵から教えてもらうことがたくさんある」

この二人と話していた時の楽しさや嬉しさを言語化できない自分がもどかしい。素晴らしい時間だった。また話したいと思いながら私たちは別れた。ちなみに、私はカフェでのお茶代を女性の方に払ってもらった。しかも、その女性の方は餞別として私に5000円をくれた。私は狼狽した。ただでさえお茶をご馳走していただいているにも関わらず、しかもはるばる山梨からいらっしゃっているというのに、お金までもらってしまうのはどこまでも謎だ。だがしかし、色々話し合った結果有難く頂戴することになった。この出来事をうまく言語化することはできない。

私の中での消化作業は今でも続いている。

18:30 料理教室の準備を進める@原宿

18時半に友人と待ち合わせ、原宿のシェアハウスに向かう。この日、私は「世界の8大スープ祭り」を開催することにした。世界のスープをみんなで作ってみんなで食べて、わいわい話しながら楽しいフライデーナイトをエンジョイできたら最高だよねと妄想して、友人に手伝いをお願いして一緒に準備を進めることになった。

シェアハウスの住人の方も含めて総勢男女4名で、買出しを行って料理を行い、最終的に10名程度の参加者でスープを食べた。この日一番ショッキングだった話は、今、巷では「虫食い」が流行っているという事実だった。シェアハウスにはいろいろな人が訪れる。ある日、「地球を感じたい」という理由で虫食いを始めた男性がやってきたのだという。高たんぱくな昆虫はエシカル業界でも注目を浴びているらしく、だがしかしこの男性はいかれていた。常に生きた虫が入っているタッパーを持ち歩き、生きたままゴキブリなどを食べる。これにはさすがに私も引いた。ズザザザザーっと私のハートは引きまくった。虫食い恐るべしと思った。

27:00 シェアハウスの住人の女性と会話が弾む@原宿

普段はダンスインストラクターをしながら、趣味で花をやっているという女性と会話が弾む。私は花を愛している。故に、花を愛している女性を愛している。花がある空間とない空間では、何かが圧倒的に違うと感じている。そのことを女性に話したら何かこう一気に話が弾んで、深夜だというのに軽く話し込んでしまった。初対面の人と仲良くなれるこうした瞬間には人生の醍醐味ともいえるような歓びがある。非常に楽しい時間だった。

この日、私が得た教訓は以下の5つだ。

①自分が培ってきたスキルは、やがて思いもかけない形で生かされることがある。私は料理教室を主宰していたおかげで、この日の宿を確保することができた。

②「続きはWEBで」から「続きはリアルで」の流れは既に来ている。佐賀県の方も群馬県の方も山梨県の方も、実際に会う前から私の存在を知っていてくれて、ある程度の情報を仕入れた状態でお互いにリアルで対面した。これからはこういう出会いが増えまくるだろう。

③自分が興味のある分野についての発信を続けていると、そこに共感を覚えてくれた人が集まってくれる。「情報は発信する人に最も集まる」というのは真実だ。

④原宿のシェアハウスは激しく豪華だった。シェアハウスなのに家賃は平気で10万円以上する。その家賃を払えるという時点で、そこには面白い人が集まる。面白い人の周りには面白い人がいる。私はそこに紛れ込むことができて幸運だった。

⑤みんなが欲しいものを持っている人ではなく、その人にしか持つ事が出来ないものを持っている人は魅力的だ。そして、この世に自分の代わりは一人もいない。そうした意味で、誰もが「その人にしか持つ事が出来ないもの」を持っているのだと私は考えている。自分自身が「作品」になる。

≪余談≫私は普通ならそこに住むのに10万円以上かかる場所に、招待されることで無料で潜入する事が出来た。金も家もあった時よりも、金も家もない今の方が圧倒的に優雅な生活を送れていることに今更ながら驚愕した。面白い現象が私の周りで起きていると思った。

そして私は眠りについた。どこまでも濃厚な1日だった。【5日目】はこちらをご覧ください。

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「みてるわよ、あなたがしていること。あのね、神様じゃないわよ。もうひとりのあなたがよ。もうひとりのあなたがあなたをみているのよ。見放されないようにね。嫌われないようにね」

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坂爪圭吾 KeigoSakatsume/ibaya
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